探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

ヤゴ時々クモ

2019年05月13日 | 自然探索記~採集記(道北)

サロベツ原野でのガサ記録
目的はサロベツ原野に生息するミズグモを確認すること。
生息の噂は聞いていたが、自分の目で確認しないと納得いかない性分。
そもそもサロベツ原野は、数年前からガサしているが、ミズグモが出たことはない。ホントにいるんかね・・・

利尻山
浜辺・海・山・空というミックスサンドイッチ的贅沢風景。
雪のあるこの山、初めて見たかも。このタイプの山には残雪が映える。


今回目的の沼
全体的に水深が浅くみえるが、泥が堆積しているだけで実際は想像以上に深い。うかつに中心部へ移動するとはまってしまうし、水際の浮島付近も落とし穴のような窪地があって危険。
今年新たに目星をつけた期待の沼であるが、先日の挑戦で惨敗。
釈然としないので、再調査決行。


エゾホトケやヤチウグイの魚類がいるので、夏季に干上がることはなく、ミズグモがいてもおかしくない。
しかし、ミズグモが好むスゲがまとまって水中から生えている場所がほとんどないのは致命的。
水際ぎりぎりの浅瀬にスゲがまばらに生えているくらい。その範囲は極めて狭い。
夏になるとこの範囲は広がりそうだが、付近の葦が成長したら容易にアクセスできないだろう。

この沼、ヤゴ類がやたら多く、ゲンゴロウなどの甲虫はほとんどいないのが謎。
ミズグモが網に入らなくても、イレギュラーのゲンゴロウ類が時々入れば少しは楽しんでガサれるが、これでは早々に諦めて帰りたい気分になっても仕方がない。
水温低いので手はかじかむし、蛭が手をにじってるし、風が強いので網の中を確認しづらいし、1本の網は破損するし、ウェーダー水漏れしてるし・・・もうイヤじゃ~~。

ん?

おおっ!入った!
正真正銘ミズグモだ。
やっぱりスゲ環境じゃないとダメだね。
ちなみにゲンゴロウを狙うようなガサ方法では、偶然でない限り、普通入ってこないよ。(道東は個体密度が高いから例外だけど)


ミズグモの腹部
毛が密生しており、これで空気の膜を作ることで水中でも呼吸できる。

一回見つかればこちらのもの。ニュータイプに覚醒したかの如く「見えるぞ!わたしにもミズグモが見える!」みたいな感じで、合計9個体のミズグモを確認。
サロベツ原野の個体群が、釧路湿原や苫小牧の個体群と同種なのかは分からない。一見ではどれも同じに見えるけど。
一応サンプル確保したので、気が向いたら調べてみよう。
あ、苫小牧産、サンプル確保してなかった・・・
そもそもクモってDNA解析以外にどこ見て区別するんだろう?


カエレ!ニンゲン!
「妖怪やちぼうず」が威嚇している。
ここで屍になったら、しばらく誰にも見つからないだろうな・・・ヒグマも普通に出る、そんな場所での探索。



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