大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

なんじゃもんじゃ物語216

2007-10-02 18:53:05 | _2-19 港への道
 婆さんは、顔に掛かった白い髪を両手で掻き揚げました。
皺の寄った顔からは、年寄りとは思えないほどの鋭い眼が光っています。

「 よっこいしょ!」

 婆さんは座っていた石から立ち上がって、ジロッと二人の方を見ました。
お頭ブラックが、婆さんに聞きました。

「 婆さん、お前、誰なんだよ?
 それに、お前、映像なんだろ。
 何なんだよ、驚かせやがって・・!」

婆さんは、答えました。

「 うるさいのう。
 映像じゃなくて、ホログラムって言え。
 それに、婆さん、婆さんって言うな。
 私は、シミコじゃ。
 婆さんって言うのは、年寄り臭くていかん。」
「 お前、シミコって言うのか。
 こんな所で何をしているのだ?」
「 そんなことは、どうでも良かろう。」
「 どうでも良かろうって、俺たちはお前を見つけて様子を見に来たんだぞ。
 こんな寂しい所で、婆さんが居るのは、変だろうが!」
「 そうかい、そうかい。」
「 だから、お前は誰で、こんな所で何をしているんだ?」
「 あまり言いたくは無いが、まあ、いいか・・・。
 確かに、ここにいるシミコはホログラムじゃ。
 ホログラム電送機で映像を送っているのじゃ。
 本体は、ずっと南にいる。
 お前たちの知らない島じゃ。」




☆HOMEページに戻る。
  HOMEページ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Photo Lounge 44 遠い道 | トップ | なんじゃもんじゃ物語217 »
最新の画像もっと見る

_2-19 港への道」カテゴリの最新記事