ガウスの旅のブログ

学生時代から大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。現在は岬と灯台、歴史的町並み等を巡りながら温泉を楽しんでいます。

紀伊山中の旅③

2018年11月24日 | 旅行
早朝起きだしたが、外がとても寒そうなので、恒例の朝の散歩を取りやめて、朝風呂に浸かって、体を温めることにした。ほんとうに心地よい硫黄泉(硫化水素型)で、浴後もポカポカしている。
 朝7時から朝食を取り、早めに「中村屋」を出て、国道168号を北上したが、この道は改良されて走りやすい部分とカーブが多く道幅が狭い部分が混在している。注意しながら運転していき、谷瀬の吊り橋に立ち寄っていくことにした。
 有料駐車場に車を入れ、吊り橋上を歩き始めたが、とても高さがあるので足がすくむ。真ん中近くまで来たが、怖くなってきたので、引き返すことにしたが、村の青年はこの吊り橋上をオートバイで走ると聞いて驚く。とはいっても、眺望は素晴らしく、橋上から何回かカメラのシャッターを切っておいた。
 車に戻って、再び北上を開始し、旧西吉野町を過ぎるあたりからは、徐々に開けてきて、紀伊山中を抜け出した。五條市街地へと入ってくると家並みも増え、市役所の駐車場へ車を入れたが、土日祝日は無料開放と書かれている。
 ここから、少し南へ歩いて、国の重要伝統的建造物群保存地区の五條新町を散策しようと考えたのだ。パンフレットによると中世に成立した町場を起源とする五條と江戸時代初めに整備された二見城の城下町に由来する新町の2地区で形成されているとのことだった。古い家並の続く新町通りを西へと歩いていくとコンクリート造りの線路橋が目に留まる。解説版によると五新鉄道跡(国鉄により五條から新宮へと計画された未成線)とのことで、とても興味を持った。滞在交流ラボ「標」までいって引き返し、新町橋近くの「まちなみ伝承館」と「まちや館」を見学したが、いずれも堂々とした造りの民家で、入館無料なのがよかった。さらに東へ歩いて新町口まで行って、引き返し、市役所の駐車場へと戻っていく。
 今日は、3連休の中日で秋の行楽シーズンで、天気も良いので渋滞が心配される。そこで、早めに帰途に就くことにして、ルートを検討したが、飛鳥から桜井へ抜け、国道165号で県境を越えて、三重県へ入っていくことにした。
 桜井市内のファーストフード店で昼食を済ませ、国道を東へと走ったが、結構混んでいてなかなか思うようには走れなかった。そこで、青山峠を越え、榊原温泉を過ぎたところから左折し、スーパー農道「グリーンロード」を走ることにする。さすがにこの道は空いていて、軽快に走り続け、亀山市域から国道306号に乗り換えて、北上していったが、愛知県に入り、帰宅するまでには結構時間がかかってしまった。

