ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

切り捨て御免気分

2017年02月10日 | 通信-沖縄関連

 このガジ丸通信はここ3ヶ月ばかり、引っ越しに伴うあれこれ思うこと感じたことを中心に自分のことばかり書いているが、世間で起きていることについて何も思わず、何も考えなかったというわけではない。引っ越しに伴うあれこれに脳味噌が忙しく、引っ越しに伴うあれこれがたくさんあって、物事について私なりに深く考察し、私なりに深く考え、私なりの意見を述べるには「深く~する」時間と心の余裕があまりなかったわけ。

 世間で起きたことで、かつ、大騒ぎになったことで知っていることは、ポケモン号というゲームが流行って、それに夢中になって交通事故も起きたということ。人気グループのスマップが解散したということ。アメリカ合衆国の次期大統領がトランプ氏に決まって、今年1月新大統領に就任し、早速独自路線を歩み始めているということ。そして、沖縄の辺野古新基地の工事が再開されたということなどなど、いくつもあるが、
 ポケモン号とスマップ解散については、私にとってどうでもいいことなので何も思わないし何の意見も無い。アメリカ合衆国新大統領トランプについては、どんな顔をしている人なのか私には不明であり、どんな思想の持ち主なのかもよく解らないので、もう少し調べてから、顔も見てから、その上で意見があれば後日述べたいと思う。
     

 毎日数回は聴いているラジオからのニュース、私の関心事は、もちろん天気。昔、「土方殺すにゃ刃物は要らぬ 雨の三日も降ればいい」なんていう歌の文句だかなんだったかがあったが、農夫の生活も天気に大きく左右される。できそこない農夫の私でも天気は大いに気になっていて、ラジオでもっとも注意深く耳を傾けるのは天気情報。
 天気情報の次に注意して聴いているのは一般のニュース。芸能スポーツには全く興味は無いが、経済ニュースにもあまり興味は無いが、政治向きの、特に沖縄関連のニュースには大いに興味があり、その方面のニュースがあると作業の手も止まる。

 今週は私にとって、及び平和を愛する多くの沖縄県民にとって、悔しくて残念なニュースがあった。辺野古新基地建設再開というニュース。
 「お願ぇしますだ、沖縄にもうこれ以上基地は要らねぇですだ、工事はしねぇでくれ」と頼んでいるのに、「煩ぇ、お上に盾突くんじゃねぇ!」と国は「何が何でも辺野古」とばかりに、強引に前に進む。それを阻止しようとする庶民に対し、「無礼者!」と刀を抜き、切り捨て御免、なんて江戸時代のバカ侍みたいな気分にいるのかもしれない。
 辺野古新基地建設再開というニュースの中で、例のおとぼけ官房長官がまたもおとぼけ発言をしていた。「地元は反対と言っているが、辺野古地区住民は条件付き賛成だ」といった内容の発言だった。頭が悪いのか、あるいは頭が悪いふりをして、相手を油断させようとしている狡猾者(能ある鷹は・・・みたいな)なのかしらないが、
 首都圏の電力は首都圏で責任をもって賄おうと、神奈川県が東京湾に大規模原発受け入れを表明した。危険なものが近くにあるのは気持ち悪いので東京都は猛反対した。
 「地元が賛成している、工事を着工する」と電力会社は問答無用の態度。
 「地元は賛成って、場所は神奈川でも影響は東京都も受ける、東京も地元だ!」と反論したが、電力会社のおとぼけ担当者は「煩ぇ!決まったことだ」と吐き捨てた。
     

 記:2017.2.10 島乃ガジ丸


フーチバーおひたし

2017年02月10日 | 飲食:食べ物(料理)

 不作の時でも

 私の感覚なので正確ではないかもしれないが、1月下旬から2月中旬にかけてがこの南の島沖縄の一番寒い時期。ところが今年は、去年の11月12月からそうであったが、年が明けても暖かい日が多い。1月は「寒い!」と感じた日が数日しかなかった。
 南の島とはいっても冬はそれなりに寒い。いつもなら電気ストーブを使い、寝る時も掛け布団1枚では寒く、その上から毛布を掛ける日もある。今季は、電気ストーブを使ったのは数日あるが、毛布はまだ出していない。薄手の掛け布団1枚で済んでいる。
 風邪を引いた1月31日以降、その日と翌日は、寝る時は薄手の掛け布団が2枚となったが、2月に入っても概ね暖かい日が続いて、掛け布団1枚はすぐに仕舞われ、風邪がぶり返さないよう、身体を冷やさないようにと電気ストーブはちょくちょく使っていた。しかし、それも風呂上がりの1~2時間程度で済んでいた。暖かい冬である。
 であったが、「記録的な暖かさ」と思われる今季の冬も昨日9日からグンと冷えた。昨日は夜中からの雨が朝も続いて、畑は休み、家の中でガジ丸ブログの記事書きに勤しむ。いかにも冬の寒さ、笑うかもしれないが室内気温18度、南の島でのんびり暮らしているウチナーンチュにはそれでも寒い。そんな寒さに朝から電気ストーブ点けっ放し。

