日参のこと

2005-09-26 21:13:17 | Weblog
昔話をさせていただく。日参(にっさん)のことだ。日参とは、私の場合は、毎朝登校する前に町内の学年を異にする児童がそろって日枝神社にお参りしたことだ。何を願うためにお参りしたか、というと、言うまでもなく日本の戦勝を祈願するためである。これは他の町の登校班でも同じことをどこか別の神社でやっていたようだ。日参すれば日本がアメリカから勝つとは思っていなかったけれども、そもそも日本が負けるだろうとも思っていなかった。というより日本の勝ち負けなどには関心がなかった、というのが正直のところだろう。日参が始まったのは小学校3年の後半かそれとも4年の折だったようだ。要するに、日本の敗色がかなり濃くなり、学徒動員が行われるようになった頃か、と思う。
日参について覚えているのはどこまでも粉雪で覆われた道路と橋である。その頃の雪は雪質が良かったのだ。ということは寒かったということでもある。そこを上級生に引率されて日枝神社まで約20分歩いた。寒かったのだろうが、思い出は浄化されて、そこら辺は無色透明である。着くと拍手を打って、何やら唱えさせられたような気がするが間違いかもしれない。不愉快な思い出ではない。4年生だった年の夏に太平洋戦争は終った。

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