大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 4月18日 水溜り

2015-04-18 19:31:29 | B,日々の恐怖


    日々の恐怖 4月18日 水溜り


 ど田舎に住んでいた、小学校時代の話です。
かなり雪が積もる地方の春先のこと、自宅近くのホームセンターに一人で買い物に出かけ、駐車場を横切っていた。
 車止めと車止めの間、停めてある車のお尻が並ぶ間で、そこは雪解け水が泥水になって広い広い水溜りになっていたが、駐車場だからさほど深い水溜りではないし、長靴でばちゃばちゃやりながら歩いていた。
 すると、いきなり片足が付け根近くまで水に沈んだ。
つま先がどこにもつかない。
 心臓が止まるかと思うほど驚いたが、運動音痴な自分には珍しく、バランスを崩さずにしゃがんだ姿勢になっただけだったので、必死にもう片足だけの力で立ち直ることができた。
 被害は片足だけだったが、水は雪混じりで本当に氷のように冷たかったし、恥ずかしいし、助けてくれそうな大人の姿は辺りになかった。
たぶん、田舎だし寒いので皆店内にいたのだと思う。
それで、半べそで家に帰った。

 数日して再度その店に行ってみたところ、駐車場の水溜りはすっかり水が退いていて、片足が落ちた辺りには、子供一人が落ちるには十分な大きさの排水口があるのが見えた。
多分、あの時には、泥水で見えなかったけれど、蓋の金属の網が外れていたんだと思う。
 もう一歩横にずれて歩いていて泥水の下の落とし穴にすっぽり落ちていたら、気がついてくれる人もいなかっただろうし、私はホームセンターの駐車場で水死していたかも、と後から怖くなった。
あれから、浅いと思っても水溜りを歩くのが怖い。








童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 4月17日 声 | トップ | 日々の恐怖 4月21日 コ... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事