前回の続きなんですが、これが桶狭間の最寄り駅です。
古戦場に行くより、競馬場に行く人のほうが圧倒的に多いなきっと。
で、織田信長の話。
最近、立花京子さんの「信長と十字架」 (集英社新書)を読んだのだけど、これがすっごいスリリング。
立花さんの綿密な史料解読によって、これまでの教科書的な信長像とはまるで違う事実が浮かび上がってくる。
新書の割には研究書なみの内容なので、読むのが面倒な方のため激しく要約しますと(ネタバレですが)、
●信長のスポンサーには南蛮から渡来していた当時のイエズス会がついていた。
そのため当時の大名としてはとんでもなく金持ちであった。
比叡山焼き討ちは、スポンサーに対する信長のアピールだった。
→実は比叡山だけではなく、他の仏閣や石仏なども壊していたらしい。
●イエズス会は日本での布教のキーマンを信長とみて、資金提供だけでなく、
信長が掲げる「天下布武」のコンセプトもアイディアを提供した。
→これで「高邁な理想をもつ智将」というイメージが消えた。
●しかし、信長はイエズス会の期待に反して、デウスより自分の方を上に置く態度をとったので、宣教師達に見限られた。
しかも、朝廷に対しても「将軍職か関白か太政大臣のどれかくれ」とはげしく運動していたため、
これに手を焼いた朝廷が明智光秀をけしかけた。
とまあ、大筋はこんな感じなのだけれど、とにかく納得した。
最大の謎(私的に)だった本能寺の変がこれで説明がつく。
ワタクシ、本能寺が明智光秀の単なる私怨だったとはどうしても思えなかったのですよ。
だってそれじゃあいい大人があまりに単純すぎないかと。
ベースに私怨はあったにせよ、事を起こすにはそれを正当化する論理と後押しする風が要るはず。
というわけで、長年出なかった宿便が解決したようなスッキリ感でした。
それにしてもすごいのはこの立花京子氏。
もともと東京教育大学(現・筑波大)の数学で修士という才女だったにせよ、
日本史に関しては普通に家庭の主婦としてカルチャーセンターの古文書講座に9年間(!)通い、
大学のゼミに参加したりしながら独学で戦国史を研究し、
2002年に70歳で人文科学の博士号を取得している。
この人もすごいが、カルチャーセンターもなめたらアカン、と思いました。拍手。
★1クリックの応援をお願いします
人気Blogランキング
古戦場に行くより、競馬場に行く人のほうが圧倒的に多いなきっと。
で、織田信長の話。
最近、立花京子さんの「信長と十字架」 (集英社新書)を読んだのだけど、これがすっごいスリリング。
立花さんの綿密な史料解読によって、これまでの教科書的な信長像とはまるで違う事実が浮かび上がってくる。
新書の割には研究書なみの内容なので、読むのが面倒な方のため激しく要約しますと(ネタバレですが)、
●信長のスポンサーには南蛮から渡来していた当時のイエズス会がついていた。
そのため当時の大名としてはとんでもなく金持ちであった。
比叡山焼き討ちは、スポンサーに対する信長のアピールだった。
→実は比叡山だけではなく、他の仏閣や石仏なども壊していたらしい。
●イエズス会は日本での布教のキーマンを信長とみて、資金提供だけでなく、
信長が掲げる「天下布武」のコンセプトもアイディアを提供した。
→これで「高邁な理想をもつ智将」というイメージが消えた。
●しかし、信長はイエズス会の期待に反して、デウスより自分の方を上に置く態度をとったので、宣教師達に見限られた。
しかも、朝廷に対しても「将軍職か関白か太政大臣のどれかくれ」とはげしく運動していたため、
これに手を焼いた朝廷が明智光秀をけしかけた。
とまあ、大筋はこんな感じなのだけれど、とにかく納得した。
最大の謎(私的に)だった本能寺の変がこれで説明がつく。
ワタクシ、本能寺が明智光秀の単なる私怨だったとはどうしても思えなかったのですよ。
だってそれじゃあいい大人があまりに単純すぎないかと。
ベースに私怨はあったにせよ、事を起こすにはそれを正当化する論理と後押しする風が要るはず。
というわけで、長年出なかった宿便が解決したようなスッキリ感でした。
それにしてもすごいのはこの立花京子氏。
もともと東京教育大学(現・筑波大)の数学で修士という才女だったにせよ、
日本史に関しては普通に家庭の主婦としてカルチャーセンターの古文書講座に9年間(!)通い、
大学のゼミに参加したりしながら独学で戦国史を研究し、
2002年に70歳で人文科学の博士号を取得している。
この人もすごいが、カルチャーセンターもなめたらアカン、と思いました。拍手。
★1クリックの応援をお願いします
人気Blogランキング
努力家ってすごい。
そういえば前にこちらで推薦されていた、ガジュマルの木も読みました。
よかったです、とても。
Amazonのレビューで見ると「強引だ!」という意見も多いのですが、日本史研究に一石を投じた説であることは間違いないです。少しまどろっこしいところもありますが、お勧めです。
veranita
すごいですよね、立花京子さん。
立花さんの伝記が読みたい感じです。
ちなみに、veranitaさんも相当な努力家だと思いますよ私は。
検索で不妊治療の記事に辿り着き、それ以来訪問させて頂いております。
立花京子さんて、本当にすごいですね。
そこに食いついてしまいました。
私は34歳の時に大学に入り、その後、大学院の入試に失敗してから、やりたかったオベンキョーが停滞しております。。。
いくつになってもどこででも、学びたいことは学べるのですよねぇ。
すべて自分次第。。。
興味を引く記事がたくさんあるので、また寄らせて頂きたいと思います(*^_^*)
せっかくなので、fufumiさんのブログも拝見させていただきましたが、考え方に似ているところがあるのか、共感できる点がたくさんありました。
34歳で大学入学を果たしただけでもすごい!と思います。
ブックマークさせていただきましたので、私もちょくちょく立ち寄らせていただきますね。
よろしくお願いします。