家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

ビンテージ住宅

2006年02月27日 | 家について思ったことなど
日本においては中古住宅の流通市場の整備がひとつの課題となっている。そのためにいろいろな施策が動き出しているようだが、いまひとつ成果が聞こえてこない。

今は亡き表参道の同潤会アパートのことを考えながら、思いついたのだが、流通市場の整備のために、「中古住宅」などという野暮ったいネーミングとは別に「ビンテージ住宅」という概念を持ち込んでみたらどうだろう。
年代もののジーンズも、昔はひとくくりで「古着」に過ぎなかった。しかし「ビンテージ」というカテゴリが生まれたことによって、流通市場は活性化した。

古くても価値のあるものはある。古いというだけで一律に評価額を下げるという仕組みに乗せなくてもいいはずだ。
「何でも鑑定団」ではないが、ビンテージ的な価値を鑑定する権威のような人間がいてもいい。
そのビンテージ性が評価されてくれば、いろいろな人が掘り出し物を探すようになるのではないか。
陶器が窯元や陶芸家の名前で評価されるように、工務店や大工の棟梁の腕が「発掘」されて評価されるかもしれない。無名の画家を再評価するように、優れた建築家を探して評価することも出てくるかもしれない。ハウスメーカーの家でも建てられた年代やシリーズによって評価に差が出てくるかもしれない。

妄想にすぎないアイディアではあるが、かつての同潤会アパートにはビンテージ性があったように思う。古民家や京町屋などを評価する動きもある。現代の家でもその時代の「名品」や「まっとうなもの」を作れば後の時代で評価されることは十分考えられるだろう。
ちゃんといいものが年月を経ても評価されるのならば、ものづくりの現場のモチベーションを高めることにも役立つと思う。