ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

大学院での論文審査

2009年01月12日 | カンボジアのジェンダー規範

王立プノンペン大学社会人文学部の修士課程に開発学科があります。
これまで「ジェンダーと開発」という講座を何度か担当したことがあったので、修士論文の口頭審査に審査員として参加する依頼を受けました。





わたしが担当したのは、2論文、それぞれ90分の口頭審査です。両論文とも、カンボジアの女性に関する問題を取上げたもの。



もうずいぶん前ですが、自分が日本で修士論文の審査を受けたことを懐かしく思い出しました。当時は、パネルは教授3名で審査でした。
主査は自分の指導教官(今はニューヨークの国連代表部でご活躍中)、にこにこ笑顔でわたしが安心するよう配慮してくださいました。副査は2名、両教授とも普段お話するのもはばかられる有名な教授。でも一人は審査中ずっと寝てるとしか思えなかったし、もう一方は前評判通り注釈しかチェックしませんでした。厳しい質問や修正のコメントをぐさぐさもらった記憶がありますが、なんとなく笑って乗り切った記憶があります。でも、審査当日の朝まで必死で徹夜して発表の準備をしたなあって、それ以外の思い出もよみがえってきてとても懐かしいです。



学生が発表している様子。日本では審査パネルに向かって発表ですが、カンボジアはパネルではなく見学者(多くは学生)に対して発表する様子?



この開発学科の修士課程、講義は全て英語、論文も英語で作成です。学生たちが一生懸命英語で論文を書いている様子が伺えました。審査を担当した一人の学生は、私が書いた本を引用分析して論理を展開してくれていて、頼もしく思いました。

学問の世界で、若い世代が女性の問題に関心を持ち、修士論文にまとめたいって思うことは、わたしにとっては感動的なことです。すっごく厳しい質問やコメントを出してしまい、傷ついてないかなあ・申し訳ないなあと思いましたが、本当のところは一生懸命な若い学生を見て、わたしも頑張らなきゃってとっても励まされた口頭審査でした。