忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

クラリネットが壊れているのではなく、その演奏者が・・・

2011年02月21日 | 過去記事
1800年代前半、フランスの貧しい食料品店の息子ガンベッタは、町にある洋服屋さんに働きに出る。15歳のときだ。

しかし、すぐに戻って来て「あの仕事はボクには向いていない」と言った。父親はブチ切れてぶん殴るが、母親は優しく理由を問うた。ンじゃ、どんな仕事が向いてるの?

「ボクは政治家になって国をよくしたい!」

それにはどうすればなれるの?

「300フランもあればパリに行く。そこで仕事をしながら勉強して、必ず、立派な政治家になるんだい!」

よっしゃ!わかった!オカンに任しとき!

次の日、ガンベッタ少年の前には300フランが並べられた。今の日本の通貨価値で言うといくらかわからんが、ま、ともかく、ぶっ飛ぶ大金だ。

「こんな大金どしたの?」

借りたに決まってるやんけ。

「でも、我が家には担保になるようなモノは・・・」

母親は「自分の舌」を担保に300フラン借りていた。我が子の夢を叶えるため、我が子の大いなる志を果たさせるため、この母親は「舌」を担保に入れた。

オ、オカン・・・(泣)わ、わい、やったるで!









後のレオン・ガンベッタである。彼は第三共和政の13代目の首相になった。




彼の名を冠した巡洋艦もある。銅像もあった。

間違いなく、彼は「フランスの英雄」として称えられた。







それから100年ほどが過ぎた日本。1947年の東京都小石川区にある「とある超金持ちの家」に産声を上げたのがいた。彼は学習院初等科、中等科を卒業すると小石川高等学校を経て、東京大学工学部にて応用物理と計数工学を学び、その後、スタンフォード大学ではオペレーションズ・リサーチを専攻、PhDを取得して「博士」となった。その後は日本に戻り、1976年には東京工業大学の助手、1981年には専修大学の経済学部助教授に就任。その3年後、彼はついに政界に飛び立った。










Take HEART――――後の第93代内閣総理大臣・鳩山由紀夫である。





彼はフランスのガンベッタのような貧乏べったではなく、還暦を過ぎても母親から毎月1500万円を受け取り続け、しかも、それをまったく知らなかったわけですから、というほどの金持ちながら、なんと、贈与税も支払っていなかったというほど、筋金入りのアレであった。

また、彼の母親は「自分の舌」を担保に入れるどころか、この由紀夫にくっつけて世に出した。いわゆる「二枚舌」である。私は感動を禁じえない。この世とはすべからく修行の場である。これほどの資産があり、これほどの経歴があり、これほど、否、自分で言うほどの「恵まれた家庭」に育ちながら、普通の頭の人からは一切、羨ましいと思われない、のである。明日の朝起きたら由紀夫な!とか言われたら、それだけは止めてください、沖縄旅行とかできませんし、となる「思い」を伝えたいのだ。

朝日新聞から叱られ、毎日新聞からは怒られ、読売新聞や産経新聞からは呆れ果てられ、テレビで馬鹿にされ、ラジオで笑われ、ネットでは玩具にされ、自分の金で作った政党の執行部からは邪魔ものにされ、反小沢派からは虐められ、小沢派からは困られている。

沖縄で嫌われ、徳之島で追われ、北海道では裏で悪口を言われる。

支那には舐められ、朝鮮には軽んじられ、アメリカには馬鹿にされて、露助には長男を人質に差し出した。琉球新報には、総理大臣を辞めてからも「万死に値する」と書かれ、朝日新聞にすら<鳩山氏の発言―「方便」とは驚きあきれる>と突き放され、現職時代にはワシントンポストから<愚かで最大の失敗者>とまで書かれた。現職の総理が他国の新聞にここまで書かせるのである。もう、こうなったら宇宙しかない!とか思ったら、嫁さんが先を越していた。もう高齢者だろうに、人前で「金星に行ったことがある!」とは難儀な嫁さんであるが、嫁さんの奇天烈ぶり・・は、ま、まあ、いい。





「鳩Cofe」というブログがある。鳩山由紀夫のブログらしい。もう「鳩のマーク」が「閑古鳥」にしか見えないが、たまには覗いてあげて欲しい。この鳩、じっと見ていると、10秒に一度くらいで羽ばたく(泣)。






そこにはこう書いてあった。


<私は、以前、目指すべき指導者像はと問われて、オーケストラの指揮者とお答えしました>



なんとも見事なものだ。でも、たしかにその通りだ。指揮者は「指揮棒」を上下に振ってテンポを刻む。横の動きは戒律や音高を導く。ならば、この子が「指揮棒」を振っていた8ヵ月間、日本の「オーケストラ」は、さぞかし困ったことだったと察しもつく。



