「森喜朗元首相は18日夜、東京都内で開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員のパーティーであいさつし、ウクライナのゼレンスキー大統領を批判した。『ロシアのプーチン大統領だけが批判され、ゼレンスキー氏は全く何も叱られないのは、どういうことか。ゼレンスキー氏は、多くのウクライナの人たちを苦しめている』と発言した。ロシアのウクライナ侵攻に関する報道に関しても『日本のマスコミは一方に偏る。西側の報道に動かされてしまっている。欧州や米国の報道のみを使っている感じがしてならない』と指摘した。ロシアに厳しい姿勢の岸田文雄首相も『米国一辺倒になってしまった』とした」(2022/11/19 東京新聞)
「東京オリ・パラ疑獄」詮議ではその「主犯格」が囁かれるという緊張の時間が過ぎ去って「雉子も鳴かずば撃たれまい」の危機的期間も終息したと確信したのであろうか?、一時、森節も鳴りを潜めていたようだったが、この記事を見ると再び死地から脱出したと判断したようで、モリヨシロー節全開!といった塩梅のようである。
この「演説」の折りも折り、北方領土と言えば鈴木宗男、宗男と言えば「ムネオハウス」、その名も鈴木宗男参院議員の資金パーティでのことらしいから、共に親露派のお二人のこと、プーチン擁護に立ち位置を決めたのは大いに納得のいくところではある。が、返す刀でゼレンスキーがウクライナ国民を苦しめているとまで語るのは何に抗して騙るのであろう?
「喧嘩両成敗」という常套的な教訓が無いわけではないが、この春浅き2月21日、「プーチンの軍」による一方的なウクライナ侵攻はどうみても「侵略行為」であって、これに対するウクライナの反攻は、平和主義者の立場からは遺憾とするも、正当にして正統な自国防衛というべきであったのではなかったか?
森氏盟友のウラジーミル=プーチンによる暴虐戦争は、結果的に多数のロシア兵の死傷者を生み、ウクライナの無辜の民の生活基盤を荒らし放題荒らしてしまった。その経済的損失は日本円にして100兆とも200兆とも言われ、ウクライナ国土全域に及ぶ都市と電力施設空襲はこの冬の極寒を防ぐに叶わぬ規模の民生破壊を続けている。ロシア国内へのウクライナの反攻が抑制されている中での、ウクライナ市民への武力攻撃はプーチンによる明白な国際法違反だ。
それにしても、森氏と盟友安倍晋三両首相に鈴木宗男氏、これら三人組が関わった「北方領土返還問題」は今や戦後70余年中最悪の絶望的状況に落ち込んでしまっている。その失態の責任をどう取ろうというのか?!。政治家としての着目点が違い過ぎないか?!