ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

医療現場

2007年07月27日 | 時事ネタ関連
以前にも書いたが、閉鎖されたガソリンスタンドを最近良く見掛ける。”体力”の無い所が値引き合戦で疲弊し、已む無く店を畳んでいるのだろう。諸行無常の世を痛感してしまうが、逆に「こんなに増えて大丈夫なの?」と思ってしまう程増えている物も在る。それは歯科医院で、うちの近所で言えばここ数年の間に3軒も新規開業している。既に数軒の歯科医院が存在しているのにだ。

7月22日付けのJ-CASTニュースに、「歯医者もワーキングプア? 『月給25万』から『夜逃げ』まで 」という記事が載っていた。厚生労働省の調査(2006年度)によると歯科医院の数は6万7,441軒で、これは全国に4万店舗在ると言われているコンビニの数を遥かに上回っている。人口10万人当たりの歯科医師数は全国平均72.6人(2004年時点)で、東京都に到っては119.9人も居るそうだ。10万人当たりのコンビニの店舗数が33店舗前後(2004年時点)なので、歯科医師数の全国平均は倍以上という事になる。この過剰とも言える歯科医師数が、歯科医師の間に格差を生み出しており、経済誌「月刊東洋経済」(2007年4月28日&5月5日号)では歯科医師の5人に1人は月収25万円前後、100人に5人は所得ゼロに近い状態。と分析している。中には、夜逃げしてしまった歯科医師も居るとか。弁護士の世界でも年収500万円に満たない者が少なからず居ると聞く。何処の世界も”技術”が必要なのは当然だが、それ以上に”営業力”が求められているのだなあと痛感。

医療現場の話で言えば、「週刊現代(7月21日号)に「病人を見殺しにするアメリカの医療制度はビョーキだ」という記事が載っていた。アメリカ事情に詳しい映画評論家の町山智浩氏が、マイケル・ムーア監督の新作映画「シッコ」を取り上げ、アメリカの医療制度に付いて記している。

「Sicko(シッコ)」はSick(病気)から派生したスラングで、「病気の奴」とか「いかれた奴」という意味が在るそうだ。ムーア監督はこの映画の中で、「病気を治すの(アメリカの)医療制度自体が”病気”という現実。」を告発している。

****************************
・ アメリカの医療保険は民間企業の保険のみ。保険料は平均年間35万円。国勢調査によるとアメリカ全土には年収200万円以下の貧困層が3,800万人も居り、彼等にとって家族3人で100万円を超える保険料支払いは不可能。しかも、ブルーカラーの勤め先は従業員の医療保険等払わない場合が殆ど。(1980年代にアメリカの労働組合は崩壊したからとの事。)。斯くしてアメリカの人口約3億人の内の6分の1に当たる約5千万人が医療保険に未加入で、年間に8万人もの人間が何の医療も受けられずに亡くなっている。

・ 1997年にWHOが、世界各国の医療制度の機能性や平等性を総合してランク付けしたが、日本が世界第10位だったのに対してアメリカは第36位と、先進国中最低を記録した。

・ 或る男性は木材を切ろうとして左手の中指と薬指を切断したが、保険未加入の為に「中指縫合は600万円、薬指ならば120万円。」と言われ、結婚指輪を嵌める薬指だけを選び、中指の縫合を断念した。

・ アメリカ人が加入している保険の大半は、HMO(健康維持機構)というシステム。医師への報酬を保険会社が支払う事で、医療の内容を保険会社が管理するという「マネージド・ケア(管理医療)」を行っている。或る女性の夫は白血病骨髄移植をすれば治る可能性が在ったものの、保険会社は「可能性が在るだけでは不確定で実験的過ぎる。」という理由から手術を許可しなかった。(彼女の夫は、その後に死亡。)

・ 医師は治療の質や量に関係無く、HMOから一定の給料を貰っており、逆に投薬や治療を拒否すればする程、保険会社の支出を減らしたと評価されて奨励金が貰える。同様に保険会社の職員も、投薬や治療を拒否すればする程給料が上がる。(「彼等は医学の知識はゼロだし、その患者に会った事も無いまま、治療拒否を乱発するのだ!」と町山氏は指摘。)

