ふと思い出す

2011-03-10 | 出来事
この時期(三月上旬頃)の早朝、雪に覆われたたんぼの上を歩くことが出来るようになる。
「雪渡り」とか「固雪渡り(カタユキワタリ」と言うようだが、「雪渡り」と言っていたような気がする。真冬の時は、膝はおろか腰まで入ってしまうような雪が、この時期、よく冷えた朝にはほとんど沈むことなく、どこまでも、どの方向にも走ることが出来た。もてあますほどの広さを感じながら遊んだものだった。
学校へ行く時も道路を通らず、最短距離を行くことが出来た。
先生達も雪の上を歩いたものだった。

あれは中学2年の時。一時間目、技術の先生がなかなか教室に来ない時があった。技術家庭科の教室の外には雪におおわれたグラウンドがあり、ほとんどの生徒がその上を走り回って遊んだ。グラウンドの先に斜面があり、中には下敷きを尻にあてがって滑って遊ぶ者まで現れた。
大半の生徒は適当に切り上げて教室に戻ったが、約10人ほどが、先生が教室に入ってきたのも知らずに遊んでいた。
軍隊あがりで、太平洋戦争をくぐり抜けてきたその先生の怒ったのなんの。
その10人ほどを教室に入れ、一列に並べ「足を開け!腹に力を入れろ!歯を食いしばれ!!」と大声で号令を掛け、思いっきりビンタをくらわしたものだった。
今なら暴力教師として、一発で退場となったことだろうが、当時はそれが当たり前だった。
この時期、よく冷えた朝になると、雪の上で遊んだことと、ふとその情景を思い出す。