医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

医療の輸出、医療の輸入

2012年01月04日 | 医療・健康

「隣国」といっても、昨年末国家主席が交代した、世襲のかの国の話ではありません。

 

この正月休みに、中国経済についての本を少し読みました。

グローバルなビジネスの世界に身をおいている方には「今さら・・・」な話かもしれませんが、改めて、中国市場の大きさに恐れ入りました。
可処分所得の高い超リッチな人たちは、日本人だと上位7%として、せいぜい1000万人といったところでしょうが、中国では3000万人、つまり日本の3倍もいる。
貧富の差こそ大きいのでしょうが、この大きさは明らかにすごいです。内需の不況にあえぐ日本企業が、期待をかけるのも無理はありません。

国民1人当たりGDPもすごいことになってます。
中国全土でこそ4400ドル程度、世界92位というランクにあり、日本の約10分の1ということになりますが、急成長しているのか、1年で7位も順位を上げています。とりわけ、地域格差はすごくて、深センあたりではすでに10000ドルを超えています。一般的には1人あたりのGDPが10000ドルを超えると、富裕国(っていうのかな)と見られるようですね。そして、それは80年代の日本と同レベルです。

そして、中国は国全体としても、2000年時点のGDP1兆ドルを、2020年までに4兆ドルに引き上げる!とぶち上げている由。お国の思惑どおりに進むのかはまだわかりませんが、まるで、日本の高度経済成長の軌跡をまんまなぞっているような気がします。地域による貧富の差がかなり大きいとは思われますが、全体的にはイケイケのアゲアゲなので、国民の消費意欲もいやが上にもかきたてられそうです。

そんな中国に、他の消費財と同様、日本の上質な医療を「輸出」しよう、という動きもすでに始まっているようです。経済産業省の肝いりです。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004627/000_01_03.pdf

 

話は変わって、もうひとつの隣国である「韓国」ですが、こちらはロボット手術の普及が目覚ましいのだそうです。
日本では、ダヴィンチという手術用ロボットが稼働しているのは全国でも7台程度ですが、ネットを見ると韓国ではすでに30台ほどが稼働。
昨年末に取材させていただいた某大学病院の外科医の話では、胃がんの摘出手術をしても、5日後にはごはんが食べられるような医療がすでに実現しており、「日本はもう取り戻せないほどの遅れをとった」そうです。
このままだと、「日本からがんの手術を受けに韓国に行く、という時代も遠くない」とのことでした。
韓国でロボット手術の技術に習熟した韓国の医師を日本に招いて、腕をふるってもらうという場面もありそうですね。っていうか、もうあるのかも。

 

以上、中国と韓国についてのつれづれ、でした。

 

★中保の最近の仕事については、有限会社ウエル・ビーのホームページFacebookページをご覧ください。


いつも読んでくださってありがとうございます!1クリックの応援をお願いします
人気Blogランキング

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