口幅ったいが、私は「施主のあり方」のようなものを意識している。
特に注文住宅で、「お客さん」のような姿勢でいると、家づくりの楽しさは半減するし、被害者意識も芽生えやすくなるのではないかと私は思っている。
家づくりというのはン千万円を投下したプロジェクトだ。そのプロジェクトの最高意思決定者は誰あろう施主である。会社で言えば創業社長かCEO(最高経営責任者)に相当する権限を持つ。赤瀬川原平氏は著書「我輩は施主である」で、施主を「国王」に例えていた。プロジェクトがうまくいかなかった場合、施主にだって責任があるのだ。うまくいったなら、施主の功績でもあるのだ。
私は、社長が会社を経営するのと同じような心構えで、施主は家づくりに臨むべきだと考える。ダメな社長の会社がダメになるリスクが高いように、いい施主でないといい家にならないリスクが高まると思っているからだ。
施主のHPなどで、施工途中の細かなミスや行き違いを被害者然として語っている例を見かけることがある。欠陥住宅がこれだけ騒がれている時代なので気持ちはわかるが、そういうのを見ると、もうちょっと別の書き方をした方がいいのではないかと思うことがある。
なぜなら、施工者は施主が選んだプロジェクトのスタッフなのである。途中でうまくいってないことを世間に吹聴するということは、社長がプロジェクトメンバーの社員を公衆の面前で、さらしものにしているのに近い行為のように見えるのだ。
記録的な意味合いでHPに出すのなら、「チェックを入れた部分」として紹介し、「次回、修正・対処するよう指摘した」などと、淡々とした説明文で十分ではなかろうか。それをいきなり、「ショック。信頼していたのに・・・」などと書かれたら、悪気のない施工者は相当滅入ると思う。
自分の仕事を公衆の面前で社長にそんなふうに評価されたらどのように思うだろうか? 部下を信頼していないのに加え、おろおろしている印象を与え、二重の意味でよろしくない。プロジェクトが終了していない段階でこれをやったら、さらに事態を悪くする。
家づくりで、施主が施工者のダメさ加減を嘆いていたって事態はいっこうによくはならない。 もし施工者の腕が未熟、という現実があったとして、その原因を探ると、施主が施工費を大幅に値切ったことにあったとしたら、それは人ごとではない。施主側に、資金と人材の配分をミスした事業者としての責任部分もあるはずだ。
もっとも最近は、ハウスメーカーという巨大な住宅の供給者がシステマチックな家づくりを提供するようになったので、施主サイドは自然にお客さん的視点に馴染まされてしまっている。
だから、いい家にしようと意識すると、事業統括者としてではなく、厳しい消費者のような対応になってしまうのかもしれない。
幸いにして私は、設計事務所と工務店と、手作り感のある家づくりを進める形式を選択できた。当事者としての施主の立場を満喫しない手はないように思っている。
自分の事業である、と考えているからこそ面白いということはあるはずだ。「国王」赤瀬川氏は家づくりを思い切り楽しんでいた。
我が家は竣工にだんだんと近づいている。
引き続き、楽しく前向きに家づくりに臨みたい。
特に注文住宅で、「お客さん」のような姿勢でいると、家づくりの楽しさは半減するし、被害者意識も芽生えやすくなるのではないかと私は思っている。
家づくりというのはン千万円を投下したプロジェクトだ。そのプロジェクトの最高意思決定者は誰あろう施主である。会社で言えば創業社長かCEO(最高経営責任者)に相当する権限を持つ。赤瀬川原平氏は著書「我輩は施主である」で、施主を「国王」に例えていた。プロジェクトがうまくいかなかった場合、施主にだって責任があるのだ。うまくいったなら、施主の功績でもあるのだ。
私は、社長が会社を経営するのと同じような心構えで、施主は家づくりに臨むべきだと考える。ダメな社長の会社がダメになるリスクが高いように、いい施主でないといい家にならないリスクが高まると思っているからだ。
施主のHPなどで、施工途中の細かなミスや行き違いを被害者然として語っている例を見かけることがある。欠陥住宅がこれだけ騒がれている時代なので気持ちはわかるが、そういうのを見ると、もうちょっと別の書き方をした方がいいのではないかと思うことがある。
なぜなら、施工者は施主が選んだプロジェクトのスタッフなのである。途中でうまくいってないことを世間に吹聴するということは、社長がプロジェクトメンバーの社員を公衆の面前で、さらしものにしているのに近い行為のように見えるのだ。
