ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

Trafficked

2013年11月01日 | 女性の自立

 

 マレーシアで一気に読んでしまった本、Trafficked。

↓パビリオンのTimesはおすすめ本のコーナーがいつも充実☆

 

 

被害者が実際に経験したことを書いている実話で、簡単な英語なので、あっという間に読めちゃう。

イギリス人で当時24歳だった女性が、休暇のつもりで行ったイタリアで人身取引の被害にあう話。6か月も性奴隷にされて、最後にはなんとか逃げ出すんだけれど。

イギリスで出会って、ボーイフレンドだと思って信じてイタリアまで遊びにいったアルバニア人の男性に脅迫されて、毎夜道に立って客をとるこをと強制されるっていう実話。毎日、25人から35人程度の客をとらされて、売上はすべてアルバニア人が取り上げ、彼女はまともに食事もとれなくなってしまう。最後は、あまりにも体調がわるくなって病院にかけこんで、イギリスにいる母親にレスキューを求めて、助けられるっていう結末。

日本でも、ほかの先進国でも、人身取引にあう女性は多い。途上国の問題ってことではないのだ。脅迫と暴力でがんじがらめにされて、自分が何をやっているのかわからなくなって、ただ恐怖だけの毎日。

けっこうナマナマしいのは、イタリアで道に立って客引きをするのでイタリア語を知らないといけないから、アルバニア人の男性にイタリア語を教えられる話。最初に教えられるのが、「オーラルか身体か」っていうイタリア語。オーラルセックスだと、15分で30ユーロ請求することになってるんだそうな。ひっきりなしに客が来たそうで、イタリア人男性、何考えてんだってかんじなのである。まあ、日本でもそういう場所にいったら、同じなんだろうけれど。

今の仕事でインタビューをしていても、暴力の被害にあった女性が、トラウマから脱出するのが大変な場合が多くて、カンボジアのカウンセリングの技術では、不十分だという指摘が、実際にシェルターを運営している人たちからの声としてあがってる。半年でも、何千人っていう男性と性的交渉を持たされたこの被害者、立ち直るには、相当の時間がかかるだろうなあ。