レオ・カナー教授により最初に報告
自閉症の特長は注意欠陥多動性障害、学習障害の子どもたちと重複している
シングルフォーカス:ひとつのことに焦点が当たると、他のことは、なにもみえなくなってしまうかのような状態になってしまうこと
想像力を働かせることができない
相手の立場になってものを考える、相手の立場を理解するということができない
衝動的に行動する(周囲からの影響を想像することができない)
表現として
「行く道には狭いスポットライトが当たっているよう」(自閉症の両親)
「自閉症の子は時間と空間の中に自分を位置付けられない」
「自閉症の子たちからは、私たちの世界に近づいてくることはできないので、私たちが相手に近づいていくしかない。そして無理のないやり方で、だんだんこちらの世界に誘導してあげる」(ローナ・ウィング)
転動性(同じではないが多動性と重複しやすい)
同時に二つのことを処理できず、関心がつぎつぎに移り変わっていく
関心が移り変わる一方、しばしば固執、執着、こだわりを示すこともある
⇒ 関心の移り変わりとこだわりはシングルフォーカスという点で同じこと
時間的な記憶が苦手で具体的な目に見えるもので(空間的)記憶をするため、ものが目でみえるように指導する方法で物事を教える必要がある
具体的に苦手なことの例
・授業中に先生の話を聞いてノートを取る(聞く、記憶する、書くなどを一緒に行う作業)
・授業中に先生の話に集中する(雑音などの刺激で関心がそちらに移ってしまう)
・運動会でかけっこを走る(ゴールするまでに周囲に関心が移ってしまう)
・遊戯で動物の真似をする(想像することが苦手で、ふりをするという概念を持たない)
・授業中と休み時間を区別する(同じ場所を時間で区別することを理解することが苦手)
・教室を区別する(学年やクラスが分かれている理由を理解することが苦手)
・同一人物でも呼び方を変えると理解できない(記憶したことを、応用することが苦手)
・常識や恥の概念を踏まえて行動する(目に見えない抽象的なことを理解することが苦手)
・言われたルールを守る(言葉は視覚的に残らないため、ルールを書いて渡すと守れる)
具体的に得意なことの例
・書き取りや九九などの暗記(一対一対応の記憶は得意、学習障害はあるが、知的障害はない)
・神経衰弱や数字の記憶のようなゲーム(空間的な記憶が得意)
・道順を覚える(空間的な記憶が得意)
Reference: 佐々木正美著 子どもへのまなざし(福音館書店)