家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

「ターシャの庭」「ターシャの家」

2006年02月04日 | 家について思ったことなど

ターシャ・テューダーという絵本作家の方がいる。恥ずかしながら、私はつい先日、この方の存在を知ったばかりだ。書店で、表題の「ターシャの庭」と「ターシャの家」(ともにメディアファクトリー刊)という本を見かけて手に取ったのがきっかけ。

ターシャさんは、米バーモント州に約30万坪という広大な庭というか森を持って、そこで暮らしているそうだ。
1915年生まれというから、今年で92歳。50歳代半ばから一人暮らししているということにおどろく。

庭がとにかくすばらしい。本では四季折々の写真が載せられているが、ため息がでるような美しさである。かっちり作りこんだ庭ではなく、ほどよく手を入れて整えた感じ。その管理を人に任せているのではなくて自分がやっている。その年齢にしてとても優れた庭師でもある。
家の中の写真を見れば、丁寧に暮らしていることがうかがえる。
料理もうまければ、服の仕立てもやる、きちんとした生き方をしている。
家はターシャさんがデザインし、2年かけて長男が建てたという。
ここにまぎれもない「いい家」があると思った。この良さは家の性能のスペックだけでは到底語れない(関連エントリ)。
そして、そこに住む人間と合わせて評価されるべき「いい古い家」でもある。

広大な庭だから、能力を持つ人だからという要素はあるとしても、底流にあるのは、暮らし方がすばらしいからこそ「いい家」になったということ。
「いい家」とは竣工時点の家の性能ではない。どんなに高性能の家を建てても「ゴミ屋敷」になったら、「いい家」だとは言われない。
「いい暮らし方」があってはじめて「いい家」になっていくのだ。それは間違いない。あらためてそう思った。