奥大井湖上駅から引き返して帰りの列車旅をのんびりと楽しみました。大井川鉄道の井川線はアプト式列車で、要するにゆっくりと走る軽便鉄道クラスの列車なので、スピードもあまり出さずにゆるゆると進みます。カーブにさしかかると、窓から先頭の機関車などがよく見えたりしてなかなかに楽しいです。
13時32分、長島ダム駅で先頭にアプト式電気機関車を繋いで、急こう配区間をゆっくりと降りました。長島ダムの横から正面へと回るので、ダムの景色が最も楽しめる区間でもあります。
ダムの横から大きくカーブしてトンネルに入ってゆきました。このトンネルを抜けてからのダムの景色が最も良いとされています。
実に雄大な景観です。原作コミック第11巻22ページ、23ページの上半分見開きのアングルです。各務原なでしこが「でっかーーい!!」と感嘆している場面ですが、実際には彼女が乗っていないアプトいちしろ駅から長島ダム駅までの区間からの眺めです。
なので、長島ダム散策で各務原なでしこが歩いたルートからは、この景色は絶対に見えません。原作コミックには、往々にしてこのような、実際のコースでは見られない景色をポンと出して描くケースがありますので、知らなければ聖地ポイント探しに無駄な時間をかけてしまいがちです。
急こう配区間を降りている最中です。これまでのガタンゴトン・・・というレールの音に、ギギギギ・・・というような低い摩擦音が加わって聞こえました。アプト式電気機関車の歯車が回る音だったのでしょう。
13時40分、アプトいちしろ駅に着きました。ここで3分ほど停車して先頭のアプト式電気機関車を切り離しました。
アプトいちしろ駅のホーム横の駐機線に停めてあったアプト式電気機関車の予備機です。
13時43分の発車直後に、駅の外側の待機線に入っていた、先に切り離したばかりのアプト式電気機関車を見ました。
それからは大井川に沿って曲がりくねった線路をゆっくりと進みました。
アプト式電気機関車を切り離した後は、牽引機関車が先頭でした。
とにかくカーブが多いので、右へ左へと列車が弓なりに曲がりました。これではスピードを出したくても出せませんね・・・。
初夏間近の青々とした緑のトンネルがずっと続いていました。時折、木立ちのなかから大井川からの吹き上げの風が車内にも流れ込んできました。お蔭で気温は高かった一日だったものの、涼しくて快適でした。
14時15分、沢間駅から川根両国駅までの区間を移動中の図です。終点の千頭駅まで、あと7分でした。 (続く)