・ 保険会社には患者の病歴を捜しまくるプロが居り、例えば交通事故で手術した際、保険加入時より以前に皮膚病に罹患していた事実を見付け出して、「病歴を隠していたから契約は無効。」と治療費が一切支払われなかった。又、夫は心臓病、妻は癌の治療を受けた夫婦は、保険会社から「どちらの病気も保険加入前に始まっていた。」と支払いを拒否された。”本人達は病気の事実を全く知らなかった”のにも拘わらず拒否された事から、2人は多額の治療費を払う為に家を奪われ、ホームレスとなってしまった。

・ 昔は民間保険とはいえ、治療を拒否する事等無かった。HMOはニクソン政権によって拡大され、保険会社は国民から保険料を集め乍ら治療費を最低限に抑えて利益を上げ、石油や軍需産業等に匹敵する産業へと成長した。「国民が誰でも入れる保険制度を政府が運営す可き。」という政治家は居り、1990年代のクリントン時代、ヒラリー夫人は国民健康保険実現の為に活動した。しかし議会で多数派を占めていた共和党は、「政府が健保を運営するのは増税に繋がるし、そもそも社会主義的だ。”アカ”になるより病気で死んだ方がましだろ。」と国民を脅し、法案を叩き潰した。「保険会社の政治献金と、自らの天下り先が途絶えてしまうのを懸念した。」というのが、政治家達が法案を叩き潰した最大の理由だったのに。
****************************

町山氏は次の様な文章で記事を締め括っている。

日本では今の所「健保民営化」の動きは無いが、郵政の時の様に『日本に市場を広げたい保険業界が、アメリカ政府を動かして日本に健保民営化とHMO導入を要求する。』かもしれない。勿論、国民の福祉という国家の義務を営利団体に任せて良い訳が無い。コムスンみたいになるんだから。

コメント (16)    この記事についてブログを書く
« 解散MAT、謹慎TAC、脱... | トップ | 「西遊記」 »

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
柔道整復師の保険不正請求問題 (tak_123)
2007-07-27 12:50:29
コムスンの例をみても分かるように民間企業の医療(病院)経営参入は、良い面と悪い面を天秤にかけると、結果としては悪い面がかなり勝っているんです。

それといま問題にしなければいけないのが「柔道整復師による保険の不正請求問題」です。
柔道整復師は捻挫や骨折などの急性の整形外科的な疾病なら期間を限定してこれを社会保険をつかって治療することができるのですが、この制度を悪用して肩こり(肩関節周囲炎)やリウマチの施術に、年間約2000億円の公的保険費が無駄に支払われています。

肩こりやリウマチでマッサージ治療を「保険」をつかて治療を受けているのは不正行為なのです。


健康保険制度とヒラリー夫人 (o_sole_mio)
2007-07-27 22:06:28
こんばんは

クリントン大統領が国民健康保険制度を導入しようとしていたときにアメリカに数ヶ月滞在していました。本屋でWhite Houseが出版した「Health Security」という本を購入し、今でも手元にあります(と言っても余り読んでいないのですが(汗))。冒頭にはクリントン大統領のみならず夫人のヒラリー女史のメッセージも入っており、健康保険制度導入にはヒラリー夫人の肩入れもあったのだろうと予想できます。

時は移りヒラリー女史が大統領の有力候補に目されていますが、当選の暁には再び健康保険制度導入を目指すのでしょうね。
一概には言えない。 (アラメイン伯)
2007-07-27 22:54:35
私は今の日本のような国民皆保険制度が本当に正しいのか疑問です。特に国民健康保険は未納も多いし制度のうえの矛盾もあります。
今のやりかただと際限なく医療費がふえつづけます。
何しろ治さなくても儲かるのですから必要のない薬や治療も少なくない。
あげられた例は極端だと思います。もしそういう保険会社があれば淘汰されていくはずです。それが市場原理です。
日本の制度ではよほどのことがない限り医師免許はなくならない。
ただ風邪を診察するくらいで治しもしないの医師に国民の負担から大金が支払われる。



健保民営化も検討は必要だと思います。サラリーマンは給料から天引きだから負担感がないかもしれないが自営業者の国保はかなりキツク感じてるはず。
民営化が必ずいいとは言わないけどシュミレーションを重ね国民に問うてみることは必要かも?
Unknown (tak_123)
2007-07-28 02:29:53
>アラメイン伯さま

基本どれだけ日本の医療従事者が少ないコストで患者を治しているか、端的に分かる例を挙げますね。

【虫垂炎手術の都市別費用】
http://www008.upp.so-net.ne.jp/isei/htmls/t1.html

これで見るとニューヨークは一日で243万円
日本は入院7日で34万円。
日本のこの費用はべトナムと同じなんですよ!

