横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

地震解析ラボの予測、2012年3月も全く使い物にならず

2012年06月20日 | 地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)
「地震解析ラボ」が2012年3月に発表した予測実績が、ようやく公開されました。「3ヶ月経ってみんなが大きな地震を忘れてから公開する」という、相変わらずの卑怯な戦法には呆れ果てますが、気を取り直して検証してみましょう。

この期間中、地震解析ラボが発表した地震予測は、以下の10件です。

予測期間 予測震央 予測規模 (的中したか否か)
-----------------------------------------------
2/28~3/5 茨城・千葉 M5半ば (○3/1 茨城県沖 M5.4 5弱)
3/2~3/11 三陸沖 M6以上 (☓ハズレ)
3/7~3/13 四国南西部 M5前後 3/17まで延長 (☓ハズレ)
3/14~3/22 北海道根釧 M5前後 (☓ハズレ)
3/14~3/22 宮城・福島 M5前後 3/26まで延長(3/25○M5.4福島沖)
3/14~3/22茨城・千葉 M5前後 (☓ハズレ)
3/16~3/23 静岡 M5前後 (☓ハズレ)
3/21~3/28 九州中央部 M5前後 4/2まで延長 (☓ハズレ)
3/23~3/29 房総半島 M5前後 (☓ハズレ)
4/1~4/9 青森・浦河沖 M5半ば (☓ハズレ)

予測10件のうち、的中は2件ですが、いずれも地震が頻発していた東日本大震災の余震域で、しかもうち1件は期間を延長して辛うじて的中したものです。東日本大震災の余震域以外にも、(よせばいいのに)5件予測を出していますが、例によって全てハズレです。全く有意な予測能力が読み取れません。

それでも、「10件のうち2件が的中」と言うと、それなりに予測が有意な気がするかも知れません。しかし、以下を見てください。実はこの期間中、東日本大震災の余震域を中心に、M5以上または最大震度4以上の地震が、以下のとおり30件も発生しているのです。

実際に発生した中規模以上の地震
(最後の数字は最大震度、()内は地震解析ラボが予測できたか否かを示す)
------------------------------------------------------
2012年2月28日 茨城県沖 M 5.1 4 (予測できず)
2012年2月29日 小笠原諸島西方沖 M 5.2 1 (予測できず)
2012年2月29日 福島県沖 M 5.3 4 (予測できず)
2012年2月29日 三陸沖 M 5.1 1 (予測できず)
2012年2月29日 千葉県東方沖 M 5.8 4 (予測できず)
2012年3月1日 茨城県沖 M 5.4 5弱 (予測的中)
2012年3月2日 千葉県東方沖 M 5.1 2(予測できず)
2012年3月5日 岩手県沖 M 5.0 3 (予測できず)
2012年3月7日 沖縄本島近海 M 5.2 2 (予測できず)
2012年3月10日 茨城県北部 M 5.5 5弱 (予測できず)
2012年3月12日 熊本県熊本地方 M 3.9 4 (予測できず)
2012年3月12日 択捉島付近 M 5.7 2 (予測できず)
2012年3月14日 三陸沖 M 6.8 4 (予測できず)
2012年3月14日 三陸沖 M 5.9 3(※M6.8の余震)
2012年3月14日 三陸沖 M 5.3 2(※M6.8の余震)
2012年3月14日 三陸沖 M 5.3 1(※M6.8の余震)
2012年3月14日 千葉県東方沖 M 6.1 5強 (予測できず)
2012年3月15日 関東東方沖 M 5.0 2 (予測できず)
2012年3月15日 三陸沖 M 5.2 1 (予測できず)
2012年3月16日 埼玉県南部 M 5.2 3(予測できず)
2012年3月18日 岩手県沖 M 5.0 4 (予測できず)
2012年3月20日 2012年3月20日 三陸沖 M 5.1 1 (予測できず)
2012年3月21日 2012年3月21日 福島県沖 M 5.0 1(予測できず)
2012年3月25日 2012年3月25日 福島県沖 M 5.2 4 (予測期間を延長して的中)
2012年3月27日 2012年3月27日 岩手県沖 M 6.4 5弱 (予測できず)
2012年3月27日 2012年3月27日 岩手県沖 M 5.1 4(予測できず)
2012年3月30日 2012年3月30日 福島県沖 M 5.0 3 (予測できず)
2012年4月1日 2012年4月1日  福島県沖 M 5.9 5弱(予測できず)
2012年4月12日 2012年4月12日 茨城県沖 M 5.5 4(予測できず)
2012年4月12日 2012年4月12日 福島県沖 M 5.9 4(予測できず)

ご覧のとおり、これら30件の地震のうち、地震解析ラボが予測できたのは、たったの2件です。特に、M6以上を記録した3件の地震(3月14日の三陸沖 M6.8、同千葉県東方沖M6.1、3月27日の岩手県沖M6.4)を、いずれも全く予測できていないのです。この事実からみても、「地震解析ラボの予測は、全く使い物にならない」と断定して良いでしょう。

これほどまでに、大きな地震を事前に全く予測できていないのに、自らの予測精度の低さに気付いていないのだとしたら、彼らはかなりの重症です。気付いていて有料サービスを続けているのなら、実に悪質な詐欺です。いずれにしても、「地震解析ラボ」には騙されないよう注意して欲しいと思います。
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 「地震解析ラボ」の地震予測... | トップ | 地震解析ラボ、2012年4月も予... »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
で? (黒川 健吉)
2013-06-13 16:42:25
批判は結構だが、貴殿はこれで何を言おうとしているのか? 自然界の異変の予兆(物理現象)があるのは当たり前で、その現象を何とかとらえたいと研究するのはいいことです。地震ムラのお歴々よりずっとまし。テーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼ・・・私は被災地の人間です。
Re: で? (横浜地球物理学研究所)
2013-06-13 17:15:08
黒川 健吉様

コメント、誠にありがとうございます。

この記事で何を言おうとしているかというと、「的中率6割~7割」と謳って有料サービスを展開している地震予測が、実際にはそれほどの的中率には到底とどかず、全く使い物になっていない、ということです。

こうして的中率を誇大に広告したうえでサービス料を一般から徴収し、成果が出ていないにもかかわらず成果が出ているとして研究費を搾取する行為は、極めて詐欺に近く、科学の発展を阻害することにもなるのです。

もし彼らが分かっててやっている(悪意がある)としたら、地震ムラの歴々と比べても、何倍も悪質だと思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事