満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『崖の上のポニョ』

2008-07-14 02:48:07 | 映画

皆様ごきげんよう。「世界の車窓から」、今日もカニャクマリに着かなかったんだぜ・・・バ、バカな・・・トリヴァンドラムから30分て言ってなかったか?それともこれがインドクオリティですか。それとも蜃気楼的なアレですか。


さてさて、溜めていた試写会レビューも今日で最後です。
最後はこの夏の話題作、スタジオジブリの宮崎駿の4年ぶりの監督作品、『崖の上のポニョ』ですよ。


海辺のとある街。崖の上の一軒家に住む5才の宗介(声:土井洋輝)は、小舟を浮かべに行った波打ち際で、ビンに上半身が詰まってぐったりしているさかなを見つける。宗介はビンを割ってさかなを助けてやり、ポニョ(声:奈良柚莉愛)と名づける。優しくしてもらったポニョは宗介を好きになるが、もと人間で今は海の住人となった父、フジモト(声:所ジョージ)に無理矢理連れ戻されてしまう。人間は恐ろしいし忌まわしいから関わるなと言われても、ポニョは宗介とおなじ人間になりたいと願う。宗介と出会った時、怪我をした手からその血を舐めていたポニョは、その血の力と自らの願いの強さで、人間の姿に化けることに成功する。

ポニョの扱いに悩んだ父がその場にいない母(声:天海祐希)に会いに出かけた隙に、妹たちの協力を得て逃げ出したポニョは、父が溜めていた魔法の薬を盗み出し、そのまま宗介に会うために陸を目指す。しかし、ポニョと妹たちが陸を目指したせいで、海は大荒れとなってしまい、港町のほとんどが沈んでしまう。

大時化の中、車で家に帰る途中に出会ったポニョをさほどの疑問も抱かず受け入れた宗介の母・リサ(声:山口智子)だったが、子どもたちの面倒をみて、海がやや落ち着くと、自分の勤めるデイサービスに居るお年寄りを心配して、宗介とポニョを家に残して出かけていく。
翌朝になっても戻らないリサを心配した宗介は、ポニョと一緒にデイサービス施設を目指すが・・・?

というようなお話。



わたしは前回のジブリの作品『ゲド戦記』に大変失望したので、今回、息子さんのほうではなく宮崎駿氏が監督するとはいえ、あまり期待しないでおいたほうが無難なのかも、と、複雑な気持ちで観に行ったんですが・・・。


いやあ・・・面白かったです。疑ってごめんなさい駿氏。


考えてみれば同じ会社の作品だからって監督が違えば作風も違うのは当たり前なんですが、前作をあの状態で公開黙認したということを考え合わせると・・・などと考えていたので、なんかほっとしました。

安心して楽しめる映画。そのひとことに尽きます。

今までのジブリ作品としては「トトロ」に一番ノリが近いです。舞台は現代日本ですが、ジャンルはファンタジーなので、何が起きようと「ちょ、待て待て」とか突っ込まず、「あら大変」とか「まあまあ」とか見守るような感じで観るといいと思います。いくらなんでも大人たちファンタジーをあっさりと受け入れすぎとか思い始めるとキリがありません(笑)。この世はすこしふしぎで満ちているのだよ!だからいいの!

主役が5才の男の子と同じくらいの年頃(という設定らしい)のポニョなので、子どもの声と仕草の愛らしさを満喫できる作品です。宮崎駿の描くお子様は本当に可愛い。宗介は5才にしてはしっかりしすぎているとしか言いようがないですが、それでも子どもらしいところがたくさんありますし、ポニョはさかな出身なわけですから、やることなすことフリーダムです。それがいちいち可愛くて。
そうそう、ポニョはさかなから人間になるまでにもう一段階その中間みたいな状態があるんですが、その状態だとカエルみたいな顔なので、そのあとちゃんと人間の姿になると一層可愛く感じてしまいます。

ちょっとだけネタバレになってしまいますが、公式サイトトップのポニョの画像が「さかな」の状態のポニョなんですが、ごめん、正直わたしさかなには見えなかった。だから宗介がポニョを見つけた時「あっ、金魚だ」とか言ったのにも「え?」と素で思ってしまいました。そのあとデイサービスのおばあちゃんのひとりにとある言葉でポニョをけなされるんですが、わたしはむしろ「ですよねー」と思ってしまいました。まあ、ここは笑いどころなんでしょうけど。


今回はアニメが全部手書きだそうで、そのせいか色彩が柔らかくていい感じがしました。
映像から受けるわくわく感は、やはり日本のアニメーションを代表する人だよなあと思わずにはいられませんでした。ごめん監督疑ってごめん。

でも正直、もう原作つきには手を出さないほうがいいと思う(正直すぎる)。ご自身の作品でいいのたくさんあるじゃない。ナウシカ完全版やればいいじゃない。どうしてもやるのであれば、監修くらいの立場で製作に関わってもらい、原作者本人も口を出せる状況にしてくれれば原作ファンの諦めもつくというものです(諦めとか言うな)。


そういやこの作品、製作発表があった超初期には、「子どもを育てなおす話」とか言われていた気がしましたが、それは結局なしになったのかな?強いていえば宗介とポニョが大水後の海上で赤ちゃんを連れた夫婦と会い、赤ちゃんと絡むシーンがそれだったのかも。なんか長かったもんなあのシーン。あの赤ちゃんだけ作画的に浮いてる気がしたのは気のせい・・・?
しかしその時わたしの頭に浮かんだのは「暖かいでしょう、これが命よ!!」(※『北斗の拳』ユリアの名台詞)でした。・・・もう駄目、わたしの頭はほぼ世紀末救世主伝説で占められています。

今回はレディスデーで行っとけとか言いません。ちゃんとお金を払っても大満足して帰ってこられると思いますよ。
でも主題歌が頭の中をぐーるぐるするのは仕方ないと諦めて下さい(笑)。
コメント
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