 さて、昨日今日と寒くなったが、寒いといってもそれが例年通りの冬の寒さ。とにかく今季の冬(去年11月以降)は暖かかった。そんな暖かい冬のお陰で畑の作物は不作。
 ダイコンはちっとも大きくならないまま花芽を着けてしまいほぼ全滅。
 ホウレンソウにいたってはほとんど芽も出さなかった。
 ニンジンは、その多くが大きくならない内に実が割れてしまった。
 ジャガイモは実着きが悪い。例えば先日4株掘ったが、4株で収穫は6個だけ。
 タマネギも成長が悪く、去年10月23日に苗を植えたのに、まだ小さいまま。
 その他、自家消費用のキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、セロリ、ピーマン、ナスなど去年の9月から10月に苗を植えた作物がほとんど成長していない。
     

 3年過ぎても未だに素人農夫の私は、天候にも恵まれず2017年冬はこれまで以上に不作の年となった。ただしかし、だからといって生きていけないということはない。
 私の畑、300坪のナッピバルには上記の作物の他、芋(サツマイモ)が常にある。もう長いこと掘っていないが、掘れば芋がボコボコ出てくれるはず。芋さえあれば私が餓死するという恐れはない。芋さえあれば私は生きていける。
 芋の他にも野菜となるフーチバー(ヨモギ)が常にある。フーチバーは臭い、苦いという人もいるが私は大好き。沖縄の伝統料理フーチバージューシー(ヨモギ雑炊)として食することはほとんど無い。フーチバーも私にとっては乙な酒の肴となる。
 フーチバーを摘んで、洗って、軽く茹でる。冷めたら手で握って水気を搾る。それを器に入れて、醤油を垂らすか、またはポン酢でも麺つゆでもいい、適量を入れて味付けし口の中に入れる。季節は選ばないと思うが、私は春先のフーチバーが好み。春先のフーチバーは柔らかい。柔らかいのをよく噛む。口の中に春の匂いが広がる。美味です。
     
     
     

 記:2017.2.9 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


怖い新型流行性感冒

2017年02月03日 | 通信-科学・空想

 今週月曜日(30日)、小雨の降る中畑へ出勤し農作業を少しやった。小雨は小雨の内でも小雨だったので合羽を着ずにやった。ほんのちょっとで終わるつもりが夢中になってしまい、そのせいで頭部はたくさん濡れ、上半身も少し濡れた。
 夕方になると寒気がした。「しまった、濡れたせいで風邪引いたかも」と心配していたら、咳が出て、鼻水が出て、くしゃみが出て、間違いなく風邪。家に帰って、畑の生野菜などを肴に酒飲んで、風呂入って身体を温めて寝る。翌朝目覚めると、風邪は酷くなっていた。全体に寒気がする、寒気は痺れのようにも感じられ身体全体がだるく、痛い。
 その日(火曜日)はずっと寝ていた。身体の痺れがとれない、トイレに立つことも面倒なくらい身体がだるかった。大好きな豆腐屋さんが家の近くを通ったが、豆乳が飲みたかったのだが、立って玄関を出て豆乳を買う、という元気は全くなかった。
 「こんな時だな、人生のパートナーが必要なのは」と思った。この先歳取ったらもっと酷い状況になることもあるはずだ。酷い状況でも豆乳が飲みたい。「パートナー募集中」とするか。月に1回か、2~3ヶ月に1回通うだけでいいよ、誰かいない?