紀伊山中の旅②

2018年11月23日 | 旅行
早朝起きだして、少し明るくなってから洞川温泉街を散策してみることにしたが、標高も高く、かなり冷え込んでいるので、防寒対策をしっかりして、宿を出た。
 この温泉街は、とてもレトロな雰囲気が漂っていて、昭和時代前期の町並みを感じさせる稀有なところとなっている。今でも数は減ってきているものの、毎年5月から9月まで大峰山参拝の白装束の人々が団体で訪れているとのことなので、昔の風情を保っているのであろう。古いながらも、荒廃した様子がなく、「陀羅尼助」や「温泉宿」の看板が活きている気がする。そんなことを考えながら、町並みを巡り、気に入った風景をカメラに写しつつ、ゆっくり歩いていたが、結構寒さを感じた。それで、40分ほどで旅館へ戻り、朝風呂に浸かって、体を温めた。
 朝食後、「紀の国屋甚八」を出立したが、心和む温泉街だった。虻峠を越えて、国道309号へ出て左折し、行者還ルートに挑むことにしたが、近畿三大酷道の一つといわれる悪路と聞いていたので、気を引き締めて運転することとした。
 舗装はされているものの、道幅は狭くなり、乗用車一台がやっとで、カーブが多いのだがガードレールすらない区間もある悪路だ。慎重にハンドルを回しながら、進んでいったが、崖下に転落したらひとたまりもないと思うとゾッとする。それでもなんとか、トンネルを越え、ヘアピンカーブの下り坂も乗り切って、国道169号まで出ることができ、ホッとした。
 その後は、紀伊山中の深いV字谷となった北山川沿いを南下していったものの、道路はとてもよくなっていて、安心して車を走らせることが出来る。途中から、池原ダムによって形成されたダム湖の縁を走ることになったが、なかなか良い景観を見せてくれた。しかし、ダム湖に沈んだ村々もあるかと思うと景色を愛でているばかりではいられない。
 ダムサイトの公園で小休止してから、再び車を走らせ、桃崎集落から右折して北山村方面へと向かうとまた道が細くなって、カーブが増えた。それでも、なんとか乗り切って、道の駅「おくとろ」で再び休憩を取った。ここは、日本で唯一飛び地となっている村で、和歌山県に属するものの、周囲はすべて奈良県と三重県に囲まれている。道の駅には、「飛び地の村訪問証明書」なるものが置いてあったので、一枚いただいて記念とした。
 休憩後は、再び国道169号を南下したが、時々車窓から見える瀞峡の景観はなかなかのもで、途中車を停めて、カメラに収めておく。熊野川の宮根橋を渡ると国道168号線へと出て、左折して熊野本宮を目指した。
 昼前には、熊野本宮大社の駐車場に車を入れ、参拝をすまし、宝物館を見学してから、門前町にある食堂の一つ「しもじ大宮店」に入って、昼食をとった。その後、大斎原へいって、熊野本宮大社旧社地を見たが、1989年(明治22)8月の大水害までは社殿が建ち並んでいたところとのことで、現在はパワースポットの一つとして人気があるらしい。
 それからは、湯の峰温泉へと向かう熊野古道を少し歩いてみようと思ったが、入口から階段続きで、急斜面を登らざるを得ず、すぐに引き返してきてしまう。
 今度は趣を変えて、山中の秘湯に浸かることにし、国道168号を北上し、十津川村を目指したが、以前来た時より、道路が改良されているようにも思った。しかし、国道425号へ左折するところを間違え、山道に迷い込んで、どんどん高度が上がって行ってしまい、熊野古道の果無峠まで達してしまった。
 仕方がないので、Uターンして国道168号まで戻り、再び425号へ入りなおした。少し進んでから、県道735号に入ると上湯川沿いの悪路となり、再び慎重にハンドルを切りながら、谷底にある上湯温泉の露天風呂へとたどり着いた。入浴料500円也を払って、入れさせてもらったが、実に開放的な浴槽で、上湯川が間近に見える。泉質には、硫黄を含んでいるようで、硫化水素臭がしたが、ぬるぬる感も充分あって、とても心地が良い。いつまでも浸かっていたい気分だったが、適当に切り上げて、来た道を戻っていった。
 国道168号に復してからは、さらに北上し、十津川村の中心部へと入っていき、村役場の駐車場に車を入れて、道路の向かい側の高台にある村立歴史民俗資料館を訪ねた。ここの展示で、熊野本宮社殿を押し流した1989年(明治22)8月の大水害が、十津川村にも甚大な被害を与え、家や田畑の流出がおびただしく、生計を立てるために北海道へ集団移住して、新十津川村が出来たことを知る。歴史はいろいろなところでつ繋がってくるのだ。
 見学後は、近くの道の駅でお土産を買ってから、今日の宿のある湯泉地温泉へと向かった。ほんの5分ほどで、予約してあった「中村屋」へと到着したが、こじんまりとした宿であるが、女将さんの応対はていねいで、好感を持つ。
 2階の部屋に荷物を置いてから、まず浴場へと行ってみたが、内湯だけではあるものの、とうとうと源泉がかけ流されていた。入浴してみると肌触りがよく、ぬるぬる感が強くて、心地が良い。硫化水素臭もして、山奥の温泉らしいムードがしてとても気に入る。浴後、しばらく部屋で休んでいると、階下の食堂で夕食の準備ができたと呼ばれた。行ってみると牡丹鍋の用意がしてあり、豪快に猪肉が並べられていて、岩魚の塩焼きも付いている。お酒を冷で2合頼み、ぐつぐつと煮え立つ鍋を賞味しながら、上機嫌となった。
 食後は、部屋に戻り、横になってテレビを見ていたら、まどろんできたので、床に就いた。
続く

