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自民党総裁選討論会の報道を読んで――安倍首相の9条改正論を支持する

2018-09-18 00:13:16 | 日本国憲法
 私は、憲法9条について、もうン十年前から、改正すべきと考えてきた。
 それは、最近安倍首相が言うように、自衛官に誇りを持って職務を遂行してもらいたいからではない。
 よく言われるように、現在の9条を素直に読めば、自衛隊のような組織であっても、保有は許されないとの見るのが当然だからである(新憲法施行当初の政府もそうした解釈だったし、だからこそ、かつて長らく野党第1党だった社会党も自衛隊違憲論を唱えていた)。

 そして、自衛隊のような最強の暴力装置が、憲法に明記されていないのは、立憲国家であるわが国にとって極めて危険であるからでもある。
 例えば、自衛隊の最高の指揮監督権を有するのが内閣総理大臣であることは、自衛隊法で規定されており、憲法には何の規定もない。
 ということは、仮に○○党が両院で過半数を占め、その党が「○○党首は、自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」と自衛隊法を改正すれば、それが現実のものとなるということである。あるいは、ポピュリスト政治家個人に最高指揮監督権を委ねることすら可能である。
 これは極端な例だが、最高指揮監督権にまで至らずとも、時の権力により恣意的な法改正がなされ、自衛隊が変質する可能性がある。それに歯止めをかけておくのが立憲主義のはずだ。にももかかわらず、こんにち「立憲」を声高に唱える人々からそうした主張が上がってこないのは不思議である。
 岩波文庫の『世界憲法集』を確認してみたが、本書に収録されている憲法のうち、わが国のほかに、軍に関する規定がない国などない(自衛隊は軍ではない? しかし軍に近いもの、いや専守防衛に限定された特殊な軍と言うべきだろう)。

 さらに、憲法と現実との乖離をいつまでも放置しておくことは、国民主権の国家として恥ずかしいという理由もある。
 国民が憲法を未だに自分のものとしていないということだからだ。
 北朝鮮や中国のように 憲法が飾りものであってもかまわないと国民が考えているということだからだ。

 今月14日の日本記者クラブでの自民党総裁選討論会で、安倍首相がいいことを言っていた(以下、太字は引用者による)。

質問者)安倍さんについてねお伺いしたいんですけど、そもそも安倍さんは、2項の削除論だったじゃないですか。変わったのはなぜなのか、これはやはりあまり現実的じゃないなと、削除に対して反対論が多い、なかんずく与党である公明党に慎重論が多い。であるならば、ここは公明党に配慮しよう、あるいは現実可能性を考えようと、ということで、2項は残したまま火種は残るけども、しかしそれは目をつむって新たな条項をつくると、こういうことだったんですか。

安倍)政治家というのはですね、学者でもありませんし、いわば評論家でもございません。いわば、正しい論理を述べていればいいということではなくて、経済においてはそれを政策として実行し結果を出していくことだろうと思います。そしてこの憲法論争において9条の問題、自民党結党以来の大きな課題であります。でも残念ながらまったく指一本触れることができなかった。国民投票に持ち込むことももちろんできない。その3分の2、衆参が発議できないからです。国民のみなさんが賛成にしろ反対にしろ、自分たちの意見を表明する機会がなかった。国会の中に閉じ込められているんです。

では、今、自衛隊の諸君が、誇りをもって任務をまっとうできる、環境を作ってくことは私の責任だと思ってます。もちろん、自衛隊日々の活動、今回の北海道胆振東部地震におきましても大変な活躍していただいて感謝しています。でも先ほど共産党の話でましたよね。共産党は明確に違憲という立場です。そして、すでに彼らはすべての憲法改正に対する行動に反対するということを明確に打ち出している。これは変わらないです、共産党ですから、そして実はさまざまな催しがあります。共産党と…共産党じゃない、自衛隊とですね、地域の人たちと。でもそういうの結構反対運動されていて、中止になったものも随分あるんですよ、実際、実態としては。ですからそういう中、そういう状況やっぱり変えていく必要がありますよね。我々は国旗国歌法を作って、それまでさまざまな問題が起こってきましたが、ほとんどなくなってきました。まあ、ですから我々の責任としては、まず与党でですね、与党で十分に、与党の中で賛成を得られるそういう条文にしていくという責任が、私は自由民主党のリーダーとしてはあるのではないかと考えたわけであります。


 また、同日午後に自民党本部で開かれた同党の青年局・女性局主催の討論会では、こんな発言があったという。

憲法改正を巡っては、石破氏が「憲法改正は(自民党の)党是だ」と明言。その上で戦争の惨禍を経験した世代が存命している間に実施したい」ものの、「スケジュール観ありきでやるべきとは思わない」との持論を繰り返した。これに対して首相は「『なぜ今急ぐのか』というのは『やるな』と言うのと同じこと」と反論した。


 全くそのとおりだと思う。
 これまで「なぜ今急ぐのか」の声の下、何度9条改正が先送りされてきただろうか。
 本来は、独立回復後にすぐさま国民に問うべきだったことだ。

 石破氏は、9条改正よりも緊急事態条項や参院の合区の方が改憲の緊急性は高いと主張していると聞く。
 確かに緊急事態条項や参院の合区も重要である。しかしこれまでの経緯を考えると、9条をこれらより後回しにすべきではないと私は思う。

 このまま安倍首相が自民党総裁に3選され、自民党が憲法改正を進めたとして、両院で3分の2を超える勢力により改正が発議され、国民投票で過半数を得られるのか、それはわからない。
 いずれかの段階で否決に終わる可能性も十分ある。
 しかし、私はそれでもかまわないのではないかと思う。
 否決が国民の意思なら、それはそれでやむを得ないだろう。
 否決があれ可決であれ、国民の手でそれが明確にされることに十分な意義がある。

 そのための近道であろう、安倍氏の総裁3選を私は支持する。
 (私は自民党員でも何でもないので、全く蚊帳の外の話でしかないのだが)
 


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朝日新聞の自衛隊「加憲」論批判を憂える(2017)

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