これからの寒い季節は、路盤に透水性があるかどうかが、土舗装に大きな影響を与えます。
真砂土舗装は、透水性舗装ですが、浸透した雨水は路盤を経由して下層の路床に流れて行くというのが一般的な考え方です。
しかし、この路盤に雨水が地中に浸透しなかったら、雨水は逆流して土舗装の表面にオーバーフローします。特に舗装材に使用する土は真砂土なので毛管現象で水を吸い上げるからです。 土舗装に厚みがあれば、下層の路盤上に水が滞留し、いつまでも土舗装が乾かず、濡れたままになり、固化不良を起こす可能性もあります。
ジオベストは、酸化マグネシウムが水に反応して水酸化マグネシウムになりますが、水酸化マグネシウムは乾燥状態になり空気に晒されることによって、強度が出ます。空気というのは主に二酸化炭素であり、長期的に二酸化炭素を吸収して固まっていきます。よって、固化するには水は必要ですが、必要以上の水は必要ないということになります。
さらに、冬季は気温が下がるので、土舗装の空隙に浸入した雨水は109%凍結膨張し、硬化した土舗装の破壊や、硬化を阻害する不具合を起こす恐れが出てきます。
そこで、路盤材として、クラッシャランと再生クラッシャランのどちらを使うのがいいかとなると、アスファルト舗装やコンクリート舗装の場合、通常、表面排水なので、コンクリート系のガラの含まれた再生クラッシャランの方がセメント成分で固くなり、支持力が高まるのでいいと思います。しかし、土舗装の場合は、アスファルトやコンクリート舗装と異なり、セメント成分で硬化した路盤は支持力より、透水性がなくなることのマイナス面の方が大きくなります。
勾配がある場所の場合、透水しないと路盤の上に水が溜まり、表層の土舗装が滑りやすくなり、崩落の原因にもなります。いわゆる地滑りです。
もちろん、雨水の土舗装内への浸入だけでなく、法面等から土舗装に流入してくる水にも注意が必要です。それらが透水性を失った路盤に流れ込むと水の滞留になり、不具合を起こします。
路盤材が透水性舗装の透水性に及ぼす影響について土木学会でも発表され、再生クラッシャランは、水分を保持し、下層への浸透が遅くなることから雨水流失抑制効果にも影響を与えると言われるようにもなっています。もちろん、リサイクル材の活用促進は必要ですが、土舗装に限っては違うといえます。 クラッシャランは、粒子の小さいものが少なくて、隙間が多いですが、再生クラッシャランは粒子の細かいものが含まれていて隙間が少ないので水が通過しにくいという土舗装をする上で問題があり、土舗装にはクラッシャランをお奨めしています。
ただし、道幅が狭く、横勾配(水勾配)で水をコントロールできるところは、再生クラッシャランでも構いませんが、道幅が広いところや広場の場合は路盤を設置しないか、設置する場合クラッシャランのご使用をお勧めします。
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