大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 8月20日 監視カメラ

2024-08-20 15:36:06 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月20日 監視カメラ





 コンビニの店長さん(故)から聞いた話です。
最近のコンビニは死角を無くすために監視カメラだらけにしてるんだけど、
店長さんがいたコンビニも、通常より2台増設して万引きなどの犯罪対策に熱心だった。
(実際、深夜に発生した強盗未遂では犯人逮捕に繋がった)

「 時々カメラが止まるんだよね。」

店長さんは眉を八の字に傾けながら愚痴を漏らした。
カメラ自体や録画機器の故障で一斉に止まるのではなく、順番に止まるのだという。

「 どんな順番で?」
「 駐車場から自動ドア、本の棚がある窓際の通路からソフトドリンクのコーナー、
お菓子の棚、弁当のコーナー、自動ドア側とは反対のレジ、自動ドア、駐車場。」

つまり、誰かが入ってきて買い物をして帰る動線の順にカメラが止まるのだ。
 カメラの前を通りすぎると問題なく録画を再開するそうなのだが、
カメラには誰も映ってはいないんだとか。
時間は人の波が一旦収まる午後2時ぐらい。
曜日はまちまち。
 バイトやパートの店員さんは不気味がって、その時間帯には入りたがらない。
なので、2時から3時の1時間だけ店長さんが独りで作業する羽目に。

「 まさか昼間っから幽霊が出るとはねえ。」

買い物をしてるんだったら金を置いていってくれたらいいのにと、
その時の店長さんは冗談を交えるだけの余裕があった。
 後日、その店長さんが体調を崩して入院、店を辞めたことを同じコンビニで
働いてる店員さんから知らされた。
バイトリーダーやってる若い店員さんだけど、近い内に自分も理由をつけて辞
めるつもりだという。

「 なんで? そんなことしたらオーナーさんが可哀想だよ。」
「 店長からカメラの話聞いてます?」

うん、と頷くと彼は震えるような溜め息をつく。
そして退職を希望する理由をポツリと話してくれた。

「 何回修理しても、事務所内部を映してるカメラが止まったままなんですよ。」








童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------