ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

人身取引に関するセミナー

2009年11月04日 | カンボジアの外で感じたこと





今回参加しているセミナーは、タイ・カンボジア・ラオス・ベトナム・ビルマから30名程度の参加者がいて、題目は「人身取引被害者の帰還・社会復帰のニーズアセスメント」。各国の参加者が、それぞれどのような取り組みをしていて、どのような課題があるのか、情報共有。




たとえば、カンボジア人が人身取引の被害にあってタイのバンコクで救出された場合。
被害者と認定されれば、まずタイ政府の保護下にはいって(一時保護)、その後タイ政府とカンボジア政府との間で被害者に関する情報が共有され、カンボジア政府に被害者が引き渡されることになる。カンボジア側に被害者が帰還すると、政府が被害者の家族を探して、自宅まで被害者を送り届ける。被害者がカウンセリングを必要としていたり、家族のもとに変えれないような場合には、NGOが運営するシェルターに送られて、その後の社会復帰をNGOが支援するというはこび。


各国、似たような取り組みがなされているのだけれど、課題としては、国境を越えた人身取引の場合には、二国間の連携がなかなかうまくいっていないという点。


たとえば、タイでカンボジア人が人身取引の被害者と認定されて保護された場合。とりあえず、被害者の身柄はタイ政府が一時的に保護するのだけれど、被害者がどこから来ているのか確認しないと本国帰還ができない。そこで、政府レベルで連絡を取り合って、当該カンボジア人がどこの出身なのかをまず確認。その後、タイ政府にカンボジアとの国境まで送り届けてもらって、カンボジア側が引き取って出身地まで送り届けるシステム。

ちなみに一緒に出張している政府の職員は、つい先日、こういう一連のプロセスを経てカンボジアに帰還した30名程度のカンボジア人を国境で保護したばかり。「タイから送られてくる書類に記載されている情報が不十分」という点も、二国間連携の問題のひとつだそう。被害者には、医療サービスを必要とする人もいれば、トラウマで苦しんでいる人もいる。そういった細かい事情も把握しておかないと、カンボジア側で被害者を引き取る際に、十分なケアができいないのだ。

などなど、いろいろな課題があるんだよなあ・・・・
近隣諸国、とくに国境を接している国とは、歴史的背景からあまり仲良しでない場合も多いし・・・・