見よう見真似で楽しそうに指揮棒を振っていたはいいが、オーケストラの中にはバカバカしくてバイオリンを放り出す者もいた。残って演奏しているのは、中学生がサボりまくる吹奏楽部レベルだった。本人も指揮棒を振りながら「パパにもらったクラリネット」を吹くが、笛吹けど踊らず、ドとレとミとファとソとラとシの音が出なぁい!とっても大事にしてたのに、壊れて出ない音がある。どーしよ、どーしよ、オ!パ・キャマラード パ・キャマラード オパオパオパ!と狂ってしまって辞めた。

この総理大臣までやった子は「どーしよ!どーしよ!」と言いながら阿呆を晒してしまったが、この子の周囲の優しい人らや、心ある日本国民ははちゃんと「オ・パ・キャマラード!(リズムをとりなさい!)」と教えてくれていたが、この子は「国民が聞く耳を持たなくなった」とかで、まったく聞く耳を失っていた。文句ばっかりと人の所為ばっかりで「ドとレとミとファとソとラとシの音が出なぁい!」と馬鹿を言っているが、ならば、ド#とレ#とファ#とソ#とラ#の5音が出るのだから、5音音階の曲を演奏する事は可能だということも知らずに、この子は高級品のクラリネットを捨ててしまった。

つまり、素人だった。「子供の遊び」の範疇で政治をやってしまった。前の「指揮者」は、専門家の評価はともかく、人気があるかどうかはともかく、それなりのシンフォニーを奏でていた。しかし、この子が作った「政権交代用の政治団体」はクラブ活動のレベルで政権を盗ってしまった。金目当てに集まっただけの連中は、この世間知らずをもっと利用しようとして総理にまでしたのだが、予想以上にアレだったためあきらめた。

プロのオーケストラを率いて演奏を行う指揮者は、そもそも「音楽のプロ」である。これが「わたしはモーツアルトはやらないと言っていたが、学ぶにつれて、モーツアルトの交響曲は41あると知った」では困る。しかも、その後に「アレは方便だった」とか意味が通じない。だが、事実として、このような素人が8ヵ月間も日本の指揮棒を振り、観客やら関係者やらを唖然とさせたわけだが、なんとも、驚くのはまだ早いみたいである。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110220-00000433-yom-pol
<鳩山前首相が釈明「方便とは真理を導く手段」>

<民主党の鳩山前首相は20日、北海道伊達市で開いた自らの後援会会合で、米軍普天間飛行場の沖縄県外移設断念の理由に海兵隊の抑止力を挙げたのは「方便だった」と発言したと報じられた問題について、「方便とは、真理を導くための手段(という意味)だ。真理、すなわち(名護市)辺野古への移設へ導く手段として、抑止力という考え方を言った」と釈明した。出席者からは「(発言は)慎重にして欲しい」などの苦言も出た>




この子はいつもそうだ。しかし、こんな「世間を舐めた戯言」はお母さんにしか通じないと知るべきだ。オバマにも通じなかっただろう。これを周囲にいる提灯が「宇宙人」などと囃すから、この子はそれを本気で受け取って育ってしまった。だから、どこでもなんでも得意気にやる。「政治家の言葉の軽さ」などと批判するメディアが気の毒なほど、無邪気に振舞う。また、今こそ日本の有権者にこの言葉を贈りたいときはない。



政治家のレベルは国民のレベルを超えることはない。



もちろん、こんなのを党首に何度も掲げ、あまつさえ総理大臣にまでした民主党の連中のレベルは言うまでもない。また、鳩山由紀夫を総理から引きずり下ろした議員の過半とは、先の参院選にて改選対象となる議員ではなかったか。つまり、我が身かわいさ故の「鳩山おろし」が国民無視で公然となされていた。昨年の夏、既に民主党の詐欺はバレはじめて、何もなくとも「逆風」とやらが結構な勢いで吹いていた。それを防ぐ「風除け」にされたのが前総理のこの子だったわけだ。これでよくも自民党の「麻生おろし」を批判していたものだと感心するが、その後の民主党の無様はそれだけではなく、それから代表選を経て「小沢一郎」を中心にまた揉めている。更には、最近の日本国民は日本海側や東北地方で雪下ろし、九州では火山灰を屋根から下ろしているが、永田町では「菅おろし」が真っ盛りだ。どれも「邪魔」で「迷惑」な話だが、見方を変えれば雪は綺麗だし、火山灰はガラス細工になったりもするから、やはり、最もやっかいなのは「最後の」だったりする。

民主党に投票した人は、鳩山由紀夫を見て笑っている場合ではない。怒っている場合でもない。これが「前総理です」と世界中に宣伝されている事実を鑑み、精一杯、いまのうちに赤面しておくべきだ。それがせめてもの正常な反応だ。



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