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日本人の起源の本11.古墳時代親族構造の研究

2009年08月28日 | F1.日本人の起源の本[Origin of Japane

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古墳時代親族構造の研究―人骨が語る古代社会 (ポテンティア叢書)
価格:¥ 4,893(税込)
発売日:1995-05

 この本は、九州大学の人類学者・考古学者の田中良之先生が、主に西日本の古墳出土人骨の親族構造について、書かれた本です。1995年に、柏書房から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 原始・古代親族構造解明のための方法論的検討
  2. 古墳時代親族構造の学説史的検討
  3. 上ノ原横穴墓群被葬者の親族関係
  4. 前半期古墳の事例
  5. 後半期古墳の事例
  6. 古墳被葬者の親族関係

 明治時代から、日本人の起源の研究は、現代人人骨・古墳時代人骨・縄文時代人骨を使って行われてきました。これは、縄文時代人骨が貝塚から発見される場合が多いために保存状態が良かったからです。また、古墳時代人骨は、古墳の石室に埋葬されており、土壌と接する場合が少なかったために、保存状態が良かったからです。

 もちろん、最近では、中世や近世の保存状態の良い人骨も出土していますが、これは、例外と言えるもので、中世の場合は海岸部に埋葬されていたために保存状態が良く、東京の場合は水に浸かっているために保存状態の良い近世人骨が発見されています。

 本書では、歯の歯冠計測値を用いて、それぞれの人骨の親族関係を推定しています。これは、古墳時代人骨の保存状態が良いことと、横穴式石室には、何代かにわたって追葬することが可能だからです。実際、歯は骨と比べると、遺伝的にその形質が伝わりやすいと考えられており、本書にも興味深い研究結果が述べられています。

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