オレンジ香るカリフォルニアのリバーサイドという町にいたことがあります(2008.2.12)

2008-02-12 19:50:59 | Weblog

*アメリカのスイーツもいろいろ出てきます。

ロサンゼルスから東へクルマで1時間半走ったあたり、緑がなくなり赤茶色の丘が目立つようになる所に、リバーサイド(riverside)という町(city)があります。
私は、この町と仕事で1990年ごろから縁ができていました。2000年8-9月には1ヶ月ほどいました。誰ひとり日本人と会いません。 “地球の歩き方”など、どのガイドブックにも載っていません。

ところが一年程して本屋の立ち読みで、“アメリカのおいしい食卓”というエッセイ集をみつけました。表紙にオレンジの箱に貼り付ける<ラベル>を散りばめてあるのです。ひょっとすると、と思ったのです。ありました。リバーサイドが載っている!!のです。

<「オレンジの母」と呼ばれている女性がいる。1870年代、荒野の集落にすぎなかったリバーサイドの町にワシントンから入植してきたエリザ・ティベッツである。ワシントン時代の友人に手紙を書き、ブラジル産のシトラス(*日本語では柑橘・かんきつ)を3本送ってもらった。苗木は生長し立派な果実をつけた。大きくすべすべした鮮やかなオレンジ色の肌をもち、むきやすく、種なしで、素晴らしい香りを備えている。それまで知られていたどんなオレンジとも異なる果実は「ワシントン・ネーブルオレンジ」の名で有名になり、リバーサイドの町を第2のゴールドラッシュに巻き込んだ。1862年には、カリフォルニア州全体で2万5000本しかなかったオレンジの木が20年後には、50万本に増えていた。このうちの半分がリバーサイドだった(徳井)>

私は、リバーサイドのダウンタウンに宿をとって滞在し、毎日レンタカーでシュロの木が街路樹の道を30分ほど走らせていたのですが、今、広大なオレンジ農園を感じることはできないのです。赤茶けた大地が見えるだけなのです。ただ郊外には 元の木が“ペアレンツ・ネーブル・トゥリー”という記念樹として、柵の中で大事に育てられていました。
ダウンタウンにあるアンチック・ショップ街には、オレンジの箱の鮮やかなラベルを売っていました。きれいなのです。少し買っておけばよかった。

*左;アメリカのおいしい食卓 徳井いつこ著 平凡社 2001年8月発行、右;町のパンフレットには、CITRUS(かんきつ類)の美しい絵があふれています。

リバーサイドの博物館で買った小学生向きの郷土史で知って、驚いたことがあります。この町には、まず中国人移民がきます。そして1882年(明治25)から日本人移民が農園で働き始めるのです。1900-1910年(明治33-43)が最も多かったようです。日本の真珠湾攻撃後の戦争中は、カリフォルニアの日本人は収容所に入れられます。この地にも、日本人移民の戦争の歴史があったのです。でもそれを感じるものは、今ありません。
日本人の後に農園で働いたのは、アフリカン・アメリカンと書いています。

4,5日前にブログ<ここです>で、オクラホマから、オレンジ香る天国、カリフォルニアをめざす農民たちの話、“怒りのぶどう”を書きました。彼らは、ここリバーサイドをめざしていたのです。正確にはリバーサイドの町は登場しません。彼らを入れなかった、拒絶した農園には、日本人が働いていたのかもしれません。
明治の頃、江戸時代が終わったばかりです。アメリカに移民となって行くパワーは何だったろうか。日本の農民も、それほど貧しかったというだけなのだろうか。

   【おまけ】

* だから、私のリバーサイドは、オレンジ香るリバーサイドではありません。赤茶けた大地のリバーサイドです。それでも、ひとりで1ヶ月もいれば町に愛着もわきます。良さもわかってきます。

*ホテルから毎日見ていたRubidoux山。

* 1700年代には、スペイン統治下でした。キリスト教の伝道団(ミッション)がきて、教会をたて布教活動をします。今、ミッション・イン(mission inn)というホテルになっています。私は、その近くの安ホテルに滞在していました。赤茶けた大地です。山とはいえないけれどよく目立つ山があります。Rubidoux山です(1ヶ月ほどいましたが読めないのです)。もちろん登りました。頂上には、リバーサイド開拓時代からの十字架が立っています。

*Rubidoux山頂からのリバーサイドの街(絵はがき)。左;その昔、右;2000年ごろ。

* リバーサイドですから川ぞいなのです。サンタ アナ川です。地図上は大きな川なのですが、水の流れは、ほんの少し。ここは、水のない大地なのです。

* 今日知ったことですが仙台市の姉妹都市です。もっとも仙台は世界中に7つも縁組をしているようです。姉妹都市ってなんでしょうね。

*ロサンゼルスに出かけた時に、一泊二日で旅するといいですね。アーリー・アメリカンなアンティック屋さんのはしごをするといいですよ。昨日まで、その辺にあったという感じで並べています。