車体に上部転輪を取り付けました。これは実車で見ると鋼製転輪でゴムタイヤが付きませんので、塗装も車体と一緒に出来て楽です。
続いて車内の上部転輪の軸部の方形カバーをエッチングパーツで取り付けました。ずっと以前にサークル内でのキット交換及び譲渡会にてヴィッカース6トン系のキット用のエッチングパーツとインテリアの一部のレジンパーツが出ていたのを思い出し、当時売りに出していた先輩のS氏に連絡を取ったところ、まだ持っているとのことでしたので、頼み込んで譲って貰いました。そのパーツを使用したわけです。
今回の7TP軽戦車は周知のようにヴィッカース6トンの系譜上に位置する車輌ですから、車体の大部分はそのままフレームを受け継いでいます。インテリアのほうも、エンジン以外はほぼ同じであるそうです。
現存する実車の車内はホワイトで塗られていますが、私の製作ではメリハリを付けるために床のみはグレーで塗り、あとの車内はホワイトで塗りました。
車体および車体上部、砲塔内の塗装を終えました。今回はインテリアの手作り感を強調したかったので、インテリアの塗装は全て筆塗りで行ないましたが、エアブラシとは別の楽しさがありますから、けっこう熱中して何度も塗り重ねたりしました。
砲塔、砲塔底部、砲塔ハッチ、車内の仕切り壁をホワイトで塗りました。
それから6時間を費やして、ギヤボックス、エンジン、操縦手席、シフトレバー、エンジンシャフトなどを作りました。ギヤボックスと操縦手席の2点は先輩S氏から譲り受けたレジンパーツを使用し、あとはプラ材やジャンクパーツを加工してそれらしく作りました。作りながら塗装も進めました。
特にエンジンには4時間余りをかけました。本体をプラ棒の積層から削り出して各部の細かい部品を別に作って取り付け、パイプ類はプラ棒の曲げ加工で作り、ジャンクパーツから似た形のパーツをみつくろって取り付け、電線を真鍮線で再現しました。ザウラー系のPZInż.235液冷倒立直列6気筒4ストローク直噴式ディーゼルの写真を見ながら大体の形を似せて作りましたが、細部は程良く手抜きして大雑把に済ませました。
続いて起動輪のギアケース、シャフトカバー、4本の車軸、換気ファンなどをプラ材やプラペーパー等でそれらしくこしらえました。最近流行っているという3Dプリンタでのパーツ作成というのは、どうも安直に感じられて個人的にはあまり好きになれません。下手でもいいから、自分で出来る限り自作して、自分なりに作ったらどこまでやれるのかを今回は試してみたかったのでした。
そのうちの4本の車軸を車内に仕込みます。車軸は1本1本のそれぞれに上に取り付けるパーツとの合わせ位置となる突起や窪みを付けてありますので、順番を間違えないようにしました。
4本の車軸を取り付けました。前後のそれぞれは起動輪と誘導輪の軸であり、中の2本はボギーの軸部にあたります。床面をグレーに塗ったのは、これらの車軸の存在感を際立たせるためでした。
そして前端の起動輪の軸には、ギアボックスとの連結部分のパーツを2個取り付けました。
連結部分のパーツに繋ぐ形で、レジンパーツのギアボックスをセットしました。ボックス表面のリベットはウェーブのリベットセットから調達し、シフトレバーはプラ板で作りました。
車内の仕切り壁を組み付けました。壁の一部はドラゴンの38(t)戦車の不要パーツを使用し、その上と横にプラ板を継ぎ足して壁を構成したものです。壁の丸い穴にはエンジンのシャフトマウント部がおさまる計算でした。
エンジンと左右の換気ファンを取り付けました。換気ファンは寸法計算をミスってやや大き目に作ったようで、最初はエンジンの左右の空間に全く入らず、横や底面をそれぞれ3ミリほどガリガリと削る羽目になりました。
調整を繰り返してなんとかおさまったエンジンと換気ファンです。エンジンからのシャフトも図面計算通りに前のギヤボックスに繋がりましたので、ホッとしました。インテリア制作の要であり難所であるエンジンの据え付けが終われば、あとは各所の細かい部品を組み付けるだけになります。 (続く)