日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

ホテルがとれない

2015-12-22 09:00:00 | (相)のブログ
 最近、地方出張でホテルの予約が取りづらい。いや、取れなくはないのだが、軒並み値段が高い! 最近は経費で落ちる範囲内の宿を探すのが非常に厳しくなっている。
 アジアを中心とした外国人観光客の急増を受けて、日本全国的にホテルの確保が難しくなっているというのは最近メディアでも報じられ、多くの人々が知るところとなっている。この現象は東京をはじめとする大都市や観光地がとくに顕著。空いている部屋がないことに加え、需要と供給のバランスで宿泊料も上昇を続けている。

 日本政府観光局のデータによると、2013年の訪日外客数は1036万人で、年間1000万人を初めて突破。翌14年にも前年比29%増で1341万人が日本を訪れた。そして今年は9月の時点で前年の数字を上回り、過去最高を更新。1 月から11 月の累計は1796 万人に達している。11月だけを見ても、前年同月比41%増の164 万8000人で、過去最高だった昨年(116 万8000人)を48 万人も上回っている。
 訪日外客数を地域別に見ると、アジアからの観光客の伸びが著しい。2010年は前年比で35.6%増、11年は東日本大震災の影響で-27.6%だったが、12年は35.2%、13年は27%、14年は33.3%増と止まるところを知らない。観光客増加の要因としては、日本政府が中国や東南アジアなどを対象に実施しているビザの条件緩和、円安、消費税免税制度の拡充によるショッピング需要、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりなどが指摘されている。この「日本観光ブーム」の中、来日する外国人は富裕層のみならず中間層も多いため、豪華なホテルよりも安価なビジネスホテルが宿泊先として好まれている、ということらしい。国内外から客が殺到すれば、混雑するのも当然だ。
 「出張族」とまではいかないが、仕事がら地方に出張する機会は少なくないので、最近のこの状況は他人事ではない。一泊5000円~6000円とリーズナブル(地域や宿泊プランによっては4000円台もざら)で、急な出張でも飛び込みで泊まれるというのがビジネスホテルの従来のスタンダードだった。大きなイベントの開催と重なって、開催地域周辺の宿が軒並み予約で埋まる、といった特殊なケースを除いて「ホテル難民」になることはなかったのだが…。

 状況が変わったのは、体感的にいうと昨年くらいからか。出張先は近畿圏が多いのだが、当初は週末に宿が取りづらいという程度だったのが、最近では週のアタマから厳しい状況だ。1ヵ月前に出張スケジュールが決まっていれば選択肢も増えるが、仕事の性質上、直前にならないとスケジュールは決まらない。出発前に日程が確定すればまだいいほうで、出張先で翌日からの宿を予約することもザラだったが、以前はそれでも問題なかった。
 まあ、ここでは書かないが、このような状況の中でも比較的アクセスのいい場所で予算内に収まるホテルを確保する裏技はいくつかある。これまではそれで何とかしのいでいたものの、11月の出張時にはついに自腹を切るはめに陥った。それでもベッドにシャワー、仕事用のデスクが備わっている宿が取れただけまマシか。今後は、スケジュールによっては1泊1500円の簡易宿泊所やカプセルホテル、インターネットカフェに泊まることも覚悟しなくてはいけないかもしれない。1泊程度ならいいが、体力的な問題を考えても、できればここらへんの宿泊施設を渡り歩くことは避けたい。
 しかし、東京五輪が開催される2020年までは「ホテル不足」の状況に劇的な改善は期待できないという分析もある。最近では、出張が決まると、取材の準備よりも現地で宿泊先をどうやって確保するかに時間を取られる有様。なんとかしてほしい。
 
 今年も残すところあと10日ほど。今年最後の出張先が大阪に決まった。東京朝鮮中高級学校が初出場する全国高校ラグビー大会(27日開幕)の取材。とりあえず、東京朝高の初戦が行われる28日の宿泊先は確保した。その後は朝高の成績次第だが…まあ、何とかなるだろう。

 今回のエントリをもって、2015年の私の執筆担当分は終了となる。今年もご愛読ありがとうございました。よいお年を!(相)
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