哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

タイムトラベルは可能か?

2013年11月24日 | 哲学・心の病
相対性理論による時間の伸び縮みを利用すれば、「未来へのタイムトラベル」が原理的には可能になります。

たとえば、「光速に近い速度で運動してもどってくる」という方法、または「ブラックホールなどの重力の強い天体のそばまで行ってもどってくる」という方法です。こういった方法なら、旅行者にとってはわずかな時間しか経っていないのに、地球では長い年月が経っている、といった状況をつくることができます。

実際は、惑星探査機ですら10~20km程度でしかなく、光速(秒速30万km)に近い速度での宇宙旅行は夢のまた夢でしょう。また、ブラックホールも、太陽系外の遠い彼方にしか存在していないようなので、こちらの方法も近い将来の実現はむずかしいでしょう。とはいえ、原理的に未来へのタイムトラベルが可能というのは、夢のある話です。

では、過去へのタイムトラベルはどうでしょうか。実は一般相対性理論によると、特殊な状況の下では、過去へのタイムトラベルも原理的には可能だといいます。

特殊な状況とは、宇宙全体が回転していた場合や、離れた2地点を結ぶ、時空のトンネル「ワームホール」が実在していた場合などです。ただし、実際の宇宙は回転していません。また、ワームホールも理論的に存在が予言されてはいますが、宇宙に実在する証拠はみつかっていません。

しかし、もし原理的にでも、自然界が過去へのタイムトラベルを許しているとしたら、それは大問題です。なぜなら、過去へのタイムトラベルは、過去の歴史を改ざんできる可能性を開いてしまうからです。

タイムトラベラーが過去にもどって自分の祖父を殺してしまったとしましょう。そうするとタイムトラベラーは生まれなくなってしまいます。そうする過去へのタイムトラベルもできないので、祖父が死ぬこともありません。つまり矛盾です(祖父殺しのパラドックス)。

過去へのタイムトラベルは、このようなパラドックスを生みだすため、多くの物理学者は、一般相対性理論をこえた何らかのメカニズムが、過去へのタイムトラベルを禁じているのではないか、と考えているようです。しかし、現代物理学をもってしても、この問題の最終的な解答は得られていません。

by 現代物理学


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