玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

おかしいぞ

2006年01月16日 | 日記
 尋常な気象ではない。昨年十月には、土曜日曜のたびに雨が降り、「何かおかしいな」と思っていたが、十一月に入ると来る日も来る日も雨が降り続いて、一カ月のうち晴れたのは、たった二、三日しかないという異常ぶりだった。
 十二月に入れば正常に戻ると思っていたが、とんでもなかった。寒波が連続してやってきて、各地で十二月としては観測史上に例のない積雪となった。年が明けても雪は続き、ついに柏崎市も十日、豪雪対策本部を設置した。
 通常はこれから雪が本格化するシーズン。鵜川や石黒地区ではすでに三メートル近い積雪があるから、「これからどうなるんだろう」という不安でいっぱいだろう。寒さも尋常でなく、軒下のツララも例年になく長く伸びている。
 昨年六月の気象予報士・村山貢司さんの講演を思い出す。「地球温暖化は五十年、百年先の話でなく、今一番影響が出ている」と村山さんは話し、温暖化は異常気象の要因でもあり、局地的な偏りをもった気象現象が起こると話していた。一律に気温が上昇していくだけではないということであれば、この寒波も地球温暖化の影響でないと誰が言えよう。
 不安に駆られる中、“少しでも希望を”と、科学技術の開発で地球への負荷を減らし、完全循環型社会を実現できるとする『地球持続の技術』(小宮山宏著)を読んだが、まったく不安は解消されなかった。
 理論的には可能な「エネルギー効率三倍向上」や「自然エネルギーの開発」などで、二〇五〇年までに循環型社会への道筋をつけるというが、このままであと四十五年もつのだろうかという疑問に捕らわれてしまう。
 人口の加速度的な増加と、エネルギー消費の増大が簡単に止まるとは思えない。新年に明るい初夢を見ることはなかった。

(越後タイムス1月13日号「週末点描」)