日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

或る人の居心地の良い世界観が核戦争まで発展する?

2020年11月27日 07時26分27秒 | 政治
 自分の身の回りの世界が、自分が見たいように「在って」欲しい。あるいは、日頃見慣れた世界がそのまま変わらずにいて欲しい。それがすこしでも変えられると実に不愉快な気分におちいったり、落ち着かなくなったり、時としてその変化を破壊して元のように戻したいという衝動に駆られたりする、そういう人がしばしば身の回りにいる。大したことではない、彼にとって居心地の良い世界、それが安心であり、幸福である。
 番組編成に万策尽きたらしいTV局がしばしば逃げ込む番組に「ゴミ屋敷」がある。どうしてこんなに無益なものを集めなければならないのかと呆れ果てるのが多くの人の共通の感想だから番組は間違いなく一定数以上の視聴率を稼げる。そのカオス状態が激しければ激しい程番組は成功する。なぜなら、身の回りが「ゴミ」で囲まれることで心の安寧が保たれる人はごくごく少数で、そうでない圧倒的多数の人が視聴者になってくれるからである。
 しかし、ゴミ屋敷の住人にとってごみに囲まれている状況は常に未完の状態ながら満足の途上にいるのである以上、これを除去しろという近隣住民の世論は受け入れ難く、生存権を毀損された気分になる。よって撤去を求める隣人はまぐれもなく敵である。
 家のバルコニーから日頃見ていた景色に深い安心を感じていた男が、最近になって遥か前方のマンションの住人がBSアンテナを設置して、今まで見慣れてきた景色が変わってしまった。これはそのマンション住人が自分に対してやる嫌がらせであり、攻撃を加えてきたのではないか?。件の男は我慢できなくなって行動を起こした。
 「一年半くらい前から何度も自宅を訪ねてきて、『アンテナの位置を変えて欲しい』と言うのです。『私にとって自宅のバルコニーから見える世界がすべてなので、景色を変えたくないのです』と。窓辺に置いてあった観葉植物まで気になるようで、『室内の灯りを通して、植物の影が外に落ちるから遮光性のカーテンをつけてほしい』とまで要求されました。計10回くらいは来たと思います」(2020/11/21デイリー新潮)
 東京渋谷区幡ヶ谷二丁目で16日早朝に起こったホームレス殺人事件の犯人についての話である。この犯人(46歳)は、殺人事件を起こす前にこのバス停に座っている被害者に会って「お金をあげるから、バス停からどいてほしい」とたのんだが聞き入れられなかったから犯行に及んだのだと警察で語っているという。そうなのだ、彼の美観は、家から見えるバス停にホームレスが座っている光景は許せない、それは彼にとって整序な世界ではなかったのである。
 なお、報道によれば殺された女性(68歳)も几帳面な人らしく、びっしり書き記された親戚の住所録があったそうで、世界をしっかり自分の方法で認識していないといられなかった人なのであったのかもしれない。それが決まった時刻に同じバス停に座り、それを同じ場所から見て自分の世界観が破壊されたと認識する男がいて、ここに不幸が発生した。
 こういう極小の世界をどんどん拡張していった結果が、国家間の核戦争にまで発展する。これこそが人類の「原罪」なのではないかと筆者は日頃思っているのであるが・・・
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