>今のやりかただと際限なく医療費がふえつづけます。
対GDPに対する医療費は先進主要国の中で最安値。どの国でもGDPが上がれば医療費も平衡して上がるが、日本の医療費比率は上がらない。この事実はごぞんじでしたでしょうか?

医療とは皆さんが思っているより相当コストもかかりそれに関わる従事者はリスクも背負っているのです。

リスクを背負わされて報酬が安い、これが今の日本の医療従事者の現実なのです。

そして先日発表された国民の平均寿命、相変わらずの長寿国ぶり。それは三大疾患の治療成績が向上したことを厚生労働省は認めています。

長寿になるように国民一人一人も医療従事者も努力を続けている、なのに医療費がどんどん上がるから抑制しなければ良いなどという厚生労働省のプロパガンダを信用してはなりません。あのデーターは基本的に根拠がうすく、出すたびにことごとく外れています。

医療費が大金、とのことですが、30兆円はパチンコ市場と同じ規模です。
人間の命を預かる分野が、パチンコと同じなんですよ?

>特に国民健康保険は未納も多いし
多いのでしょうか? そうは思いませんが。

>ただ風邪を診察するくらいで治しもしない
風邪だから診てほしい、楽にしてほしいといって受診るのが患者さんです。それに対応した対処をするのが医療です。そして元々医療とは不確実なものであることを認識していただかないといけません。
風邪は特効薬が無いのは国民の皆さんコンセンサスのはず。それとも風邪の患者さんはお断りとでも病院の前に張り出せばいいのでしょうか?

>tak_123様 (giants-55)
2007-07-28 13:15:36
書き込み有難う御座いました。

世界には20歳迄”生きられない”人が少なからず居る国も在ります。此処迄平均寿命の長い我が国で在り得るのには、医療制度の存在抜きには語れないのは間違い無いでしょう。長寿を享受出来る背景には、高性能な医療機器の導入や医師達が医療技術を日々磨き上げているというのも在るでしょうし、それが結果的に医療の高額化に繋がっている面も在りましょうから、一概に高負担だけをどうこう指摘してしまうのはアンフェアなのかもしれません。唯、tak_123様も上記されている様に、この制度が完璧では無い(正当では無い形で利用されている面も在る。)のも確かかと。我々国民の側にも、極力医療費を抑える努力は必要でしょうね。以前にも書きましたが、病院の待合室で御年寄り達が「あれ?○○さんは今日来てないねえ。」、「病気にでもなったんじゃないの?」なんて会話を耳にしてしまうと、「病気だから病院に来るんじゃないんかい!」と突っ込み入れたくなりましたし(笑)。

医療制度の御蔭で我々は「長寿の可能性」を手に入れました。しかし「長寿の中身」を考えた時、自分にはどうしても過去に見たドラマの事を思い出してしまうんです。当ブログでも以前触れましたが、「愛する家族が植物人間となり、『何時迄も生きていて欲しい。』という思いと、『植物人間として”生かされている”だけならば、(当人が植物人間になる前に嘆願された様に。)人間として死なせて上げたい。』という思いの葛藤を描いた『赤い激突』」です。(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/8d0681b08495ac39b1017819a6319859)家族としては「どんな形でも生きていて欲しい。」という思いが在る一方で、「唯、単に生かされているだけならば、其処迄の医療を施す必要が在るのだろうか?」という思いも在るでしょう。勿論、高額な医療負担を背負えないという切実な理由も在るでしょうし、この辺は難しい問題ですね。
少しはずれたコメントですみません (マヌケ)
2007-07-28 13:56:36
国保が未納ということであれば保険証の更新が受けられないので、そのような人たちはある時点で無保険となるのではないでしょうか。 そうなれば100%自己負担となり、しっぺ返しが来るのは本人達です。 ただ、今は給食費を払えても払わない人と同じように治療費を払わずに踏み倒す人が多く、あちこちの病院が倒産しています。 サラリーマンの場合は事業所ごとに○○健保組合という国から代行認可された団体で運営しているところがほとんどで本業で儲かれば労使折半なので保険料収入も上がりますし、投資銀行、生保、株式などで分散投資して、株価低迷期に出した損失も既に取り戻していることでしょう。 サラリーマンは問答無用で税金も社会保険料も徴収され、計算事務や納付事務まで企業が国に成り代わって行っています。 文句をいいながらも多額の年貢を納めて日々額に汗しながら働いています。 昨今、ようやくの賃上げなるも社会保険料負担の増加で手取額は下がるかほとんど上がりません。 負担感がないなどというのはサラリーマンを知らない者の言葉。 生活や娯楽を切り詰めてまでも社会保険を負担し世のため人のためという意識を持っているのです。 それが社会保障です。 社会保障に市場原理を持ち込むのはアメリカのようなバカタレのやることです。 弱い立場にある人を少しでも自分がその人よりも恵めまれているのであれば手を差し伸べましょう。 競争の前に必要なのは最低限の道徳です。 診療報酬の問題についてもそれは医師の道徳の問題でしょう。  
>マヌケ様 (giants-55)
2007-07-28 14:08:57
書き込み有難う御座いました。

