明るく楽しい日々を願って。

毎日の平凡な出来事を、日記のように綴ります。趣味の切手も時々アップします。
どうぞ宜しく・・・。

森鴎外展

2009年05月30日 | Weblog
今日は曇りの日でした。
じめじめとしてお洗濯物も乾かない。

神奈川近代文学館で開催している『森鴎外展』を
見に行ってきました。

65歳以上は無料です。
年を取っても、たまには好い事がありますね。



鴎外展チラシです。クリックすると拡大します。
ここに描かれている絵は、鴎外と同郷(津和野)の
画家安野光雅の『即興詩人』の挿絵です。

『即興詩人』は、アンデルセンの原作ですが、
森鴎外はこの作品を1892年から8年かけて翻訳しました。
格調高い文語文で書かれています。

鴎外は、横浜市歌の作詞もしていますし、
横浜商業高校の校歌も作っています。

甲子園に、この高校はよく出場しますから、
その時歌われる歌の歌詞は鴎外の作ったものです。

また、鴎外は1884年(明治17年)にドイツに留学する時に
横浜からフランス船メンザレエ号に乗って旅立ちました。
そして帰ってくるときも、勿論、横浜へ船で帰ります。

ドイツでの恋人エリーゼ・ヴィーゲルトが鴎外を追いかけて
来たのも、横浜港でした。
その間の事情は鴎外の『舞姫』に詳しく書かれています。

この頃は、海外に行くのには、すべて船旅でした。
漱石も荷風も横浜から船に乗りました。



これはフランス船メンザレエ号です。
蒸気機関を備えた帆船です。

よくこんな船で、荒波を乗り越えて外国へ行ったと感心します。

私は、津和野の鴎外の家にも行きましたし、東京文京区の鴎外旧居跡
観潮楼(現在、文京区立図書館)にも行きましたが、今回の展示は
鴎外が近代文学の先駆けとなり、軍医として明治政府の第一線で働き
《公》と《私》との間で揺れ動きながら、文学に貢献した様子が解かって
興味深かったです。明治政府に時として疑問を抱きながら、過ごした事を
初めて知りました。

最後に森鴎外の切手を2点アップします。