Best of George Worst (仮)

レッズサポーターで亜弥マニア。うだつの上がらぬ中年男の特に面白味のない日常を適当に晒す。のか?

ばんえい帯広競馬。 ~北海道旅行、8~

2006-12-25 21:57:52 | Weblog
12月10日日曜日。

帯広駅を降りた。

JR帯広駅。

これから行く目的地に行くバス停に行って時刻表を見る。
すぐ来る時間だなと思ってしばらく待つが、バスも他にいそうな乗客も来ない。
もう一度よく見たら、土日は運休の記号の付いたバスだった。
実際にこの日に運行しているバスは20分後なので、駅に戻って売店なんかを覗いて、頃合を見て再びバス停に。
帯広駅前バス停12番のりば。
その頃には同じバスを待つ乗客が列を作っていた。

やって来た十勝バス、1系統西循環というバスに乗り込む。
約10分で帯広競馬場に着く。

と、ここで不愉快な事が。

俺の目的地は帯広競馬場。
ばんえい競馬のWEBサイトなんかを見た結果、このバスに乗って競馬場前というバス停を目指した。
一番前の席でバスに乗ってた俺。競馬場が見えて来たが次の停留所は西11条9丁目。何人かの客が降りる。右手には競馬場の駐車場の入口も見えて、ここで降りても入れそうだ。
赤信号。降りた客がバスの前の横断歩道を渡るのを待ち、信号が変わり次の競馬場前停留所に向けてバスは出発。したかと思ったらすぐに停車。
競馬場前の停留所に到着。
前の場所から30m位しか離れていないんじゃなかろうか。
しかも、この間に駅からのバス運賃は20円あがって190円に。バスを降車して渡る横断歩道は、さっき信号が変わるのを待たされていたところ。
ほんの些細な事だが、もの凄くバカにされた気分になる。

今回、北海道にやってきたメインの理由は、ばんえい競馬

マイレージを消化しなきゃと思っていた時に報道されたのが、ばんえい競馬の廃止が確定的にという情報。
この報道に触れたところで、俺は存続を声高に叫ぶつもりも、またその資格もなく、ひとつの文化が廃れていくことをただ残念に思うだけだったのだけれど、その前にもう一度見ておきたいなと思ってやってきたのだ。

そう、ばんえい競馬は初めてではない。
熱心に競馬をしていた時代に、友達に一回ばんえいは見たいと言っていたこともあって、2000年に行った北海道への競馬仲間との旅行で岩見沢のばんえい競馬を見ている。
その時に高配当の馬券を取って儲かったこともあり、ばんえい競馬は好印象だったりする。


入場門の前で予想紙を買う。
中央競馬でもお馴染みの競馬ブックホースニュース馬があるが、中央でも良く買う競馬ブックを。あと、オリジナルのばんえい金太郎というのがあったのでそれも買う。
岩見沢の時は、ばん馬っていう手書きの予想紙があったが、無いのは帯広だからなのか、それ自体なくなったのか。

入場料は100円。
なのだが、駅で存続を求める署名用紙が置いてあるテーブルに一緒に置いてあったカードサイズの開催日程表が招待券になっていて、それを見せて入場する。
ばんえい競馬の存続を心から願うなら、そんなものがあっても金を払って入場するのが筋だなと思いながら。

入場したらサービスで暖かいオニオンスープを配ってる。
勝負服を着ているのは騎手本人だ。存続のためのファンサービスという事なのだろう。

帯広競馬のファンサービス

求められたので、存続の署名だけはしておく。一方で、こんな事で役に立つのかとも思いながら。
申し訳ないけど、俺にはこんな事くらいしかばんえい競馬のために出来る事はない。

その他にもファンサービスは充実している。
入場してまずテント張りのインフォメーションに向い、バックヤードツアーとメインレースの口取り写真撮影という2つのイベントの申し込みをする。

さてレース。
パドックを見て、予想して馬券を買い、レースを見るという、まぁ競馬場では普通のルーティーン。

岩見沢もそうだったのだが、帯広競馬場もかつては平場の競馬開催もあって、ばんえい専用の直線コースの外にダートコースがあり、スタンドからは少し距離ができる。
でも、帯広ではこのダートコースの一部を開放してかなり近い位置で勝負どころの第2障害なども見れるようにしてくれている。これはすごくいい。

ばんえい競馬。

近寄ってコースを見たら、一面から水蒸気が白くあがっている。
ここ帯広では、コースにヒーティング装置を敷設していて、積雪や凍結などを防いでいるそうで、暖められたコースからどんどん水分が蒸発しているのだ。

馬券はなかなか当たらないが、応援する(馬券を買っている)馬の名前や騎手の名前を叫びながら一緒に走るのは楽しい。

4レースが終わって、申し込んでいたバックヤードツアーの集合時間になったので集合場所のインフォメーションに向かう。
一般の人は入れない装鞍所とかコースの内側からレースを見れるという企画。
参加者は20人位か。案内の人に連れられて、まずは装鞍所へ。

