お盆です

2009-08-09 11:18:01 | Weblog
私の生家はかなり大きなお寺とすぐ隣接していたので7月14日前後になると人々が次々に訪れて墓参したり、和尚さんがお経を読んだりする様子が見えたし、鐘の音が聞こえ、風向きによっては線香の匂いが我が家の中まで漂ってきたものだった。
今住んでいる町でも寺に縁があるのか、道路を挟んでここら辺では名刹として知られる大きな寺が建っている。こちらは旧盆なので、8月中旬には寺の向かいには花屋さんが出店するほどの賑わいだ。お盆期間中は人々の出入りが絶えない。そういうわけで、旧盆にせよ新盆にせよ、お盆は私にとっては親しい期間といえる。特に今年のように毎日曇天や雨の陰鬱な天候が続き、それに不況が環をかけるとすればいやでも祖先のことに思いを馳せることになる。

8月は、偶然とはいいながら、広島原爆の日、長崎原爆の日、終戦記念日、日航機墜落などが続き、気分を祈りに向かわせる不思議な月だ。現在の日本のお盆はそういうことに取り囲まれているのだ。
お盆は家族を思う季節でもある。だれに命令されるわけでもないのに、万里の道を渋滞もなんのその、人は故郷の家族のもとに帰る。そして家族と共に祖先を思う。すると、そこに祖先が帰ってきて家族との団欒に加わる。これをフィクションと称するのは少々浅はかではあるまいか。そう思い込めば事実そうなる・・・そう思いたい。
西欧のクリスマスとも雰囲気がまるきり違うけれども、家族を思うという一点では全く同じだ。こういう時間がどの文化の人にとっても年に1度か2度は必要なのだろう。自分の魂をリセットするために。


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