横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

話題の地震予知研究者達は、鳥取県中部の地震を予測していたか?

2016年10月24日 | 地震予知研究(その他)
 
2016年10月21日(金)14:07頃、鳥取県中部を震源とする地震(速報M6.6)が発生し、倉吉市葵町、湯梨浜町龍島、北栄町土下で震度6弱を観測しました。巷で話題の地震予測研究者や、有料地震予測サービスなどは、この地震を事前に予測できていたのでしょうか。以下にみてみましょう。

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まず、電子基準点の動きで地震を予測する、村井俊治・東京大学名誉教授らの地震科学探査機構(JESEA)はどうでしょうか。

鳥取県中部の地震M6.6の直前・10月19日に発行された、彼らの有料地震予測メルマガ『週刊MEGA地震予測』で発表された地震予測を、以下に示します(※右側の地図は、この予測領域を日本地図に描いてみたものです)。

   


…「鳥取県・島根県周辺」に、地震予測がでています。ですが、それ以外にも7カ所、日本のほとんど全国を網羅するように予測がでているのです。これでは、鳥取の地震を「ピタリ」と当てたとは到底いえず、むしろ下手な鉄砲が当たっただけのように見えます。

村井俊治氏らJESEAは、2014年の長野県北部の地震(神城断層地震)や、2016年の熊本地震を、いずれも見逃し(事前に予測できず)してしまい批判を浴びたため、見逃しを恐れるあまりに、極端に予測を乱発する傾向があるようです。上の地図のように日本中を網羅する予測を、もう2年くらいずっと出し続けているのです。これでは、地震「予測」としては、ほとんど用を為していないように思います。


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次に、電波の伝播異常などで地震を予測している、地震解析ラボはどうでしょうか。携帯電話用の無料アプリで概要を知ることができるのですが、鳥取県中部の地震M6.6の直前・10月20日に発表された彼らの地震予測は、以下のとおりです。

   


鳥取は完全にノーマークです。鳥取に近いのは伊予灘~日向灘にかけての予測ですが、予測規模はいずれも「M4.0以上(M6.0未満)」で、鳥取県で発生した地震の規模M6.6とは大きく違います。

なお地震解析ラボは、熊本地震の直前にも、ほとんど全く同じ伊予灘~日向灘に地震予測を出していて、熊本地震を予測したのだと主張しました。ほぼ同じ予測で、今度は鳥取を予測したと主張するのは、さすがに許されないでしょう。


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それでは、長尾年恭・東大名誉教授ら地下気象研究所(DuMA)の、「地下天気図」(地震活動の消長で地震を予測する)による地震予測はどうでしょうか。

彼らが発行する有料ニュースレターのサマリーをひととおり見ましても、鳥取に対する言及はないようです。公開されているもののうちでは、鳥取に最も近い領域に言及した地震予測は、以下のものだと思われます(2016年7月25日に発行されたニュースレターより)。

   

岡山南部~香川県に注意を呼び掛けている領域(青色)がありますが、鳥取からは大きく離れていますので、鳥取での地震を予測できたとは言えなさそうです。


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木村政昭・琉球大名誉教授による地震予測でも、以下のとおり、鳥取周辺は全くのノーマークでした(木村政昭ホームページより。ただし木村氏の場合は、M6台の地震は予測範囲外かもしれません)。

   


そのほか、地震解析ラボから分離独立した、早川正士・電気通信大学名誉教授も、鳥取周辺に対する特段の地震予測は何ら発表していません。串田嘉男氏も、事前に鳥取には地震予測を発表していません。

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以上のとおり、鳥取県中部での地震をピタリと言い当てたと言える研究者や有料予測サービスは、見当らないようです。

※ 率直に言うと、M6.6(Mw6.2)程度の今回の地震では、「規模が小さ過ぎて予測できなかった」と言えば良いように思います。ですが、もうすでに、上述した方々のうちの一部が「予測していた」と主張しているようですので、今回の記事を書いてみた次第です。

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9 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-10-24 20:47:50
村井氏は北海道以外のほとんどの地域を警戒してたので、当たったように見えるだけですね。これなら素人でも出来る事です。
しかし村井氏は、また当てたとどや顔してそうです。
それでも当たっていると主張するでしょう (ばーど)
2016-10-24 22:45:33
本州の7、8割も被って、「この中で地震が起きる」って、信者さん以外はお笑いぐさなんですけどね。
ただそれでも「見事的中」と思っていらっしゃることでしょう。
それにしても、「震度5以上の地震が極めて高く緊急性がある」関東ですが、いっこうに地震が起きませんね。ここを範囲利してからどれぐらい経ったのかな。
下げても、熊本の時のように「警戒レベルを下げたと短地震が起きました。位置は間違ってませんけど地震の時期ははずしてしまいました」という言い訳を使っている以上、何度でも同じ理屈でごまかせると思うのですけどね。

それではまた。
詐欺師を放置する公務員 (AbemaTVチャンネル閉鎖事件@ツイ垢凍結中)
2016-10-26 13:44:42
ブログではお久し振りのSkullcrusher707でございます。

民主主義を守る為、然るネットTV局がファシストの言論封殺に屈した事件を拡散していたTwitterアカウントが凍結されてツイート出来無くなり、久々にコメントを差し上げる次第です。

扨、私は2chで4回地震予知をして3回的中しましたが、その内の2回は村井俊治先生のお陰です(笑)

http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eq/1409544853/905
長野県神城断層地震

http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eq/1454060151/725
熊本地震

http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eq/1454060151/865
外れ

http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eq/1466256277/633
鳥取中部の地震