記録的な意味合いでHPに出すのなら、「チェックを入れた部分」として紹介し、「次回、修正・対処するよう指摘した」などと、淡々とした説明文で十分ではなかろうか。それをいきなり、「ショック。信頼していたのに・・・」などと書かれたら、悪気のない施工者は相当滅入ると思う。
自分の仕事を公衆の面前で社長にそんなふうに評価されたらどのように思うだろうか? 部下を信頼していないのに加え、おろおろしている印象を与え、二重の意味でよろしくない。プロジェクトが終了していない段階でこれをやったら、さらに事態を悪くする。
家づくりで、施主が施工者のダメさ加減を嘆いていたって事態はいっこうによくはならない。 もし施工者の腕が未熟、という現実があったとして、その原因を探ると、施主が施工費を大幅に値切ったことにあったとしたら、それは人ごとではない。施主側に、資金と人材の配分をミスした事業者としての責任部分もあるはずだ。
もっとも最近は、ハウスメーカーという巨大な住宅の供給者がシステマチックな家づくりを提供するようになったので、施主サイドは自然にお客さん的視点に馴染まされてしまっている。
だから、いい家にしようと意識すると、事業統括者としてではなく、厳しい消費者のような対応になってしまうのかもしれない。
幸いにして私は、設計事務所と工務店と、手作り感のある家づくりを進める形式を選択できた。当事者としての施主の立場を満喫しない手はないように思っている。
自分の事業である、と考えているからこそ面白いということはあるはずだ。「国王」赤瀬川氏は家づくりを思い切り楽しんでいた。
我が家は竣工にだんだんと近づいている。
引き続き、楽しく前向きに家づくりに臨みたい。
引渡し日が決まりました。
今月の21日の大安です。
引渡し後は月末の引越しに向けて忙しくなりそうです。
家にはおチビがいるので、中々引越し準備もはかどりそうにありません。
年末にはお姉ちゃんの水疱瘡が移って寝込んでいた為、大掃除もほとんどできませんでした。
引越しが近いとはいえ、見逃せない汚れがあちこちあって、雪の降る中、凍えながら窓拭きもしました。
明日からぼちぼち引越し会社の見積もりです。
いよいよですね。
ウチの方は、外壁もまだ、という段階でして、とても引越し日のことなど決められるような状況ではありません。
その分、長く家づくりを楽しめると思って自分を説得しているところです。
ウチの地方は雪ではなく雨でしたが、そちらは雪が降ったのですね。大掃除、大変なことでした。
十分に体調を整えてからお引越ししてください。
「施主の心構え」にとても共感いたしました。
私たちもgaraikaさんのような施主と巡り会えるととてもやりがいがあります。
そこで一言
「分からないから任せるよ。」
任せることを決めたのが自分であるなら
任せた結果の責任も自分にある。
-建築家との家づくり 心得帳- より
住宅業界に身を置く方から、初めて投稿していただきました。
建築家と組んだ家づくりは間違いなく面白いです。
そうした楽しさをぜひ普及させてくださいね。
すべての仕事に当てはまることではありますが、家づくりというのは「人」が重要ですよね。どんなに優れた素材とか工法を導入しても、関わる人間次第でとんでもないものになってしまいますから。
施主は総じて、家のプロを見極める能力に自信がないです。だから、システマチックなハウスメーカーに流れてしまうように思います。
どのような人々と家づくりをしたらいいか、プロの立場から施主達を啓蒙していってください。
それはそうと、HPの方を見させていただきました。
駿河意匠さんと組んだお仕事をなさっているのですね。
私は、新居のダイニングテーブルにどうかと、駿河意匠さんの「たかひく・むく」を候補にしております。
「たかひく」はいいですよ!
サイズもオーダーできますし。
それでも、どんな家具でも必ずご自分の目と体で実際に体験してから買うことをお勧めします。
家具は「家」と違って実物の比較検討ができるのですから。
実は、すでに「たかひく・むく」を見に行ってます。オーダーについても聞いてきました。
私は気に入っていますが、現在、もっといろいろ見てみたいという家族と意見を調整中といったところです。
今回はここで自分のことを取り上げてだらだらコメントしてもと思い、トラックバックという形を取らせてもらいました。今年もどうぞよろしくお願いします。
今年もよろしくお願いします。
実は新年に入ってまだ現場を見ていません。
年末年始は現場は保全のため侵入できないようになっていましたし、この週末は妻と子供が上京してきて戻っていません。進捗を噛み締めるまもなくこうしてBLOGを更新しているありさまです。
m-louisさんのエントリ、するどい指摘があり、そちらにコメントいたします。