■神奈川県、応援職員でしのぐ

© 神奈川新聞社 厚木保健福祉事務所大和センターで聞き取り調査などにあたる大和市の保健師や事務職員=大和市中央1丁目

 

 県内の感染者は累計3万5000人を超えた。1都3県に緊急事態宣言が発令された1月7日以降の新規感染者は連日600~900人台の高い水準が続く。大和市と隣の綾瀬市を管轄する厚木保健福祉事務所大和センターでは、1日あたりの調査対象が昨年12月上旬までは10人未満で、保健師ら15人態勢で対応できていた。しかし、年末年始で状況が一変し、今月前半の対象者は1日平均67人。100人を超えた日もあった。

 保健師らの業務は多岐にわたる。医療機関から陽性判明の通知を受けて本人に連絡し、健康状態や既往歴、直近の行動、濃厚接触者の有無などを尋ねる。結果に応じて、宿泊療養・入院が必要と判断すれば、県の「搬送調整班」へ、自宅療養相当の場合は「地域療養支援班」へ、ヒアリングシートを添えて引き継ぐ。段階的に非常勤や大和市からの応援の職員が増員されたが過剰負担は深刻さを増している。

 大和、綾瀬市は交通の利便性が良い地域で、企業の工場なども多数立地する。アジア、南米系を中心に外国人労働者も多く、通訳を介した聞き取りでは、通常30分ほどの所要時間が1時間ほどに延びることもある。

 同センターでは、厚労省から派遣された保健師や看護師ら約20人に加え、訓練を受けた一部の事務職員も16日以降、聞き取り調査に当たっている。県の担当課は「重症化リスクの高い人に聞き取りをするので精いっぱい。県民には少しでも感染を防ぐ努力をしてほしい」と訴えている。