「輪るピングドラム」
今観終わりました。
すばらしいアニメでした。
ずっと探していたものを見つけられたような。ずっと問いかけていたものを答えてくれたアニメでした。
以下ネタバレになります。
大好きだったチュンセ童子とポウセ童子に会えるとは思ってもいませんでした。
ふたりの物語は宮沢賢治のお話の中でも特に心に残るものです。
小さな二人の童子は重い重い蠍をおぶって懸命に助けようとするのです。
世の中はあまりにも辛く苦しいことで成り立っています。
それに立ち向かうには一人一人はなんと力なく弱い存在なのか、思い知らされます。
世の中をあっという間に美しい世界に変えてしまうことはできません。
できるのはひとりひとりが小さな幸せと喜びを作り出し大事に守りそれを感じ与え受け取ることだけなのでしょう。
宮沢賢治という作家はかつてひっそりと存在してあまりにも若く有名になることもなく亡くなってしまったけど、その人の心と言葉はずっと語り継がれていく。
その魂が時間軸を伝って別の作家によって新たに表現される。
そんな不思議だけれど素晴らしい物語を見ることができました。
銀河鉄道は地下鉄になり、二人の童子は生まれ変わり、ほんとうのさいわい、というものが何かを伝えてくれました。
ほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。
ジョバンニの言葉です。