忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

朝日新聞記者になる要件

2012年01月23日 | 過去記事






朝日新聞の採用ページ。そこに「Q&A」がある。上から三つ目の質問は「文章力がなくても記者になれますか」だ。天下の朝日新聞社の答えは「なれます」とのことだ。その後にこうある。<なれます。新聞記事はエッセーとは違います。大切なのは、どう書くかというよりも何を書くか、です。「記者に必要なのは取材力9、文章力1」という人もいるくらいです。書く訓練は、入社後にいくらでもできます。まずはチャレンジしてください>

噴き出した。「採用ページ」には幾人かの「先輩記者」の顔と名が貼付してあるが、それらの成績優秀、秀才上がりの朝日新聞記者様が憧れる大先輩、例えば本田雅和などは「NHK政治圧力事件」で何をどう取材したのか。「NHK・女性国際戦犯法廷」という吐き気を覚える番組に対し、安倍晋三氏と故・中川昭一氏がNHK幹部を呼びつけ「ヤクザまがい」の恫喝で番組を改編させた、NHKは国会で予算が承認されるかどうかの時期だった、だから幹部は泣く泣く圧力に屈し、番組の内容を切り刻んで放送したのだ、と書いたが、それがそのまま嘘だった。

同じ頭の赤い者同士、そうだったのか、と狂った番組を作ったNHKのプロデューサーは「政治家も悪い、圧力に屈した海老沢会長(当時)も悪い」と記者会見で涙を流した。しかし、両議員はもちろん、これをNHK幹部も否定した。ンなこたぁないと。だからNHKはこの件を「朝日新聞虚偽報道問題」とわかりやすく報じたが、すぐに朝日新聞から抗議があった。同じ反日組織、赤い仲間じゃないか、敵は日本と自民党じゃないか、ということで、NHKは「虚偽報道」の部分を取り除く仲間意識も見せた。

中川昭一氏が呆れて「手元にNHK職員との面会した議員録が残っており、朝日新聞社に安倍を交えた公開討論を請求し、裁判も辞さない」と言ったら本田は音信不通になった。どこでなにをしているのか、と心配していたら、本田はNHK元放送局長だった松尾武に電話していた。同じ反日組織じゃないか、口裏を合わせてくれ、と言っていた。松尾武はコレを断ってバラした。この人は演出家でもあって、大河ドラマの「風と雲と虹と」とかドラマ小説の「虹」とか「虹を織る」なども手掛けている。「虹」に携わる人間はつまらぬ嘘をつかない、と「虹の会」副会長の私が言っておく。もうすぐ新年会である。

―――文章力がなくても新聞記者になれますか?には「なれます」なのだろうが、朝日新聞の場合は<取材力0文章力1捏造力(想像力)9>が必要となる。火種がなければ放火してでも日本をくさすのが仕事だ。1989年には日本の悪口に困り、朝日新聞記者は自分でサンゴに「KY」と落書きして写真を撮った。それで「八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを瞬時に傷つけて恥じない。精神の貧しさの・・・・すさんだ心の・・・にしてもKYって誰だ?」という記事が1989年4月20日の夕刊に掲載された。<取材力0文章力1捏造力(想像力)9>の堂々たる作品だ。

地元ダイバーも不思議に思った。KYって誰だ?となったかどうかはともかく、海を愛するはずのダイバーが何の理由があってサンゴに傷をつけるのか、と調べてみたら、やっぱり嘘だった。朝日新聞は謝罪したが、最初そこにも嘘を散りばめた。傷はあったのだと。でも、それが見え難いからカメラのストロボの柄でこすった。白い石灰質をさらに露出させるためで、それは撮影効果を上げるためだったとやった。こういうのを「悪あがき」という。

それでもダメなモノはダメなのだが、なんとこれも嘘だった。地元ダイバーらは猛抗議、サンゴにはもともと傷も何もなかったとバレる。朝日新聞はようやく1989年5月20日の朝刊で年貢を納める。謝罪文はこうだ。

<四月二十日付の本紙夕刊一面に掲載された「サンゴ汚したK・Yって誰だ」の写真撮影について、朝日新聞社はあらためて真相調査を続けてきましたが、「KY」とサンゴに彫りこんだ場所に以前から人為的な損傷があったという事実は認められず、地元ダイバーの方々が指摘されるように、該当カメラマンが無傷の状態にあった沖縄・西表島のアザミサンゴに文字を刻みつけたとの判断に達しました>

「本田姓」に他意はないが、やったのは東京本社写真部員(当時)本田嘉郎だ。本田でも本多でもいいが、朝日新聞の名と連動すれば気をつけたほうがいいかもしれない。「マイク・ホンダ」という亜種もいる。

朝日新聞が早く風化してほしい「KY」だったが、これも安倍政権から「KY(空気が読めない)として広まった。巷でも「おまえはKYやなぁ」とかやっていた。「空気なんて読まない」と主人公に言わせるドラマもあった。「安倍しちゃうかも」とか「そんなの関税ねぇ」は誰も言っていなかったが、実際に「KY」は市民権を得ていた。朝日は困って日本語学者の金田一秀穂に「また、昨今よく耳にする「KY」という言葉についても、「ローマ字書きにして、その頭文字を取る」という方法については、なんとも野暮ったい作られ方の言葉だとしながらも、取り上げたマスコミが勝手に騒ぎ立てただけであって、実際に若者たちの間で使われているのかと疑問を呈している」と書かせる。頼むから「KY」を忘れてくれ、という朝日新聞の切望が伝わる。

金田一秀穂の祖父は石川啄木の親友で、あの有名な「金田一京助」である。国語辞典の人だ。横溝正史の小説に出てくる探偵の名のモデルにもなる。お父さんの「金田一春彦」も立派な人で<言葉は時代とともに絶えず動いて変化する>が持論だ。金田一秀穂も朝日なんかに毒されてないで、ちゃんと学者らしく<取り上げたマスコミが勝手に騒ぎ立てただけであって>で済まさず調べてほしいモノだ。「KY」も春彦が言う<言葉は時代とともに絶えず動いて変化する>に基づいているかもしれない。そして、ちゃんと調べれば「朝日・サンゴ・KY」にも気付くことになる。ならば「空気を読んで」朝日新聞なんかの仕事は断るようになる。偉大な祖父、父親に近づく。

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