ステップ2では車体下部を組み立てます。車輪類は塗装後に取り付ける予定です。サスペンションアームA12、J7、J8はそのままですと軸が長い場合がありますので、そのときは軸先を約1ミリカットします。またA7は誘導輪の位置を決めてから接着します。
車輪類以外のパーツです。
誘導輪アーム以外は全て取り付けました。誘導輪アームA7は、塗装後に車輪類をセットする際に一緒に取り付ける予定です。
この車輌の誘導輪は、高さを変えられる仕組みになっています。Sさんによれば、原則として上陸時までは一番上に、上陸後に陸地で走行する時は一番下にセットすることになっていたそうです。
劇中車も、誘導輪を一番下にセットした状態で密林内を進撃しています。そのほうが車体の縦揺れが無くなって安定した走りになります。
誘導輪アームA7に関連パーツを全て取り付けた状態です。これを車体にモールドされているバンプストップに組み合わせることで、実車通りの状態を再現出来ます。
Sさんが、上図に示すロッドについて「よくここまで再現されてますな・・・」と感心しながら、その機能を説明して下さいました。
「・・・これはですな、誘導輪のサスペンションアームの動く範囲を決めるロッドです。ボルトを回して位置を固定するものですが、このプラモデルの部品は、ロッドが上にいっぱいに出ている状態なんですな・・・、この状態でボルトを締めますと、誘導輪は上にいっぱいに上げられます。航行時の収納位置ですな・・・」
つまり、陸上での車輌の姿に作る場合は誘導輪が一番下に位置しますので、ロッドのA11も下にいっぱいに下げられる形になります。したがって、ロッド部分をいったんカットして下に伸ばす改造が必要になります。
すなわち、A11を根元でカットし、さらに上端のボルト部分もカットし、誘導輪を下にセットしてアームA7も下げておき、A11をカットした跡へボルト部分を移植します。そしてA11の棒はA23およびA24の内側に移します。
ステップ3では車体前面を組み立てます。ステップ4では車体上部の内部のパーツを組み付けます。いずれもガイドの指示通りに進めますが、インテリアの再現工作の作業も加わります。ただし、塗装作業との兼ね合いで、一部のパーツは取り付けないで保留にします。フロート連結ハンドルや燃料タンクなどのパーツです。
ステップ3の工程は、ガイドの指示ではB11に諸々のパーツを取り付ける形になっていますが、その前にB11を上部車体パーツに組み付けておくほうが良いです。
B11を上部車体パーツに組み付けました。
それからステップ3にて組み付ける前部機銃、操縦手用視察窓などのパーツを切り出して準備しました。
全て取り付けました。前部機銃は可動になります。
インテリアの再現工作に移りました。Sさんの教示により、ブラ材で上図の前面補強桁2個と長方形の板1枚を作りました。前面補強桁2個には肉抜きの穴を大小3つこしらえました。
前面補強桁2個と長方形の板1枚を、上図のように取り付けました。
次に、上部車体パーツ内にある左右補強桁の部分が単なる壁板になっていますので、上図のように肉抜きの穴を4つこしらえました。
また、上図ではちょっと隠れてしまっていますが、機銃の右側の隅部にフック2基を取り付けました。食糧や書類などを入れた雑嚢袋を懸けておくのに使ったそうです。何故かと言うと、内火艇として海上で行動している時は常に微量の浸水があって艇内の床には海水がたまってしまうため、床に物を置くことが出来なかったからです。
反対側にも同じように肉抜きの穴を4つこしらえました。カミ艇内の左右側面にはこの一対の補強桁しかありませんでしたから、車体の重量は側面装甲板がほぼ支えていたようなものです。
一見すればモノコック構造に見えがちですが、実際には薄い鉄板を一対の補強桁で支えているだけでしたから、強度も耐性もギリギリだったということです。現存するカミの実車の多くが側面で割れたり腐食が進行しているのも、そこが弱かったことを示しています。 (続く)