装鞍所

6レースに出走する馬が小さな囲みに収まっている。ここで係員のチェックを受けて、レースのための装備を身に付ける。近くに置いてあるビールケースをバンバン蹴飛ばしている馬なんかもいて可愛い。

この場所の入口には馬体重を測る体重計もあって、その次のレースの馬が入って来て体重を測っている。

馬の体重計

続いて、コースへ。
レースが終わった後にソリをスタート地点まで運ぶというトロッコみたいなものの説明などを聞いて、第2障害の脇へ。

内側から見た、第2障害。

5レースはここで見る。
残念ながら、どんなに注意してもフラッシュを焚く人が絶えないという事で、レース中の撮影は禁止。
出来るだけ近くでは見たいが、本来は厩務員が走って応援する場所だという事なので、彼らの邪魔にならないように、トロッコ用の軌道ぎりぎりの場所でしゃがみ込んで見た。
その為に内枠の馬しか見えないが、第2障害を登る馬のたてがみとか白い息が、逆光に輝いてもの凄く美しく、感動的だった。

レースが終わって、引き上げる馬を見送り、俺らも戻ろうとすると調教中の馬がいた。
シゲノリュウ号という名前。とても大人しい。

ばん馬、シゲノリュウ号

厩務員さんらしき人が触ってもいいよというので首筋や鼻先をさわる。しっとりと暖かい。

レースの公正さの確保などを考えたら実施は難しい企画だと思いつつ、とても貴重な体験をさせてもらって嬉しい。


その他にもファンサービスはいろいろ。
8レースの終了後には豚汁が振舞われる。厚めの豚肉もいっぱい入った、某神宮外苑の競技場で売っているトン汁と言いながらほんの少しの脂身が浮いているだけの根菜汁とは比較にならない、ちゃんとしたやつが無料。
しかも、たくさん作っていて、並んだ客がいなくなってもまだあるので、お代わりももらってしまう。美味しいし暖かい。

馬券は低い配当のがたまに当たる程度で儲けは出ない。
メインの第31回ばんえいオークスは最低人気のキキリンドウが勝ち、買ってれば嬉しいのだが、買っていない。
でも、入場時に申し込んでいたもうひとつのファンサービスで、表彰式後、このキキリンドウの手綱を取って写真を撮ってもらう。

ばんえいオークス馬、キキリンドウ号

公式の撮影が終わったあと、係の方にカメラを渡し、森調教師におめでとうございますと挨拶して隣へ。
すっかり日が暮れて暗くなっていたのでフラッシュを焚いての撮影になったが、赤目防止にしてなかったので、馬も人も、みんな目の光った写真になってしまいました。でもこれも、とても良い記念になった。


最終レースがあるが競馬場を後にする。
バス停(当然、西11条9丁目の)まで行って時刻を見るが、当分来ないようなので競馬場の入場門まで戻って、待機しているタクシーに乗る。ちょうど最終レースのファンファーレが聞こえてくる。
料金は駅まで1000円かからない。


さて。
ご存知の方も多いだろうが、ばんえい競馬はその後、存続が決まりました。
孫正義さんの所が支援してくれるそうで、とりあえずは良かったかと...。


北見、旭川、岩見沢と抜けていって、一時はババを引かされた感もあったかもしれない帯広だけど、もしかしたらこれは、ばんえい競馬にとっても帯広市にとってもチャンスかもしれない。

まず、北海道のばんえい競馬ではく、帯広のばんえい競馬になった事。
細かい日程なんか調べなくても、週末に帯広に行けば、そこでばんえい競馬をやっているという判り易さはファンや観光客を呼ぶのに最適だろう。
夏の帯広は暑いという事も聞くが、馬に影響する暑さなのかな?
とにかく、いくら他が再開したいとか言い始めても帯広で独占する位の気持ちでやった方がいい。

でも、一場開催になる事に伴う、騎手の数とか厩舎の数とかの適正数は、シビアに分析しなくてはいけない。

あと、直線200mのコースがメインなのを考えれば、平場のコースの形をそのまま残した土地を上手く使えないかも考えた方がいい。今は調教に使っている膨大なスペースだが、あんなに必要はないはずだ。ばんえい競馬に関係なくても、人が集う何かに出来ればいい。相乗効果は必要だ。
スタンドの形も他の競馬場と同じでなくていい筈だ。

ま、その辺の事は孫正義から送りこまれるブレーンのセンスに期待...してるかっていうと嘘になるんだが、まぁ、任せるしかないのでね。

先ずは競馬場前のバス停はなんとかした方がいいな。一見の客をバカにしてるとしか思えないのでね。


帯広駅を17:46に出る特急スーパーおおぞら10号に乗って、札幌へ。
車内では、駅にあった桔梗という店のお持ち帰り網焼豚丼850円を食べる。

桔梗のお持ち帰り網焼豚丼

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