 パートナー募集中は少し遠くへ置いといて、今回の風邪、1日中寝ていた火曜日の翌日には、痺れもとれ、くしゃみも回数が減り、咳が頻繁に出て痰も出るようになった。痰が出るようになったら風邪も治り始めと聞いたことがある。で、朝、畑へ出勤し、2時間ばかり作業してみたが、身体にだるさが残っている。頭痛も少し出てきた。ということで、午前中で引き上げて家に帰り、あとは布団にもぐりこんでひたすら寝る。
 1日中寝ていた火曜日、とこの日水曜日は、そんなわけで2日連続の休肝日となった。2日連続は会社勤めしていた数年前までは週に1回あったが、それ以来。身体がだるいので酒飲んでも美味いわけがない、酒好きの私は酒に対してそんな失礼なことはしない。
 火曜日、水曜日、木曜日の朝は習慣としているモーニングコーヒーも飲まなかった。月曜日の夜からはタバコも吸っていない。水曜日の朝に1本火をつけたが、煙が喉を通らなくて4、5服吸って消した。コーヒーもタバコも酒と同じく風邪引くと不味くなる。
     
 木曜日(昨日)の朝、目覚めると肩凝りが少しあり、身体のだるさも残っている。2日間寝てばかりいたので、そのせいで身体がなまってだるいのだろうと判断し、朝、畑へ出勤、身体を動かした。2時間ばかり身体を動かしたが、しかし身体はちっとも暖まらず、却って、その日沖縄の気温が下がったのかしらないが寒気がしてきた。寒気と共に身体のだるさも戻ってきた。「やばい、ぶり返すぞ」と思って、一旦家に帰る。

 私が罹った火曜日の症状は、インフルエンザの特徴である高熱が出ないので、インフルエンザではなく風邪だと私は判断している。であるが、いつもの風邪とは違う。いつもなら少し咳が出て鼻水が出て、くしゃみが出て、翌日には痰が出て治っている、のだが、今回は身体のだるさが抜けない。最初の全身に及ぶ身体の痺れも初体験だった。
 「もしかしたら新型インフルかもしれないぞ」と思った。熱は無いが痺れやだるさが長く残り、働く意欲が無くなるという新型。最近、あちこちで鳥インフルが流行したらしいが、例えばその鳥インフルウイルスが人に感染するようになって、人の働く意欲を奪うような症状を持つ。働く意欲が無くなったら私は生きていけない、恐ろしや新型。
     

 記:2017.2.3 島乃ガジ丸


島豆腐

2017年02月03日 | 飲食:食べ物(材料)

 登場数NO1

 床を傷付けてはいけない、壁を傷付けてはいけないなどと厳しい入居条件によって、壁を引っ掻いてはいけない、床に物を落としてはいけないなどと生活するに多少窮屈な面はあるが、新居は静かな環境にあり住み心地良く、部屋はきれいだし、庭もある(自分好みに整備済み)し、駐車場は2台停められるし、私は大満足している。
 2週間ほど前、正確に言うと1月17日、新居の良い点をもう1つ発見した。じつは、その良い点はそれより1ヶ月前からその予感はあった。新居に住み始めて引っ越しが取り敢えず落ち着いてからの数日後、「トーフー」というラッパの音が聞こえ、豆腐屋さんの車が通った。私が子供の頃は日常の光景だった豆腐行商、今ではごく珍しいもの。
 その日、ラッパの音が聞こえる少し前から私は隣に住む大家さんと大家さんの玄関前でユンタク(おしゃべり)していた。車が家の前に来ると大家さんが声を掛け、豆腐屋の車を止め豆腐を買った。たまたまその日、私はスーパーで豆腐を買っていたので豆腐は要らなかったのだが、豆腐屋の若い(三十代?)お兄さんと少し声を交わした。

 「池田屋豆腐って、スーパーにも置いてますよね?」
 「以前は置いていましたが、今はどこにも置いていなくてこうやって売っています」
 「そうですか、毎日この辺は回っているのですか?」
 「いえ、あちらこちら回っていて、この辺りは毎週火曜日の夕方回っています」
 「そうですか、生憎今日はもう既に豆腐を買っているので、次週に買いましょう」
 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」

