朝・読・日経の共同ウェブサイトを見ながら新聞の危機を感じます(2008.2.5)

2008-02-05 20:20:43 | Weblog

1月31日から“朝日・読売・日経の“よみくらべサイト「あらたにす」が始まりました。<ここです>

あらたにす、allatanys 、わかり難い言葉と思っていたら、あらたは、新聞の新、New-S、新たにス、をつけたんだそうです。なるほど・・・。あまりいいネーミングではないなあ。

新聞は、朝日と日経をわりあい丁寧に読んでいます(時間がありますから)。現役中は、他3紙ぐらい眼をとおしていました。朝日と日経の論調の違いが、今、きわだっています。<改革はどうした!>の日経です。それが、ネット上で比較、読み比べができるというのですが、Web画面の印象からは、どこも同じように見えてしまいます。
おそらく全体記事量、ネット化した記事量によるものでしょう。
とうてい新聞の代わりにはなりません。

新聞の危機(!)は、まず若者が新聞を読まないことだそうです。彼らは、ニュースはネットでわかるといいます。全然、違うのだけどなあ~。
それでも就職前には、読むらしいのです。リクルート・スーツと同じです。

*2007年10月2日付 朝日

新聞は、普通、朝・毎・読そして日経、産経といいます。日本の全国紙です。
この共同サイトに、毎日新聞がないのです。噂どおりに、“毎日は危機”なんでしょうか。
ここでも、外資規制緩和、市場原理主義、規制緩和の声が聞こえてきます。

ここで、ブログ向きでないお話、世界の新聞の話をします。経済新聞の話です。
経済新聞、日本には、日本経済新聞、米国には、ウォール・ストリート・ジャーナル、英国には、フィナンシャル・タイムズがあります。
今、政治が経済を動かすではなく、経済が政治を動かす時代です。金融が社会を動かしています。つまり経済紙の役割りは大きいのです。

日本は、証券取引所のある東京日本橋・兜町が証券街です。アメリカは、ニューヨーク南部のウォール街(ストリート)です。だから、米国の経済紙はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)なのです。

ネット時代になって同紙(WSJ)の経営不振(会社名はダウ・ジョーンズ)が伝えられていました。
そしてWSJは、一昨年(2006年)12月、相場など数字データはネット(デジタルメディア)に、新聞には分析記事を増加して行く、新聞とネットの融合の方針を発表しました。

*2006年12月5日付 日経

そして、すぐにダウ・ジョーンズには、メディア・新聞買収王と言われるルパート・マードック氏による買収が伝わってきました。新聞編集に影響を及ばさないよう編集局は買収反対を展開しましたが、結局、買収されました。
マードック氏は、オーストラリアの新聞経営者だったのですが、米・英の新聞、放送、雑誌など、あらゆるジャンルのメディアを買収、イギリス第一の新聞、タイムズも買収しました。
今、世界の新聞175紙を傘下にいれています。発行部数は、4000万部だそうです。世論形成に、とてつもなく大きな力になってしまうのです。
アメリカの有力経済紙も傘下にいれたのです。

そして、ついこの間、2008年1月30日付け新聞に、<ウォール・ストリート・ジャーナルの編集局が年内にも、媒体名の由来となるニューヨーク・ウォール街周辺地区から、同ミッドタウン地区にある米ニューズ・コーポレーションの本社内への移転を検討していることが明らかになった>と報じられました。スポーツ面も持つらしい。論調も変わってくるでしょう。

 *2008年1月30日付 日経

TBSに買収騒動がありました。外国資本による日本の一般の会社の買収も進んでいます。すべての分野での外資規制緩和、規制緩和の掛け声の大きい日本政府です。日本でも、買収王マードック氏の名前を聞くことになるかも知れません。

  【おまけ】

*ニューヨーク南部に2本のタワー

* 2001年9月11日、米国同時多発テロがありました。倒れた世界貿易センターの2本のタワー、その隣に、ダウ・ジョーンズ社がありました。
<ウォール・ストリート・ジャーナルは社屋を失った。命からがら逃げ出した記者たちは、遠く60km離れたニュージャージー州の仮の編集局を開き、新聞発行を続けている・・・・・>

*2001年9月22日付 朝日

* 2002年7月30日 日経<・・・一時移転を余儀なくされていたウォール・ストリート・ジャーナルの編集局が28日からニューヨーク市のウォール街に復帰を始めた。・・・・地域の象徴である同紙の復帰を求める声が高まっていた>

*2002年7月30日付 日経

* 私自身、ウォール・ストリート・ジャーナルと接点をもっていました。知人もいました。昨2007年一年間の同紙の買収報道には、少々寂しさを感じていたのです。


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