長年に亘ってサラリーマン生活を送っておりました自分の経験からすると、「こんなに税金等取るなよ。」という思いは確かに在りましたが、当時は今程の”重さ”を感じていなかったというのが正直な所です。自ら確定申告の書類を作成し、総収入から差っ引かれて行く税金等の総額を目にする事で、今は高負担を昔以上に痛感させられています。勿論、これは人によって異なる事で在り、サラリーマン生活を送っておられる他の人々の中にはしっかりとその重さを認識されている方も居られる事とは思いますし、当時は負担と物価のバランスが”感覚的に”今よりも崩れていなかったのかもしれませんが。

必死で働く人間が割りを食う世の中で在ってはならないと思っています。しかし残念乍ら、必死で働く人間が割りを食いがちな世の中なんですよね。生活保護を受けて然る可き人達が認可されず(又は認可され難く)、一方で堅気では無い人達が違法な形で認可を得て生活保護を享受しているなんて話を耳にすると、全く以っておかしな世の中だと感じます。
アメリカは日本の未来か (Spa supernova)
2007-07-28 22:41:07
よく現在アメリカで起きていることは10年後に日本で起きるといいます。

>医師は治療の質や量に関係無く、HMOから一定の給料を貰っており、逆に投薬や治療を拒否すればする程、保険会社の支出を減らしたと評価されて奨励金が貰える

日本のムードもこうなってますよね。まあ日本では封建的な「医師に絶対服従」的な時代が長かったので、どうも医師に疑いを持ちつつも言い出せない。薬のこともわからない。で、医師に過剰に依存するあまり治らないと「あんなに薬を出すのに治らない!モルモットにされた!」みたいな感じでどうもコミュニケーション不足による医師不信があるようにも思います。医師の側も未だ患者に説明をするのが嫌いな者も多いように思われ、そのおかげで病院内暴力が起こり、被害者は大概ブルーカラーたる看護士、となんとも不毛な感じがあります。

ところで…

>弁護士の世界でも年収500

確か殆どが年収一千万以下だったような。税抜後にはもっと減りますから、イメージとは違って随分質実剛健なのだな、と思った記憶が。正直質実剛健なのに昨今の弁護士バッシング現象では割に合わないと思う人も多いかも判りませんが。どうも日本にせよアメリカにせよローマ時代のように「容疑者」をライオンに食わせれば良いと思う大衆が多いようですからね…。

Unknown (アラメイン伯)
2007-07-28 22:47:48
tak123様。
いやいや今、医療の現場にいる人が大変なのは承知しています。それどころか今の日本の医療は医師の犠牲のうえに成り立っていると言っても過言ではないと思います。
だからこそ今の制度は改革が必要だと思います。
日本のような「やり高払い」だと入院が長引けば売り上げは増え購入薬価と健康保険薬価の差額が利益として残る。各種検査やればほぼ確実に収益になるので高価の検査機器を買った病院は誰彼なしに検査にかける。これが医療費の高騰と医療現場が忙しい原因ではないでしょうか?
昔は「問診は内科医の誇り」と言われたものです。確かに医療は不確実なものというのはそうなのでしょうが、さりとて全てレセプトで利益になるというのも疑問に感じます。
小児科とか産婦人科とか高度な医療とかリスクの大きいものと、比較的少ないものとの診療報酬の差ももっとあってもいいと思います。
それするには民間のほうが適切にできるように思います。
去年度の国保の未納率は19%です。
最早、日本も国民皆保険とは言い難いです。
何年か先には健康保険に加入してない人がアメリカ並みになることも考えられます。
健保の民営化が必ずしも良いとはいいませんが最初から選択肢として排除するのは官尊民卑。
日本の国情をふまえどういう制度がいいか最初から検討してみる時期にきてるのではないでしょうか?
わが国は医療に関してはかなり恵まれているんですよ。 (tak_123)
2007-07-29 21:49:38
アラメイン伯さま
返信ありがとうございます。
医療の現状等のご理解の表明を頂き恐縮です。

