机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

言わぬが花

2019-11-20 06:14:00 | 楽描き
 人にはそれぞれ生き方があってしかるべきなのだが、己の主張が正しいとばかりに他人の生き方を認めない輩がいる。

 親と子、互いに血が通い、同じ釜の飯を食べた仲でもそれはある。
主たるものは親である以上、子は親に従わなければいけないのが世の本文であるが、そうとばかりは言い切れない事情が子にはある。

 子には子の主があり、親たる主の生き方に同調できない貧しさがあるということだ。
貧しさというのは何も金が無いということではない。ここでいう貧しさとは、権力者イコール親がもつ絶対的なものに対して子が持つ絶対的なものが、そぐわないという事だ。

 悲しいかな親は子を罵倒する。言葉も凶器である。子の人格を否定して破壊する。なによりも貧しき者を愚弄するのは卑怯なやり方だ。ましては自分の子であればなおの事である。

 言葉というものは便利なものであるが、諸刃の剣である。心して振り上げなければ自分に対しても不利益になる。

 誰かが言った。世の中の草花が喋り出したら、やかましくて夜も眠れないだろうな。

 広い野原や山に個々の花が咲き乱れている。風に導かれてか、そこに根をはっている。

 手も無く足も無く、ただ悠然としている。もし彼等がののしりあったり、互いを否定しあったなら、切なくて花はすぐに枯れてしまうかもしれない。

 手も無く足も無く、行き場のない花。
花が美しいのは案外、もの言わぬからだろうか。