日々の恐怖 9月9日 深憂(5)
その住所は都内だったため、その週の土曜に俺はすぐにそこを訪れた。
声のヒステリックさとはイメージの違う、意外と普通の40後半ぐらいの女性がドアを開けてくれた。
応接室に通され、そこで手紙を見せる。
「 ○○○の文字です・・・。
でも返信用封筒が刑務所の住所だなんて・・・。
私にも分かりません・・・。
でも、あの子はおとなしい子ですから、その人とは違うんです・・・。」
その後続いた会話での彼女の弁を信じるのなら、○○○とは高校卒業後引きこもるようになり、大人しく優しく、でも人を怖がって、彼女ですら部屋には入れたがらなかったという人らしかった。
20後半の年齢は、ネットで調べた受刑者の物と一致していたが、それには触れられなかった。
「 マスコミの方なら○○○の居場所を調べられるんじゃないんですか??
お願いします。
もう一度会わせて謝らせて下さい、お願いします。」
急に目をむいてそう言いはじめた彼女に、自分には一般人ができる事しかできない事を前置きした上で、分かった事があったら連絡致しますと伝えた。
「 ○○○さんの部屋、もしよろしければ見せて頂けませんでしょうか?」
恐る恐る聞いてみた。
彼の記した別の文章があれば、自分で筆跡を照らし合わせる事もできるし、何かしらのヒントがあるかもしれないと思ったからだ。
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