 丁寧な若い男だった。人相も良かった、今時の言葉だとイケメンというかもしれない。私の印象では「信用できる人」であった。その人が作る豆腐、興味を持った。
 で、次の週、正確に言うと12月20日、がんもどきとゆし豆腐(沖縄では有名な豆腐料理、おぼろ豆腐のようなもの)を買った。どちらも値段はスーパーで売られているそれより高めであった。どちらも私の好物なので美味しく頂けた。ただ、がんもどきはスーパーのより多少美味いと思ったが、ゆし豆腐についてはあまり差を感じなかった。
 次の週も豆腐屋の車を止め、その日はがんもと味付けおからを買った。おからも美味かった。その次の週(1月3日)は、正月で豆腐屋は休み。そして、次の週(1月10日)は私が豆腐屋のことを忘れて、スーパーで豆腐を買ってしまってパス。
 そして1月17日、遠くから聞こえてくる「トーフー」というラッパの音に気付き、音が近くに来たところで表に出て、運転手の若い男に手で合図し車を止め、「今日は本命を食ってみよう」と決めていた通り、島豆腐を半丁購入する。

 島豆腐は暖かかった。作り立てを車に載せて販売しているようだ。沖縄ではよくアチコーコードーフと言ったりする。アチコーコーは熱いという意であるが、「作り立て」という意も言外に含まれていると思う。子供の頃に行商の豆腐をそう呼んでいた。
 子供の頃の記憶では、アチコーコーは美味しい。その記憶が蘇った私は家の中に入ってすぐ、豆腐の角を手で少しちぎり取って食べた。「旨ぇ~」と思った。で、半丁の三分の一を包丁で切り取って皿に載せ、その上に友人Kから頂いた酒盗を乗せ、まだ6時前、外は明るいのにぐい呑みに日本酒を注ぎ、島豆腐を肴に1杯飲んだ。幸せを感じた。

 これまでたくさんの飲食物を紹介してきたが、『沖縄の飲食目次』を改めて見ると島豆腐がまだ紹介されていない。「何てこと!」と思った。島豆腐は、私の食卓に上る登場回数ではおそらくNO1だ。晩酌の肴となる回数でもきっとNO1、晩酌のエネルギー量としては間違いなくNO1だ。そんな島豆腐なのに未紹介だったとは何て迂闊。
 友人E子が大好きな豆腐があって、それは糸満に会社があり、E子のいる浦添まで週に1回(金曜日)出張販売してくれるもの。その豆腐を、たまたま金曜日にE子の店まで行った時などに頂くことがある。E子が言うように美味しい豆腐であると私も感じている。私が時々買い物に行っているCスーパーに那覇市繁多川にある豆腐屋の「国産大豆の島豆腐」なるものがあって、それをたいてい私は購入している。これも美味い。
 E子の勧める糸満豆腐を食べた時にでも、あるいは、繁多川の国産大豆豆腐を食べた時にでも「島豆腐の紹介がまだ」に気付いてもよかったのだが、思いは及ばなかった。何故かと理由をあげれば、どちらも私が頂く時はアチコーコーではないので、池田屋豆腐ほどの感動はなかったからかもしれない。念のため記しておくが、アチコーコーでなくても池田屋豆腐は糸満豆腐や繁多川豆腐に負けることはない、と私の舌は感じている。

 池田屋豆腐の美味さに感動した翌週、正確に言うと1月24日、池田屋豆腐の車が来るのを玄関前で待って、運転手に合図して車を止め、そして、車の写真を撮った。運転手の若い、人相の良いお兄さんが出てくると、先ずは、
 「美味しい豆腐でした。真面目な豆腐ですね。」と褒め、
 「私のような貧乏人には少し値段が高いと思うけど、値段の価値は十分あります」と、さらに褒めた。お兄さんも「他の豆腐より高め」は認識しているようで、それについても肯きながら「値段の価値は十分ある」に喜んでくれ、「ありがとう」を連発した。
 「先週、1口食って、あんまり美味いもんだから早い時間から酒になったですよ。ブログで紹介したいから写真撮ってもいいですか?」と訊くと、
 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」と言って、車の横のドアを全開にして、電気を点けて、移動販売の全商品が見渡せるようにしてくれた。
     
     

 その時、私は前週と同様の島豆腐半丁と、今回初めての厚揚げを購入した。島豆腐半丁は今回もアチコーコーだった。「やー、これで今日も明るい内から酒だな」と言いながら若いお兄さんに手を振って家の中。そして、その通り、日本酒を飲んだ。
 池田屋豆腐の商品は、島豆腐やがんもの他にも白和え、生ゆば(とても興味があるが540円と高い)、じーまーみ豆腐などいろいろある。チーズがんもなんてのもある。毎週火曜日が楽しみとなった。「火曜日が休肝日になることはないな」と思った。
     

 記:2017.1.31 ガジ丸 →沖縄の飲食目次