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『パントマイムの歴史を巡る旅』第34回(長井直樹さん(5))

2019-12-22 12:39:56 | スペシャルインタビュー

(インタビューの最終回は、長井さんの作品や学生時代の話を中心について語っていただきました)

佐々木(以下、S):長井さんの代表作を3つほど教えていただけますでしょうか。

長井(以下、N):代表作は、まず、ドラ〇もんかな。自分のやりたいものがすごく詰まっている気がします。せつなさ、悲しさ、コメディ形式でのやり方。表現的にはおバカで良いんだけど奥にはそうでないものもしっかりと表現しています。この作品は、やっぱりチャップリンの影響もあります。実は、父親と初めて映画館で観た映画がチャップリンです。

阿部(以下、A):渋いですね。

N:父親とはあんまり仲良くないっていうか、すごい怖い人だったから、休日を過ごすこと自体がそもそも珍しい。うちにいなかった人だから。

S:そうなんですね。

N:テニスの有名な指導者で表彰されていました。ドラ〇もんだけ、突出していて、あとはもう同じかな。

A:佐々木君はどうですか。

S:たくさん候補があって難しい。

A:私は、やっぱり「3つの願い」です。

S:僕もそうですね。あとは、「不良」かな。

N:あと、「世界一の女」も好き。ちなみに、ケッチは「3つの願い」を上演しています。

A:課題作品ですね。

S:「3つの願い」は、東京マイム研究所の課題作品になったんですか。

N:課題作品として、ケッチが「3つの願い」をやりたいって言って、並木先生の許可を得て。

A:「3つの願い」は面白いですよね。私、(魔人が登場する)音が超良いと思います。

N:あれは、あの時(2018年のソロ公演)から付けたんです。

A:最初はなかったのですか?

N:最初はなかったです。

A:あの音が、来る人がいいかげんな感じとか想像させますよね。そういうのがいい。「不良」は、愛すべきキャラクターですよね。

S:観る人によって、大分作品の解釈が違ってくるのが面白いです。

N:愛すべきキャラクター。ちなみに、最近の「不良」の衣装は自分で買ったのだけど、以前はそうではありませんでした。それはフェスの時から変えたかな。

A:前は重かったのですか。

N:前は、本当の皮ジャンで、ケッチからもらったものです。本当の皮ジャンだからすごい暑いし、重いし。もう舞台じゃ使えません。

A:機能性としては、ちょっと。。

N:今は、合皮のペラペラのやつにしたから、すごくやりやすいんです。

A:よく(以前の皮ジャンで)やってましたね。

N:ライダー用だったのです。

A:汗だくですよね。

N:あの動きで照明当たってやっているから、そりゃ、死ぬね(笑)。「3分間写真」も好きだけど、もう成立しなくなっちゃったのです。

A:「3分間写真」。何回も撮り直しできちゃうし。。。

N:アナログとデジタルの違いで。この間(2018年のソロ公演)でやり納め。あれとほぼ同じコマーシャルをヨーロッパか何かで見たことがあります。何年か後に見つけたけど。

 

A:あっ、これまででちょっと抜けたところがありました。長井さんが建築の道に進むか、マイムに進むかの選択肢で迷っていたという話があって、本来なら長井さんは、建築の方に進むはずでしたよね。

N:そもそも、なぜ建築にしたかというと、こっちに出てくるための理由を作るという意味で大学というのが一つですし、でも、当時から何か表現の道に進みたいと思っていました。で、すべり止めとして、表に出なくても舞台建築という手もあるから、そのためには、ちゃんと建築をやっておいたほうがいいだろうなという。

A:実は、長井さんは、建築の先生に目をかけてもらっていたのですよね。

N:うん、自分の建築の先生は、沖縄ジァンジァンを作った人だから。

S:沖縄ジァンジァン!?

A:今でもあるのでしょうか。

N:分かりません。

S:渋谷のジァンジァンと何か関係があるのですか。

N:それもよく分からないけど(※渋谷ジァンジァンと同じオーナーが経営、2000年頃に閉館)、沖縄ジァンジァンを作ったと言ってました。

A:長井さんは、高校生の時は、モテモテだったのです。生徒会長をやっていたし、テニスもやってたのです。

N:生徒会長は、中学。

A:あっ、ごめんなさい!

N:小学校で副会長、中学で生徒会長。

A:そして高校の時はテニス部でね、テニス部は、すごいところまで行ったんですよね。

N:それ、中学。

A:ごめんなさい!

S:(大笑い)

N:まあ、優勝候補だっけど負けて準優勝。あれは絶対、高飛車になってたのです。準決勝がすごい強豪で、準決勝を勝ったから、こりゃもう優勝じゃんと、おごり高ぶっていたと思います。

A:高校では何をやっていたのですか。

S:バンドマン。

A:モテモテなんですよね。高校もいいところで。これって何のトーク?

S:大学はどちらだったのですか。

N:日大の建築。今でもそうだけど、日大の建築ってOBがスゴイ。

A:そうなんですか。

N:だから、良いところに就職できるみたい。特に当時は、バブルがすこぶる調子が良かったから。さんざん先生に何を考えているのって言われました。一流企業に友達が就職して…。

A:その中でパントマイムやります。

N:就職しません。

A:どうです、これ。

 

インドネシアに移住した長井さんから近況(19年12月時点)のお便りがありました。こちらが、その内容です。

インドネシアではセプティアンとの活動をするつもりだったのですが、予定が変わりました。

セプティアンの住む首都ジャカルタは、テレビを中心としたエンターテインメントの要素が強いパントマイムでして、わかりやすくいうとストリート・パフォーマンスのような、コンセプトや主張を盛り込められない娯楽性の強いパフォーマンスなんですね。

自分好みのシアター・パントマイムではない…。

そして、インドネシアに滞在してから知ったのですが、ジョグジャカルタ には芸術性の高い表現やシアター・パントマイムが存在することがわかったので、拠点を移したわけです。

そのおかげで、いろんな大学から声をかけていただいて、ワークショップやソロ公演、ジョグジャのパントマイム・コミュニティにも出演させていただく機会に恵まれました。

来年にはアジアの各国を招待してのインターナショナルなマイム・フェスの企画が進み始めています。

自分の活動だけでなく、インドネシアと日本、そしてアシアへと、橋渡しのお手伝いをできればと思っています。ここでのフェスが実現した暁には、日本の皆様に出演の依頼をさせていただくかと思います。その節はよろしくお願いします。

(了)

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