村井先生が地震の警戒を解除すると、長野県神城断層地震、熊本地震と時を経ずして大きな地震が発生したので、「3度は無いだろう」と思いつつ、念の為に「二度あることは三度あると申しますから、近畿、中国、四国、九州は暫く地震警戒ですね」と書いたら、16日後に鳥取中部でM6.6の地震が発生しました。

現在、村井先生は北信越地方に2年近く地震警戒を出していますが、この警戒レベルが解除されるようなことになれば、かなりの高確率で大地震が発生するだろうと思っています。

しかし、村井先生には長野県神城断層地震の予測を「神憑り的」に外したトラウマがあるので、北信越地方・岐阜県の警戒レベルは「地震が発生するまで」継続するでしょう。

上川様が作成された地震の予測領域図はレベル5とレベル4だけで、レベル1まで図示すると北海道なども含まれます。

現在、村井先生が警戒レベルを解除中なのは、周防灘、伊予灘、豊後水道に面する地域と 琵琶湖周辺という狭い地域のみで、実質的には「日本全国、地震が発生するまで警戒」を継続しています。

電子基準点の解析固定点である福岡県の前原のノイズが原因で、全国の電子基準点で「異常変動」が多発しても、その原因について言を濁して、只「異常変動が多いので地震に警戒」と言い、「異常変動」が少なくなれば「静謐なので地震に警戒」と言う、こんな詐欺師を国土地理院は何時まで放置しているのか? 本当に「税金泥棒!」と叫びたくなります。

私が、民主主義を守る政治活動に参加したのは、言論の自由を守ることは勿論、万事公務員の裁量で動いている現在の行政を、公務員に法令・条例・規則を遵守させる法治国家にする為でもあるのです。

何時までも彼の如き詐欺師が見逃されていると言うことは、全国津々浦々で怠慢な行政が続いている証しでもあります。

言論の完全自由と、犯罪の厳正な取り締まりこそが、明るく豊かな日本を目指す道であると信じています。
周辺の地質は複雑なようですね (伊牟田勝美)
2016-10-31 00:32:18
鳥取中部地震は、地下の構造が複雑なようですね。
昨年からの1年間は、東北東から西南西に帯状に発生していましたが、21日の本震以降の余震は、これと直行する北北西から南南東に発生しています。
本震は、この二つの帯が交差する場所ではなく、それより南側で発生していました。

ところで、地震予知を当たっていたか否か(成功率)で判断するのは、やめた方が良いと思います。
今回の場合も、村井氏は予知成功になってしまいます。
判定は、予知内容の価値で評価し、予知に成功した事例について、予知内容にどれくらいの価値があったのかを評価すべきです。
私が使っている採点方法も一つですし、レベル0からレベル3程度のランク分けでも良いと思います。
何がどの程度できれば、レベル○○と明確な基準を置き、それを広めていくのも良いのではないでしょうか。
出ましたよ (ねこ一世)
2016-11-02 17:22:02
鳥取地震も的中のMEGA地震予測 次期最高警戒レベルの地域
NEWSポストセブン / 2016年11月2日 7時0分

「我々が分析している3つの指標の全てで異常が起こり始めていることから、この地域の警戒を強めています。特に注目しているのが伊豆諸島です。多くの人は首都直下型地震を心配しますが、どこで地震が起きても、地盤の緩い都心部は大きく揺れる。

 実際、一昨年5月に起きた伊豆大島近海地震で、震源に近い大島では震度2の弱い揺れでしたが、東京の千代田区では震度5弱の大きな揺れが観測されています」(村井氏)

 そのため、前述のメールマガジンの最新号(10月26日配信)でも、全国で唯一、首都圏を含む「南関東」エリアは最高警戒レベル5の〈震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある〉地域に位置付けられている。

●JESEAでは毎週水曜日にメルマガ「週刊MEGA地震予測」(月額216円)、スマホ用ウェブサービス「nexi地震予測」(月額378円)で情報提供している。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_461664/
浜松・・・ (疑似科学ウォッチャー)
2016-11-07 18:02:58
去年
http://bousaihm.hamazo.tv/e5128867.html

今年
http://bousai-hamamatsu.com/experience/article/8
突然すみません (Unknown)
2016-11-07 19:17:01
グラグラさんという方のブログはどう思われますでしょうか^_^;
独自の方法らしいのですが、いろんな所で大きい地震が来るとずっと言っているので気になります^_^;
http://jishinyochi-guragura.jp
下手な鉄砲 (うどん)
2016-11-18 21:59:43
>いろんな所で大きい地震が来るとずっと
>言っているので気になります
いろんなところ✕ずっと=下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるですかね?
予知に期待するより、起きたらどうするかの勉強しておいたほうだ1000倍役に立ちますよ。
事実検証 (八ヶ岳ウオチャー)
2018-05-26 22:51:37
去年から自分は八ヶ岳南麓天文台の観測を会員になって取り寄せている。

会員情報を他言出来ない事になっているので、詳細は各自で確認いただきたいのだが、概ねM5以上の日本付近の地震は相当の確度で当たっている。

日時(概ね数日以内) エリア(県で言えば3-数県程度の範囲) 規模(Mで言ってプラスマイナス1程)
という範囲の予測を随時報告してくれる。

今年の事例で自分の感想
〇 草津白根山噴火(火山性地震か噴火かの違い)
△ 島根県地震 (エリアが飛び過ぎた)
◎ 5月中旬の長野県地震
◎ 5月25日の長野県地震

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