紀伊山中の旅①

2018年11月22日 | 旅行
今日から、2泊3日で紀伊山中を旅することにして、自家用車で出発したが、天気は曇っているもののまずまずだった。東名阪自動車道から西名阪道に入ったところで、この先で事故渋滞があるとの表示が出ていたのが、気になってくる。仕方がないので、伊賀インターで一端下に降りて、その区間を回避することにした。
 渋滞区間を通り過ぎて、友生インターから、再び西名阪道に復し、その後は順調に走って、針インターで下り、国道369号線を南下した。途中で国道370号線へと乗り換え、さらに南下して、大宇陀の町並みへと入ってきた。
 そこの道の駅に車を駐車して、徒歩で散策してみることにしたが、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているだけあって、レトロな建物が並んでいる。最初に、まちづくりセンター「千軒舎」を見学したが、この街並みが戦国時代から江戸時代前期に城下町として形成されたことが知れた。その後は、街道沿いの商人の町として栄え、薬草や葛、和紙などの商いでにぎわったとのこと。
 町並みには、立派なうだつの上がった商家もあって、なかなか見ごたえがある。そんな中の一軒森野旧薬草園を見学していくことにした。ここは、吉野葛の生産と薬草の販売で繁盛したとのことで、今でも吉野葛を商っている。広い邸内には、斜面状の薬草園があり、今でも約250種の薬草が植わっているそうだ。じっくりと園内を散策したが、斜面の上り下りで疲れたものの、紅葉がきれいだった。
 見学後は、ちょうど昼時になっていたので、近くにある「宇陀牛の丼・件(くだん)」という店に入って、牛丼を食べたが、独特の味付けで、美味しかった。食後は、「薬の館」という建物も見学したが、「藤沢薬品(現:アステラス製薬)」の創業者の家とのことで、薬に関する展示に見ごたえがあった。この地を拠点として発展していった製薬会社がいくつもあったとのことで、興味が沸く。
 それからは、道の駅に戻って、車で国道370号を南下し、下市町から国道309号に乗り換えて、どんどん紀伊山中へと入っていった。新川合トンネルをくぐって、天川村へと至ったが、道路も随分改良されているようだ。
 村役場の近くから県道21号線へと入り、虻峠を越えて、洞川温泉街へたどり着いたが、標高も800mを超え、肌寒さを感じるようになる。最初に、面不動鍾乳洞へ行ってみようと車を駐車してから、モメレール「どろっこ」に乗り込んだが、大木を輪切りにしたような面白い形をしていた。これは、とにかくゆっくりと急斜面を登って行って、鍾乳洞の前へと運んでくれる。洞内は30分ほどで一周出来たが、細やかな鍾乳石が随所にあって、印象に残った。
 その後、再びモノレールで下ってきてからは、龍泉寺と村立資料館を見学したが、意外なことに雨が降り出してきた。それでも、まだ宿に入るには少し早かったので、車で峠下って、天河大弁財天社を参拝してくることにする。ここは、芸能の神様として有名で、浅見光彦探偵が登場する「天河殺人事件」(内田康夫著)の舞台ともなっていて、興味深かった。
 再び洞川温泉街へと戻って、今日の宿「紀の国屋甚八」へと入ったが、創業300余年とのことで、レトロな建物で、気に入る。まず、温泉へ入ったが、ちょうど良い湯温で、長途のドライブの疲れを癒してくれた。その後、別室での夕食となったが、川魚や山菜など地のものばかりが並び、お酒も頼んで、美味しく飲みかつ食べる。食後は、明日のコースを考えながら寝てしまった。
続く