家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

ベンチ――オススメの造作家具

2005年09月13日 | 我が家のスペシャルな仕様

居間にある据付のベンチ。これがなにかと重宝だ。

奥行きを60cmとしたので大人が寝転がることもできる。
我が家の居間はダイニングも兼ねているため、畳は設置せず、ソファも置いてない。こうなるとゴロゴロする場所としてベンチが有効なのだ。
端に幅20cmの肘掛をつけてあり、ここにコーヒーカップやロックグラスを置くことができ、お茶したり、酒を飲ったりする。
子供はこのベンチでじゃれあうこともあり、部屋の中の縁側といった風情もある。

ベンチの下はキャスター付の引き出し収納。普段良く使うものをしまってある。


こうした人間が座ったり寝転んだりする家具は、ミニマムな部屋のようでもある。
だから注文住宅において部屋の仕様を決めるのと同じように、造作で家族に都合よく作ってもらうというのも手だと思う。


我が家において、こういう造作のベンチになった流れを紹介しておく。

奥行きのあるベンチというのはそもそも建築家がよく使っていた意匠で、それまでの家族がソファーでごろごろしていたことを伝えつつも、私が「新居ではソファーを導入するか未定」としていたこともあって、うまく折り合った案なのである。
初期の平面図のプラン段階で盛り込まれており、そこから私が注文したのは、前述の引き出し収納と肘掛の設置だった。
写真奥に見えるのはピアノなのだが、ベンチと並べてピアノを置くことについて建築家はあまり気がすすまないようだった。居間の一辺を一直線にどーんとベンチがあるという形状にしたがった。それはそれですっきりして広々と見える利点がある。しかし、別の部屋にピアノを置きたくないという我が家の事情を優先した。

このように、ひとつのパーツでも、既製のパーツを組み込むのではなく、それぞれの知恵・要望・好みをすり合わせてゼロから検討して作り上げていくことができるのが設計事務所と組んだ家づくりの利点であろう。
逆に言えば、こうした検討項目が山ほどあるともいえ、検討すること自体を楽しめない人は疲れてしまうだろう。手が込みすぎるとコストで頭を悩ませる要因になることも指摘しておきたい。
また、いくら楽しむといってもすべてを一から十まで念入りに検討するのも気力が持たない。以前に述べたようにプロへのゆだね方を考えることも重要なことだと思う。