ぬかるみの女

2009-12-22 22:49:09 | インポート

ワタシの故郷、福岡では、
花登筐センセイのドラマが頻繁に再放送されている。
それはワタシが気付いた頃、確か高校生くらいの頃から、
何度もリピートして放送されており、何故か今でも続いている。
「ぬかるみの女」「あかんたれ」…。

特に「ぬかるみの女」は、ワタシの思春期のオカマ心を刺激しまくった。
昭和40年代のキャバレーという舞台設定、ファッション、メイク。
そして何と言っても、ダンサー同士のオンナの戦い。
今ではケラケラ笑って見るだろうものを、
その頃はただただジーッ…と凝視するように、
母親と一緒に見ていた覚えがある。(母は心配だっただろう)

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今年初めに監修・選曲させてもらった「新宿・盛り場・これくしょん」に、
その主題歌「ぬかるみの女」(唄/石川さゆり)を入れたのも、
そんな思い入れがあって、実現したものである。
その頃から、フと「ぬかるみの女」が見たくなり、
福岡にいる友人のフクトミコに連絡をして、録画をお願いした。
「ぬかるみの女」「続・ぬかるみの女」、合わせて何話になるだろうか…。
20話分ほど溜まっては送ってもらうという過酷な作業の依頼を、
快く承けてくれた、フクトミコに感謝。

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久々に見る「ぬかるみ」。懐かしい面々、甦る記憶…。
誠実さをモットーとする‘星由里子’演じる文子。
そして、イジワルをモットーとする‘真木洋子’演じるアケミ。
そして文子を支える役で、義理の弟の‘三波豊和’演じる正和。
三波豊和、カワイイ…。

三波豊和さんがブログをやっていて(!)、
覗いてみると、ぬかるみの女の制作秘話が書いてあった。
知らなかったことばかりで驚いたが、
一番驚いたのが、星由里子さんと花登筐センセイは結婚していたこと。
コレ…常識ですか…ネ?
恥ずかしながら知らなかった。
あと、星由里子の子供役の博子が、嶺川貴子さんであったこと。
今では小山田圭吾さんの奧様ですか。コレにもビックリ。

このドラマを見ながら、
今ではワタシも水商売か…と不思議な気持ちになった。
まさかワタシが自分の店を持ってママをやっているなんて、
高校生の頃には考えてもみなかったが、
むしろ、考えもせず見たり聴いたり知ったりしたことが、
後のワタシに知らずと影響を与えてたりすることが多い。
(というか昔は何にも考えていなかったワ…)

このドラマの中でアケミの、
「ワタシの好きな香水は『夜間飛行』…」というセリフで、
初めてゲランの『夜間飛行』という香水を知った。
それがずっと頭に残っていて、
ワタシがステージに立つようになった頃、
香水は『夜間飛行』にしようと何となく決めていた。

今、ワタシはその『夜間飛行』を付けて唄っているが、
それがこのドラマの影響だったことを、今回久々に思い出した。
と同時に、
ウチの店の屋号までが『夜間飛行』であることに気付いた時、
この『夜間飛行』という言葉がどんだけ好きなんよ…と、
因果めいたものを感じちょっとだけゾッとした。