それを踏まえまして、現状にそくした解説をしたいと思います。

>「やり高払い」だと入院が長引けば売り上げは増え購入薬価と健康保険薬価の差額が利益として残る。

いえ、違うんですよ。現状一般急性期病棟では平均在院日数に対する縛りがありまして、うちの病院でも平均在院日数が21日以上なると病院全体の基本入院料が下げられるんですよ。

>各種検査やればほぼ確実に収益になるので高価の検査機器を買った病院は誰彼なしに検査にかける。これが医療費の高騰と医療現場が忙しい原因ではないでしょうか?

高価な検査機器とは何を示しているのか、いくらから高価なのかその辺りを確認しないとアレなんですが、そういった検査機器に対しては検査できる病名も決まっていますし、疑い病名をいくつもつけてしまうとレセプト審査で削られるのです。

それと検査機器というのは結局「今現状の平均的な医療水準」を守るために仕方なく病院側が買っている現状があるんですね。

もちろん医師の水準を守るために、(いつまでも前時代の医療しか知らない医師にならないために)ちゃんとその進歩についていく必要があるのです。これは教育を受けに行くだけでは当然足りず、自分たちでちゃんと使いこなして(読みこなして)初めて成り立つのです。

例えばCTの検査一つ受けるのに別の病院に行ってくれとは言えないのが現状です。患者さんも二度手間ですし、そのCTを持っている病院に殺到すれば当然
すぐに検査が受けられない状況が出てくるでしょう。

そのCT検査機器の値段は数千万円で済むものでもないんです。

必要な検査機器をそろえる事はこ患者さんにとって有益なことであり、地域医療を担うには必要なものなのです。この辺りでも「医療とは皆さんが考えているよりずっとコストがかかるもの」なのです。

>昔は「問診は内科医の誇り」と言われたものです。

今はそういったことで問診のみで診断し、結果誤診だとするとその内科医が訴えられるご時世です。問診だけでは確実な根拠にはなりえない、これが医療の進歩の結果の一つなのです。
先ほども記述いたしましたがいつまでも前時代の医療水準では困るのです。患者も医者も。

>小児科とか産婦人科とか高度な医療とかリスクの大きいものと、比較的少ないものとの診療報酬の差ももっとあってもいいと思います。

その通りだと思います。今は微々たるものですが小児科への上乗せはあるんですが、まだまだ足りない現状ですね。

>それするには民間のほうが適切にできるように思います。

現状今のアメリカを見れば分かりますが、それこそ利益保険会社の至上主義になって(わが国では早速コムスンの例もありましたが)必要な検査一つ認めてくれない事が大いにありえるでしょう。

必要な検査さえ受けられない状況と、念のために検査を受けて何も無いという安心を得る医療、あなたならどちらを選びますか?
現状ほとんどの患者さんが後者なんですよ。必ず「念のためレントゲンを」とか「CTを撮ってください」というのは患者さん側なんです。

>日本の国情をふまえどういう制度がいいか最初から検討してみる時期にきてるのではないでしょうか?

WHOの医療WHO Report 2000では健康達成度の総合評価は1位です。これは国民皆保険制度が寄与する部分が非常に大きいと思います。
http://plaza.rakuten.co.jp/skitchen/diary/200511120000/

今、現状必要なのは、医療費削減政策をやめさせて、国民皆保険制度を維持しつつ(実際にどれだけの民間病院が倒産しているかご存知ですか?)、診察料や手技料を適正価格まで引き上げて、同時に薬剤価格を引き下げて、自己負担率を下げる(現状3割~1割負担を一律1割負担等にする)事が必要です。

この財源は下らないハコもの行政や、天下り行政団体への税金の垂れ流しをやめさせる。そして国民保険料の回収を厳しくやる。

アメリカ等諸外国の失敗例をまねる必要はありません。(なおイギリスは救急病院に入院するには2年待ちです。これも過去イギリスが医療費削減をやりすぎた結果なんですよ。)


日本は医療に関してはものすごく恵まれているのです。享受する方はそれが当たり前と思っているから不満もあるのかもしれませんね。他の国の方々からすると贅沢な悩み(不満)なんだと思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。