熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

柿其渓谷ー(2019 冬)

2019-03-17 10:41:32 | 風景

2月の中旬、例年なら雪がもっと降る木曽地方ですが、今年は雪もなく、

暖かい日が続いていました。

どこかに歩きに行きたいと思っていたものの、なかなか適当な場所が思いつかず・・・

以前友人と行った中央線十二兼駅から柿其渓谷と恋路峠を歩いてみようと思いました。

 

十二兼の駅はほとんど乗る人もいない、静かな小さな駅です。

本来なら、信州の二月は最も寒い季節で、

滝が全面氷結したり、諏訪湖に御神渡りが出来たりと、それはそれは厳しい時期ではあるのですが、

今年の南信州はほとんど雪が降りません。

歩き始めてすぐ、柿其川の水は木曽地方特有のエメラルドグリーンが暖かい日差しに輝いています。

 

この透明度と色!

いつ見てもやっぱり美しい!!

柿其渓谷までの道も全く雪はなく、渓谷の遊歩道にも雪や凍っている個所はなく、

もしかすると、2月の一番寒い時期、牛ヶ滝が凍っているかも?

という期待を胸にここまで歩いて来たのに・・・・

 

その期待とは程遠い

春や、夏や、秋の様に、透明なグリーンの水を湛えて緩やかに流れる柿其川の畔の遊歩道を歩き、

牛ヶ滝まで行ってみると、

一片の氷もなく滔々と流れ落ちる滝を見て、

あれ?今2月だよね!!と自分で確かめるほど。

それでも、この滝は日当たりがいいから氷瀑になる事はないのかもしれないなあ、と思い直し恋路峠に向かう。

恋路峠の展望台からは中央アルプスが美しく見えるのですが、

やはり雪が少ないなぁ。

 

峠を越えて阿寺渓谷に向かう道は、冬季間雪の為車両通行止めです。

峠までは全く雪がなく、普通のスニーカーで十分だったのですが、

下り始めると氷結した雪道が目の前に現れました。 

 

2月の木曽の道はこれが普通と思いながら、

ザックに入れて背負って来たピン付きの長靴を履く。

この長靴、

仰々しく軽アイゼンなど取り付けなくても、こういった雪道歩きや崖を下ったり、

滝や水辺でも役立ちます。

木曽川まで下りてきました。

ここまで約6~7km。

以前はここから野尻駅まで歩き、電車で十二兼駅まで戻ったのですが、

この日は中央線沿いに残る中山道を歩いて十二兼駅まで行く事にしました。

約3kmくらいでしょう。

 

木曽は山の中にある・・という藤村の有名な言葉がありますが、

木曽は、

木曽川と国道19号線と、中央本線が平行に塩尻から中津川まで通っているのかと思えば、

もう一本、今はあまり人の通らない中山道が残されていることを知る。

 

暖かい日差しの中で、春の準備が始まっていました。

広い畑を耕すおじいさんが一人。

今年は雪もなく、楽な冬でお陰だったと思いつつ、

こんなに雪が少なくて、農作物に水不足の影響はないものかと心配しながらも、

自然に身を委ねて黙々と畑を耕しているように見えました。