自己責任

 当然のことだが、自身の判断による行動の結果に対しての責任は自身が取る。取り分け、通常では有り得ない、大方の人が避けるであろう、常識的に危険・リスクを伴う行動をする場合にはこの自己責任が前提となる。

 事故=危険が付き物のモータースポーツ。郷秋<Gauche>は30代前半からの10年程、モータースポーツの底辺カテゴリーであるレーシングカートを楽しんだ。当然事故の可能性がある危険なスポーツである。だから正式なライセンスを取得し、専用のサーキットをヘルメットはもとより事故の際のリスクを低減させるレーシングカート専用のスーツ、シューズ、グローブを着用して走行した。走行料金の20%程度の、障害と賠償を担保する保険に加入しないと走行出来ない仕組みだった。

 クルマは誰もが運転する便利な機械だが、事故により自身の怪我や賠償責任が発生する可能性が少なくない。だから自賠責に加入し、更に決して安くない任意保険にも加入する。レーシングカートを楽しんでいた時期と重複するが、毎年夏の一時期、後輩の大学生を自分のクルマに乗せてかなり無茶な運転(より短時間での移動が求められた)をすることがあったけれど、その際には更に上乗せの保険に加入した。万が一の際にも自己の責任において対応できるようにするためである。

 あくまでも判りやすい例としての話だが、初詣の明治神宮でひったくりにあったとすれば、大抵の人は「災難だったね」と慰めてくれるだろうか。入っている保険の特約により損害も補償されるかかも知れない。でも、同じ正月休みに三千メートル級の山に登っていて遭難したら、政情不安による危険があると渡航に関する情報が出ている国に出かけて事故にあったら、誰もが認めるハイリスクの金融商品に手をだして損をしたら・・・

 ひと口に「自己責任」と云う事は簡単ですが、その人のその行動には複雑な経緯が、止むに止まれぬ事情があるかも知れません。個々の事例について十分な情報を持たぬ第三者が軽はずみな発言をするべきではないのは当然のことですが、危険な行動に対しては自己責任と云う考え方をベースにおくべきなのではないでしょうか。誰かが、あるいは制度が組織が国がどうにかしてくれる「かも」知れないけれど、基本的な責任は自身が負う。少なくとも郷秋<Gauche>自身はそうありたいと思いますね。

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