自分ではほとんど使わないけど「ぱねぇ」って言葉がかなり好き。
「半端じゃない」→「ハンパない」→「ぱねぇ」
う~ん、無駄がない。
言葉のアイデンティティを損なうことなく、ここまで簡素に表現できるとは。
お見事。
誰が言い始めたかは知らないけど、引き算で創造するのは大事だと思うし、過不足ない状態ってのはそれだけで美しいと思う。
「ぱねぇ」。ふつーに辞書とかに載って欲しいもんね。
例えば、お茶の席で「結構なお点前で…」の代わりに「ぱねぇ」と言ってみてはどうか。
国会で子供のようなヤジを飛ばされたら「あんたら、ぱねぇな」と返してみてはどうか。
使い古された行為や言葉は、どうしても形骸化して本来の意味を失ってしまう。
そこに新しいものを置くことによって、場が彩りを取り戻すのであれば、その行為はもはや芸術と言っても過言ではないと思う。
こと言葉には、常にそういうふうに呼吸していてもらいたい。
古いものの良さ、新しいものの良さ。
島崎藤村的に考えると、恐らくどんな言葉よりも「ぱねぇ」がはまるシチュエーションというものがあって、他の言葉では置き換えることができない唯一無二の効果をもたらすことができるはず。
人も言葉も、そういうところに置くことで、本当の意味で生きることになる。