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ホウ素とホウ酸

2014-11-22 01:26:50 | うんちく・小ネタ
「ホウ素」は、原発事故の時、中性子をよく吸収することから、臨界を防ぐのに使われていると聞かれたと思います。「ホウ酸」は、ゴキブリ用殺虫剤で使用されている「ホウ酸ダンゴ」や木材のシロアリ退治に使われていることで、よく知られています。
よく質問にあるのが、ホウ素とホウ酸は違うのですかというものです。
ホウ素は元素で、ホウ酸は化合物ですね。
ホウ素は原子番号5、原子量10.81の元素です。
ホウ素は、ホウ砂、ホウ酸等の化合物の形態で自然界に存在します。
ホウ素は、植物の生育に必須の微量元素であり、実は、必要に応じて肥料としても使われています。ホウ素には適量が存在し、それよりも多くても少なくても農作物の生育上問題が生じます。よって、過剰摂取させることで植物の葉の周辺や先端を壊死させるといった過剰障害で植物を枯らすことができます。
安全性に関しては、2011年2月食品安全委員会 化学物質・汚染物質専門調査会が、ホウ素-食品安全委員会に、毒性に関する科学的知見を詳しく整理しています。
評価に用いた試験は、毒性試験、発がん性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝子毒性試験等の成績であり、マウス、ラット、イヌ、ウサギを実験動物としています。実験動物においては、ホウ素は精巣毒性及び発生毒性を示すことが報告されています。
この中の毒性に関する科学的知見では、「ホウ酸及びホウ砂に暴露されたヒト又は実験動物では、血液、組織、尿中のホウ素濃度の上昇、あるいは全身性中毒症状が認められることから、ホウ酸及びホウ砂が消化管及び気管から吸収されることが示されている(WHO2003)。傷のない皮膚からの吸収はほとんどないが、傷のある皮膚からはかなりの量が吸収される(WHO2003)。」とあります。
科学技術振興機構のページでは、
「ホウ酸をなめてはいけない。
誤って飲み込んだりすると、吐き気や嘔吐、下痢などを起こすことがある。
健康な皮膚からはほとんど吸収されないが、粘膜や傷・炎症のある皮膚には長時間、
広範囲にふれないようにする。
手や衣服についたら、水で洗い流す。ホウ酸を扱った後は手を水で良く洗う。」
と、書かれています。
安全性に関しては、販売されている各社から「安全性データシート」が公表されていますので、簡単に調べられます。

ホウ素は、半金属元素の一つであって、重金属ではありませんが、土壌汚染対策法で定める第二種特定有害物質です。
土壌汚染対策法は、土壌汚染による人の健康被害の防止を目的として施工されたもので、内容は、環境省からの通達を参照してください。
土壌汚染対策法では、天然に存在する8物質(カドミウム、六価クロム、水銀、セレン、鉛、ヒ素、フッ素、ホウ素)及びそれらの化合物を重金属と呼んでいることから、ホウ素を重金属等の一つとして扱っています。
一般的にホウ素化合物は水への溶解性が高く、そのために他の物質と結合させて不溶化することが比較的困難な物質の一つとされています。

しかし、実は、酸化マグネシウム系固化材を使用すると、ホウ素を不溶化(固定化)できます。これまでの事例としては、ホウ素原土溶質量6.7mg/1リットルのものを、0.4mg/リットル以下に不溶化できました。
地下水の摂取に関しては、地下水が人の飲用に供せられ、または供せられることが確実である等の場合で、かつ、汚染の状態が溶出量基準検液1リットルにつきホウ素は、1㎎以下であることに適合していない場合には、措置命令が発せられます。
また、土壌汚染対策法施行規則では、第二溶出量基準検液1リットルにつき ホウ素30㎎以下であることが定められており、この基準値を超過する場合、措置内容として土壌汚染の除去を求められたり、封じ込め措置の事前に不溶化によって第二溶出量基準を満たす必要が生じます。
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